2015年 04月 22日
Chopin: Piano works@Sophie Pacini |
Avi Musicの新譜で、気鋭の若手、ソフィー・パチーニが弾くショパン作品集。

http://tower.jp/item/3682127/
Chopin: Sophie Pacini
Ballade No.4 in F minor, Op.52
Nocturne No.2 in E flat major, Op.9 No.2
Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31
Nocturne No.1 in B flat minor, Op.9 No.1
Nocturne No.8 in D flat major, Op.27 No.2
Impromptu No.4 in C sharp minor, Op.66 'Fantaisie-Impromptu'
Nocturne No.7 in C sharp minor, Op.27 No.1
Nocturne No.13 in C minor, Op.48 No.1
Polonaise No.7 in A flat major, Op.61 'Polonaise-fantaisie'
Sophie Pacini (Pf)
ショパン:
バラード第4番ヘ短調 op.52
ノクターン第2番変ホ長調 op.9-2
スケルツォ第2番変ロ短調 op.31
ノクターン第1番変ロ短調 op.9-1
ノクターン第8番変ニ長調 op.27-2
幻想即興曲 嬰ハ短調
ノクターン第7番ハ短調 op.27-1
ノクターン第13番ハ短調 op.48-1
幻想ポロネーズ変イ長調 op.61
ソフィー・パチーニ(ピアノ)
前回に続きショパン第2弾。パチーニの演奏については以前にシューマンとリストのアルバムを聴いていて、これは重厚なプログラム構成にして演奏もシュアかつヴィヴィッドなものだった。今回のショパンに関してはややライトなノクターンのベスト盤に他のポピュラー・ナンバーを挟んで摘み食い的にショパンの美味しいところを並べた感がある。組み合わせとしてはありなんだろうが、ノクターンのみでメロウ路線を追求した構成にするとか、3拍子の舞曲系=ワルツ、マズルカを加えて幅と深みを出すとか工夫の余地はあったやに思う。要は中途半端なプログラムという感が否めない。
冒頭、それと3トラック目には個人的に好んでいるバラード#4とスケルツォOp.31が入っている。しかし普段聴いているもの、あるいは若い頃に練習したものとは一部において全く異なる曲ではなかろうかと思われるほど違和感がある。古い全音のスケルツォの楽譜をひっぱり出してきて追いながら聴くと8と16分音符のトリルの概形とか装飾譜がちょっと違う感じで、恐らく左手の一部の分散和音も違う感じ。
世の中には詳細で丹念な調べごとをしてネットにアップしている親切な人がいるもので、そちらによれば、これらの曲および幻想ポロネーズの3曲に関してはエキエル編(全音の楽譜がそれ)ではなくてヘンレ版を用いているとのこと。どちらも手書き譜や草譜を基に起こしたものなのにこうも聴感が違うものなのか。それはそれで慣れれば吸収できる範囲だが。
バラード#4は割とエモーショナルだけれども従前からの高速性能は基礎部分を支えており、前作でのリストにおける形質はこのバラードにも承継されていることがわかる。緩徐部からの立ち上がり、ちょっと急ぎ過ぎている場面もあるけれどもほぼほぼ難なく弾き切っている。スケルツォは多少乱暴なスタッカート、けたたましいオクターブ奏法、また微視的に聴き込むと滲みのある分散和音が少し気にはなるけれども堂々たる組み立てと演奏といえる。磨き込めばもっと光るバラードとなるだろう。
ノクターンOp.9-1は、揺蕩う雰囲気が出ていてこれはこれで華やいだ雰囲気で良いが、細かいことを言うならフェルマータや休符の持ち方が急いだ感じでぎこちなさが出ている。もうちょっと丁寧な歌わせ方であってよいと思う。そしてOp.9-2はちょっと残念な構造設計および演奏である。主題から展開部への変移が単調で平板なのでこの曲の最大の特徴である高らかに謳い上げる優美さと華やいだ明媚さがなく、そして全体的に急いでいて落ち着きがなく中間部のやるせないアンニュイが機械的表層的な表現に留まり、そしてコーダに向かっては持ち前の高速性能が寧ろ副作用となっていて浮遊感を醸すどころか急失速という感じに萎んで終わってしまうのだ。
Op.9-2とは形質が全く違う幻想即興曲だが、これまた残念な感じだ。全体にエナジー感が削がれた平面的解釈に終始しており、概して抑揚が弱い。演奏面でもアチェレランド、リタルダンドともに中途半端なかけ方で、本来の曲想が持っている瞑想的でトランスするような求道性が殺がれているのだ。前作のリストのロ短調ソナタのようにもっと自由に飛翔するかの奔放さで弾き切ると案外と素晴らしい演奏となる気がするのだが、なにか抑制的に弾かなければならない思いがあったのか。
最後のノクターン2題と幻想ポロネーズはまずまずの出来栄えで、ここではある程度自由で幅の広い情感表現が展開される。特にノクターンの2曲はメランコリックさもアンニュイさも決然さもうまく表出されており、かつスケールや分散和音の粘性も十分にあって、まずまず聴ける演奏だった。
(録音評)
Avi Music 4260085533091、通常CD。録音は2013年12月、場所はケルン、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザールとある。演奏は割とばらばらな出来栄えで統一性がないのだが、音に関しては一貫した高品位が貫かれていて優秀。スタインウェイがパチーニの速い指回りに高速追従していく様子、アクション機構がサスティンペダルで上下に運動する姿などが克明に捉えられており、ピアノ演奏を聴くという愉悦にたっぷりと浸ることができる。いい音だ。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

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Chopin: Sophie Pacini
Ballade No.4 in F minor, Op.52
Nocturne No.2 in E flat major, Op.9 No.2
Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31
Nocturne No.1 in B flat minor, Op.9 No.1
Nocturne No.8 in D flat major, Op.27 No.2
Impromptu No.4 in C sharp minor, Op.66 'Fantaisie-Impromptu'
Nocturne No.7 in C sharp minor, Op.27 No.1
Nocturne No.13 in C minor, Op.48 No.1
Polonaise No.7 in A flat major, Op.61 'Polonaise-fantaisie'
Sophie Pacini (Pf)
ショパン:
バラード第4番ヘ短調 op.52
ノクターン第2番変ホ長調 op.9-2
スケルツォ第2番変ロ短調 op.31
ノクターン第1番変ロ短調 op.9-1
ノクターン第8番変ニ長調 op.27-2
幻想即興曲 嬰ハ短調
ノクターン第7番ハ短調 op.27-1
ノクターン第13番ハ短調 op.48-1
幻想ポロネーズ変イ長調 op.61
ソフィー・パチーニ(ピアノ)
前回に続きショパン第2弾。パチーニの演奏については以前にシューマンとリストのアルバムを聴いていて、これは重厚なプログラム構成にして演奏もシュアかつヴィヴィッドなものだった。今回のショパンに関してはややライトなノクターンのベスト盤に他のポピュラー・ナンバーを挟んで摘み食い的にショパンの美味しいところを並べた感がある。組み合わせとしてはありなんだろうが、ノクターンのみでメロウ路線を追求した構成にするとか、3拍子の舞曲系=ワルツ、マズルカを加えて幅と深みを出すとか工夫の余地はあったやに思う。要は中途半端なプログラムという感が否めない。
冒頭、それと3トラック目には個人的に好んでいるバラード#4とスケルツォOp.31が入っている。しかし普段聴いているもの、あるいは若い頃に練習したものとは一部において全く異なる曲ではなかろうかと思われるほど違和感がある。古い全音のスケルツォの楽譜をひっぱり出してきて追いながら聴くと8と16分音符のトリルの概形とか装飾譜がちょっと違う感じで、恐らく左手の一部の分散和音も違う感じ。
世の中には詳細で丹念な調べごとをしてネットにアップしている親切な人がいるもので、そちらによれば、これらの曲および幻想ポロネーズの3曲に関してはエキエル編(全音の楽譜がそれ)ではなくてヘンレ版を用いているとのこと。どちらも手書き譜や草譜を基に起こしたものなのにこうも聴感が違うものなのか。それはそれで慣れれば吸収できる範囲だが。
バラード#4は割とエモーショナルだけれども従前からの高速性能は基礎部分を支えており、前作でのリストにおける形質はこのバラードにも承継されていることがわかる。緩徐部からの立ち上がり、ちょっと急ぎ過ぎている場面もあるけれどもほぼほぼ難なく弾き切っている。スケルツォは多少乱暴なスタッカート、けたたましいオクターブ奏法、また微視的に聴き込むと滲みのある分散和音が少し気にはなるけれども堂々たる組み立てと演奏といえる。磨き込めばもっと光るバラードとなるだろう。
ノクターンOp.9-1は、揺蕩う雰囲気が出ていてこれはこれで華やいだ雰囲気で良いが、細かいことを言うならフェルマータや休符の持ち方が急いだ感じでぎこちなさが出ている。もうちょっと丁寧な歌わせ方であってよいと思う。そしてOp.9-2はちょっと残念な構造設計および演奏である。主題から展開部への変移が単調で平板なのでこの曲の最大の特徴である高らかに謳い上げる優美さと華やいだ明媚さがなく、そして全体的に急いでいて落ち着きがなく中間部のやるせないアンニュイが機械的表層的な表現に留まり、そしてコーダに向かっては持ち前の高速性能が寧ろ副作用となっていて浮遊感を醸すどころか急失速という感じに萎んで終わってしまうのだ。
Op.9-2とは形質が全く違う幻想即興曲だが、これまた残念な感じだ。全体にエナジー感が削がれた平面的解釈に終始しており、概して抑揚が弱い。演奏面でもアチェレランド、リタルダンドともに中途半端なかけ方で、本来の曲想が持っている瞑想的でトランスするような求道性が殺がれているのだ。前作のリストのロ短調ソナタのようにもっと自由に飛翔するかの奔放さで弾き切ると案外と素晴らしい演奏となる気がするのだが、なにか抑制的に弾かなければならない思いがあったのか。
最後のノクターン2題と幻想ポロネーズはまずまずの出来栄えで、ここではある程度自由で幅の広い情感表現が展開される。特にノクターンの2曲はメランコリックさもアンニュイさも決然さもうまく表出されており、かつスケールや分散和音の粘性も十分にあって、まずまず聴ける演奏だった。
(録音評)
Avi Music 4260085533091、通常CD。録音は2013年12月、場所はケルン、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザールとある。演奏は割とばらばらな出来栄えで統一性がないのだが、音に関しては一貫した高品位が貫かれていて優秀。スタインウェイがパチーニの速い指回りに高速追従していく様子、アクション機構がサスティンペダルで上下に運動する姿などが克明に捉えられており、ピアノ演奏を聴くという愉悦にたっぷりと浸ることができる。いい音だ。
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by primex64
| 2015-04-22 23:18
| Solo - Pf
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