2015年 01月 04日
Mozart: Requiem K626@Laurence Equilbey/Accentus/Insula O. |
naïveの秋の新譜でエキルベイ/アクセントゥス/インスラ・オーケストラによるモツレク。しかも、エキルベイがその立ち上げに尽力してきたインスラ・オーケストラのデビュー盤ということになる。

http://tower.jp/item/3682297/
Mozart: Requiem in D minor, K626 - Süßmayr version
Introitus.
1. Requiem aeternam
2. Kyrie eleison
Sequenz.
3. Dies irae
4. Tuba mirum
5. Rex tremendae
6. Recordare
7. Confutatis
8. Lacrimosa
Offertorium.
9. Domine Jesu Christe
10. Hostias
Sanctus.
11. Sanctus
Benedictus.
12. Benedictus
Agnus Dei.
13. Agnus Dei
Communio.
14. Lux aeterna
Sandrine Piau (soprano), Sara Mingardo (contralto),
Werner Gura (tenor), Christopher Purves (bass-baritone)
Accentus Chamber Choir, Insula Orchestra, Laurence Equilbey
モーツァルト: レクイエム K626(ジュスマイヤー版)
イントロイトゥス【入祭唱】
第1曲 レクイエム・エテルナム【永遠の安息を】
第2曲 キリエ【憐れみの賛歌】
セクエンツィア【続唱】
第3曲 ディエス・イレー【怒りの日】
第4曲 トゥーバ・ミルム【奇しきラッパの響き】
第5曲 レックス・トレメンデ【恐るべき御稜威の王】
第6曲 レコルダーレ【思い出したまえ】
第7曲 コンフターティス【呪われ退けられし者達が】
第8曲 ラクリモーサ【涙の日】
オッフェルトリウム【奉献文】
第9曲 ドミネ・イエス【主イエス】
第10曲 オスティアス【賛美の生け贄】
サンクトゥス【聖なるかな】
第11曲 サンクトゥス【聖なるかな】
第12曲 ベネディクトゥス【祝福された者】
アニュス・デイ【神の小羊】
第13曲 アニュス・デイ【神の小羊】
コムニオ【聖体拝領唱】
第14曲 ルックス・エテルナ【永遠の光】
ロランス・エキルベイ(指揮) アクセントゥス、インスラ・オーケストラ
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
サラ・ミンガルド(アルト)
ヴェルナー・ギューラ(テノール)
クリストファー・ピュルヴ(バス)
エキルベイが大規模作品を録音するのは久しぶりという気がする。エキルベイ、および彼女が20年ほど前に創設したアクセントゥス合唱団もその方面ではあまりに有名なので特に解説は不要だろう。今回、インスラ・オーケストラについては初の演奏ということで、以下、キング・インターの解説が詳しいので引用しておく。
-----
insula(インスラ)とは脳の一領域、島皮質(とうひしつ)を指し、感情や感覚的な体験に関連がある部分のこと。2012年にやはりエキルベイによって設立され、古典派からロマン派までの作品を中心に、ピリオド楽器で演奏する団体です。2014/15のシーズンには、ミンコフスキが音楽監督を務めるモーツァルト週間音楽祭でモーツァルト=ベートーヴェン=ヴェーバーのプログラムを演奏することになっているなど既に注目の活動を展開しています。このレクイエムでも、「怒りの日」での管楽器の炸裂ぶりや「ラクリモーサ」での氷のような弦の音色など、聴き手の心を直に刺すような演奏を繰り広げています。
-----
なお、ソロをとるのはフランス声楽界では飛ぶ鳥落とす勢いのスター=サンドリーヌ・ピオー、コントラルトは渋いサラ・ミンガルド、既にベテランの域かと思わされるヴェルナー・ギューラ、バスはクリストファー・ピュルヴという強力な布陣。
通称モツレク=モーツァルトのレクイエムは、言うまでもなく音楽史上に名を残す歌唱曲の最高傑作のうちの一つ、そして三大レクイエムといわれている大作の中の一つでもある。なかんずく本作品は本人執筆が未完に終わったことからその成り立ちが謎に包まれている問題作でもある。未完であるがゆえにモーツァルト存命時の弟子であったジュスマイヤーによる古典的な補筆版が永らくの、そして唯一の演奏譜だったのだが、20世紀に入ってモーツァルト研究が進んだためかジュスマイヤー版がかなり否定的に捉えられて数多くの補筆版を生んだのは事実だ。その急先鋒がモーツァルト研究家として名高いF.バイヤーによる補筆譜だった。しかし、ここにきて原点回帰というべきムーブメントなのかジュスマイヤー版を見直す機運が高まっているようである。そして、インスラのこのデビューアルバムはジュスマイヤー版を採用している。
あまり多くを語っても微細には言い尽くせず、結局は自分の文章表現能力の欠如加減だけが際だってしまうのでこれで終わりとするが、ひとことだけ。この演奏は凄く良い。そして、今までのどんなモツレクにも類似性がみいだせない孤高の美しさ、慈愛、哀しみ、そして特異な語法が含まれるのである。最後にもう一言付け加えるなら、これはドイツでもウィーンでもない、フランス/パリのプレゼンスを強烈に放散している演奏なのだ。エキルベイ率いるアクセントゥス、そして新生の古楽集団=インスラは、どうするとこういった物凄いセンスの音楽を生み出せるのであろうか。
(録音評)
naïve V5370、通常CD。録音は2014年2月、Chapelle Royale of Château de Versailles(ヴェルサイユ宮殿内王室礼拝堂)とある。この礼拝堂の音質はあまりに素晴らしい。しかも収録も括目の出来栄えで、どういうやり方をするとこういった録音ができるのか首を傾げる。普段のアクセントゥスのアカペラと異なり器楽と四部独唱も加わった大規模編成とあってマルチマイク構成としている。マイクはNeumann M149,TLM179、DPA 4011A、Schoeps MK21,MK4、Royer 122V,121と複数系列を使用、ADCはこのところのnaïveの定番DAD AX24、録音システムはMerging Technologies社の最新鋭ネットワーク対応エンコーダであるHORUSを使用とある。恐ろしいほどの解像度であるがためか、我が家の再生系は最初は消化不良を引き起こしておかしな音質であった。数回再生しているうちにみるみる視界が開け、凄い音場が展開する新世代のCDであることがわかってきた。このCDは再生が難しいが、ひとたびグリップに成功すれば驚異の空間が眼前に現れる。この異次元のCDは年頭を飾るにふさわしい、そして全く新しいCD音質の時代を予感させられる優れた作品なのであった。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

http://tower.jp/item/3682297/
Mozart: Requiem in D minor, K626 - Süßmayr version
Introitus.
1. Requiem aeternam
2. Kyrie eleison
Sequenz.
3. Dies irae
4. Tuba mirum
5. Rex tremendae
6. Recordare
7. Confutatis
8. Lacrimosa
Offertorium.
9. Domine Jesu Christe
10. Hostias
Sanctus.
11. Sanctus
Benedictus.
12. Benedictus
Agnus Dei.
13. Agnus Dei
Communio.
14. Lux aeterna
Sandrine Piau (soprano), Sara Mingardo (contralto),
Werner Gura (tenor), Christopher Purves (bass-baritone)
Accentus Chamber Choir, Insula Orchestra, Laurence Equilbey
モーツァルト: レクイエム K626(ジュスマイヤー版)
イントロイトゥス【入祭唱】
第1曲 レクイエム・エテルナム【永遠の安息を】
第2曲 キリエ【憐れみの賛歌】
セクエンツィア【続唱】
第3曲 ディエス・イレー【怒りの日】
第4曲 トゥーバ・ミルム【奇しきラッパの響き】
第5曲 レックス・トレメンデ【恐るべき御稜威の王】
第6曲 レコルダーレ【思い出したまえ】
第7曲 コンフターティス【呪われ退けられし者達が】
第8曲 ラクリモーサ【涙の日】
オッフェルトリウム【奉献文】
第9曲 ドミネ・イエス【主イエス】
第10曲 オスティアス【賛美の生け贄】
サンクトゥス【聖なるかな】
第11曲 サンクトゥス【聖なるかな】
第12曲 ベネディクトゥス【祝福された者】
アニュス・デイ【神の小羊】
第13曲 アニュス・デイ【神の小羊】
コムニオ【聖体拝領唱】
第14曲 ルックス・エテルナ【永遠の光】
ロランス・エキルベイ(指揮) アクセントゥス、インスラ・オーケストラ
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
サラ・ミンガルド(アルト)
ヴェルナー・ギューラ(テノール)
クリストファー・ピュルヴ(バス)
エキルベイが大規模作品を録音するのは久しぶりという気がする。エキルベイ、および彼女が20年ほど前に創設したアクセントゥス合唱団もその方面ではあまりに有名なので特に解説は不要だろう。今回、インスラ・オーケストラについては初の演奏ということで、以下、キング・インターの解説が詳しいので引用しておく。
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insula(インスラ)とは脳の一領域、島皮質(とうひしつ)を指し、感情や感覚的な体験に関連がある部分のこと。2012年にやはりエキルベイによって設立され、古典派からロマン派までの作品を中心に、ピリオド楽器で演奏する団体です。2014/15のシーズンには、ミンコフスキが音楽監督を務めるモーツァルト週間音楽祭でモーツァルト=ベートーヴェン=ヴェーバーのプログラムを演奏することになっているなど既に注目の活動を展開しています。このレクイエムでも、「怒りの日」での管楽器の炸裂ぶりや「ラクリモーサ」での氷のような弦の音色など、聴き手の心を直に刺すような演奏を繰り広げています。
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なお、ソロをとるのはフランス声楽界では飛ぶ鳥落とす勢いのスター=サンドリーヌ・ピオー、コントラルトは渋いサラ・ミンガルド、既にベテランの域かと思わされるヴェルナー・ギューラ、バスはクリストファー・ピュルヴという強力な布陣。
通称モツレク=モーツァルトのレクイエムは、言うまでもなく音楽史上に名を残す歌唱曲の最高傑作のうちの一つ、そして三大レクイエムといわれている大作の中の一つでもある。なかんずく本作品は本人執筆が未完に終わったことからその成り立ちが謎に包まれている問題作でもある。未完であるがゆえにモーツァルト存命時の弟子であったジュスマイヤーによる古典的な補筆版が永らくの、そして唯一の演奏譜だったのだが、20世紀に入ってモーツァルト研究が進んだためかジュスマイヤー版がかなり否定的に捉えられて数多くの補筆版を生んだのは事実だ。その急先鋒がモーツァルト研究家として名高いF.バイヤーによる補筆譜だった。しかし、ここにきて原点回帰というべきムーブメントなのかジュスマイヤー版を見直す機運が高まっているようである。そして、インスラのこのデビューアルバムはジュスマイヤー版を採用している。
あまり多くを語っても微細には言い尽くせず、結局は自分の文章表現能力の欠如加減だけが際だってしまうのでこれで終わりとするが、ひとことだけ。この演奏は凄く良い。そして、今までのどんなモツレクにも類似性がみいだせない孤高の美しさ、慈愛、哀しみ、そして特異な語法が含まれるのである。最後にもう一言付け加えるなら、これはドイツでもウィーンでもない、フランス/パリのプレゼンスを強烈に放散している演奏なのだ。エキルベイ率いるアクセントゥス、そして新生の古楽集団=インスラは、どうするとこういった物凄いセンスの音楽を生み出せるのであろうか。
(録音評)
naïve V5370、通常CD。録音は2014年2月、Chapelle Royale of Château de Versailles(ヴェルサイユ宮殿内王室礼拝堂)とある。この礼拝堂の音質はあまりに素晴らしい。しかも収録も括目の出来栄えで、どういうやり方をするとこういった録音ができるのか首を傾げる。普段のアクセントゥスのアカペラと異なり器楽と四部独唱も加わった大規模編成とあってマルチマイク構成としている。マイクはNeumann M149,TLM179、DPA 4011A、Schoeps MK21,MK4、Royer 122V,121と複数系列を使用、ADCはこのところのnaïveの定番DAD AX24、録音システムはMerging Technologies社の最新鋭ネットワーク対応エンコーダであるHORUSを使用とある。恐ろしいほどの解像度であるがためか、我が家の再生系は最初は消化不良を引き起こしておかしな音質であった。数回再生しているうちにみるみる視界が開け、凄い音場が展開する新世代のCDであることがわかってきた。このCDは再生が難しいが、ひとたびグリップに成功すれば驚異の空間が眼前に現れる。この異次元のCDは年頭を飾るにふさわしい、そして全く新しいCD音質の時代を予感させられる優れた作品なのであった。

♪ よい音楽を聴きましょう ♫
by primex64
| 2015-01-04 22:41
| Orchestral
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