まつむら@石川町

今日は穏やかな秋晴れの一日だった。午後から元町商店街まで買い物に出かけた。ランチはリセンヌ小路の手打蕎麦屋にしようということでJR経由で向かった。

この店は元々は汐汲坂を下った仲通りに面したビルで営業していたが4年ほど前にリセンヌ小路の現在地へと移転してきた。旧店舗と合わせてもうかなり長くやっていることとなる。この店舗へ越してからは入ったことがないのでいつかは食べようと思いつつ何年も経ってしまった。

昼下がりに店に到着。
暖簾をくぐると奥行が長い鰻の寝床風のフロアが拡がり、入口手前はテーブル席、一番奥が厨房、その手前に小ぢんまりとした蕎麦打ち場、その目の前が7～8席の逆L字カウンタとなっている。客はそこそこ入っているがテーブル席にもカウンタにも空きがあってどちらでも良いというので空いている奥のカウンタにした。ミニコンポからスタンダードジャズが流れている。
頼んだのは二人とも天せいろ。奥の厨房は広くはなく調理人も少ない様子。先客の料理が少しずつ運ばれていく。相応の待ち時間ののち我々のオーダー品がサーブされた。記憶は薄れているが、見た目にはずっと以前と余り変わらない凛としたいでたち。但し、薬味の山葵は以前は丸のまま出てきて自分で鮫皮卸しで擂り下ろしたと思うが、今日は擂った状態でサーブされた。
つゆは濃いめの出汁、辛めの醤油の江戸前風は以前から変わっていない様子。蕎麦を手繰りつゆにちょいと浸けて啜る。ニ八の癖のない喉越し、鼻に抜ける蕎麦の香り、そして腰と芯のある歯触りは良い塩梅で、辛めのつゆに負けない強い手打蕎麦はやはり美味しいのだ。このところのランチはラーメン系を除けば讃岐饂飩が多く、繊細で上等な蕎麦を頂くのは久し振り。
天ぷらは中型海老が一本、大葉、しし唐、鱚と思われる白身魚、烏賊で、蕎麦猪口とは別に天つゆが付いて来る。こちらのつゆは醤油が薄口で出汁が強く溶け出していて甘みが感じられ、これはこれで繊細な天ぷらとマッチしていて正解。タネの揚がり具合はどれも適切であり、ほんのりとした揚げ油の甘みと辛いつゆを纏った蕎麦との相性も良好。
蕎麦も天ぷらも丁寧な仕事が施されている。この店の蕎麦はまさに本物である。



汐汲坂 まつむら

横浜市中区石川町1-17
電話： 045-662-4613
営業： 平日：12:00～15:00、18:00～23:00
　　　 土日祝：12:00～22:00
　　　 ※蕎麦が完売次第閉店
定休： 月曜
最寄： JR石川町3分、
　　　 みなとみらい線 元町・中華街9分



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