2014年 08月 31日
Beethoven P-Sonata Op.13 Etc@Irina Mejoueva |
若林工房の春の新譜より久し振りのメジューエワで、ベートーヴェンの三大Pソナタ。

http://tower.jp/item/3485512/
Beethoven:
Piano Sonata No.8 Op.13 "Pathetique"
32 Variations on an Original Theme in C minor, WoO.80
Bagatelle 'Fur Elise' WoO.59
Piano Sonata No.14 Op.27-2 "Moonlight"
Piano Sonata No.23 Op.57 "Appassionata"
Irina Mejoueva(Pf)
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 《悲愴》
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO80
エリーゼのためにWoO59
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2 《月光》
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57 《熱情》
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
メジューエワは2007~2009年にかけてベトPソナタのチクルスをリリースしていて、ピアノソナタ全集を一旦はコンプしていることになる。私はこれらの発売にあたり何故か全て出遅れていていまだに一枚も買っていない。その後これら全10枚をBOX化した限定アルバムが出たらしいが、初回セットのみで即完売してしまい逃してしまった。今回のこれは悲愴、月光、熱情が含まれるので買ってみたという次第。どういうわけか悲愴に関しては新録音とのこと。全集に入れた悲愴が気に入らなかったのか、また別の理由があるのかは定かではないが。
前録音を聴いていないが、悲愴はなかなかに重苦しく、温度感としてはかなり低めでありながら情のこもった良い演奏だ。高速パッセージは極めて速く音数も多くて指回りはしなやかにして突っ掛りもなくて滑らか。緩徐部の余白の取り方と静けさは彼女一流のノイズレスの世界が展開され、ベートーヴェンのソナタ特有の瞑想的・思索的な歩の運びを着実にトレースしていく。音響工学的に言えばS/N比が高い演奏であり、また、最大音量と最小音量の差、つまりダイナミックレンジもまた極めて広大だ。
創作主題による32の変奏曲も悲愴と合わせて録ったという新録音。隈取が強く、色彩感が強烈な動的な演奏であり、これまた悲愴と同様にダイナミックレンジが広い。特に中盤以降の強奏部が骨太であり、弦の振動が飽和するのではないかと思われるほど音圧レベルが高く、それでいてフィンガーノイズが全く聴こえないという彼女の演奏技巧の特質が如実に表れているのだ。演奏の骨格は太いのだが根底に流れる解釈はクールで、かつ打鍵には一切の無駄はなくてシュアな印象だ。
一方、月光と熱情は全集に入っているものを新たにリマスタしたとのキャプションが付されている。昨年の新録音の悲愴と32の変奏曲に比べると温度感が極めて高く、かなりエモーショナルな演奏と言える。とくに月光に関してはテヌートが多用されていて揺れに揺れまくっているのは常日頃から情感的にニュートラルを基調とするメジューエワとしては珍しい演奏である。熱情はまさにテンペラメントが迸る凄まじい演奏であり、20世紀の巨匠時代にいくつも出現した名演奏に勝るとも劣らない正攻法かつ真摯な熱演である。
月光と32の変奏曲については先日聴いたSachiko Furuhata-Kerstingの演奏が出色であり、どうしても比べてしまうのだ。月光に関してはダイナミックでハイスピードでありながら思索的で静謐、そして整った解釈と組み立てという点においてはFuruhataの演奏に軍配が上がる。またピアノの音自体の美しさという点についてもFuruhataの演奏は極めて優秀であり、これらの観点からメジューエワの月光を聴くと多分に男性的で粗さが少々気になる演奏と言えよう。32の変奏曲はどちらの演奏もテンペラメンタルだが、Furuthataの演奏は温度感が低くてより分析的、メジューエワの方はエモーショナルで温度感が高いホットな演奏だ。両者は元々狙いが少々違うようなので両方ありと言えばありであって、一方が優れていて一方が劣るという短絡的な評価には結びつかない。
ともあれ、逃していたベトPソナタのハイライト盤が一枚手に入ったのでとても嬉しいのである。
(録音評)
若林工房 WKCP-3001、通常CD。録音は悲愴:2013年7月、32の変奏曲:2013年12月(以上はDSD録音)、エリーゼのために:2010年6月、月光:2009年5月、熱情:2008年7月(これらは24bit/96kHz PCM録音)、いずれも富山県魚津市の新川文化ホールでの収録。最新録音は空気感が漂うDSD特有のベルベット調の音質で極めて優秀だ。PCM録音は若林工房の伝統的なニュートラル基調の音色でありこれまた優秀。若林は昨今では殆どの盤をDSDで録っていてオーディオ的にはとても好調だ。
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Beethoven:
Piano Sonata No.8 Op.13 "Pathetique"
32 Variations on an Original Theme in C minor, WoO.80
Bagatelle 'Fur Elise' WoO.59
Piano Sonata No.14 Op.27-2 "Moonlight"
Piano Sonata No.23 Op.57 "Appassionata"
Irina Mejoueva(Pf)
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 《悲愴》
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO80
エリーゼのためにWoO59
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2 《月光》
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57 《熱情》
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
メジューエワは2007~2009年にかけてベトPソナタのチクルスをリリースしていて、ピアノソナタ全集を一旦はコンプしていることになる。私はこれらの発売にあたり何故か全て出遅れていていまだに一枚も買っていない。その後これら全10枚をBOX化した限定アルバムが出たらしいが、初回セットのみで即完売してしまい逃してしまった。今回のこれは悲愴、月光、熱情が含まれるので買ってみたという次第。どういうわけか悲愴に関しては新録音とのこと。全集に入れた悲愴が気に入らなかったのか、また別の理由があるのかは定かではないが。
前録音を聴いていないが、悲愴はなかなかに重苦しく、温度感としてはかなり低めでありながら情のこもった良い演奏だ。高速パッセージは極めて速く音数も多くて指回りはしなやかにして突っ掛りもなくて滑らか。緩徐部の余白の取り方と静けさは彼女一流のノイズレスの世界が展開され、ベートーヴェンのソナタ特有の瞑想的・思索的な歩の運びを着実にトレースしていく。音響工学的に言えばS/N比が高い演奏であり、また、最大音量と最小音量の差、つまりダイナミックレンジもまた極めて広大だ。
創作主題による32の変奏曲も悲愴と合わせて録ったという新録音。隈取が強く、色彩感が強烈な動的な演奏であり、これまた悲愴と同様にダイナミックレンジが広い。特に中盤以降の強奏部が骨太であり、弦の振動が飽和するのではないかと思われるほど音圧レベルが高く、それでいてフィンガーノイズが全く聴こえないという彼女の演奏技巧の特質が如実に表れているのだ。演奏の骨格は太いのだが根底に流れる解釈はクールで、かつ打鍵には一切の無駄はなくてシュアな印象だ。
一方、月光と熱情は全集に入っているものを新たにリマスタしたとのキャプションが付されている。昨年の新録音の悲愴と32の変奏曲に比べると温度感が極めて高く、かなりエモーショナルな演奏と言える。とくに月光に関してはテヌートが多用されていて揺れに揺れまくっているのは常日頃から情感的にニュートラルを基調とするメジューエワとしては珍しい演奏である。熱情はまさにテンペラメントが迸る凄まじい演奏であり、20世紀の巨匠時代にいくつも出現した名演奏に勝るとも劣らない正攻法かつ真摯な熱演である。
月光と32の変奏曲については先日聴いたSachiko Furuhata-Kerstingの演奏が出色であり、どうしても比べてしまうのだ。月光に関してはダイナミックでハイスピードでありながら思索的で静謐、そして整った解釈と組み立てという点においてはFuruhataの演奏に軍配が上がる。またピアノの音自体の美しさという点についてもFuruhataの演奏は極めて優秀であり、これらの観点からメジューエワの月光を聴くと多分に男性的で粗さが少々気になる演奏と言えよう。32の変奏曲はどちらの演奏もテンペラメンタルだが、Furuthataの演奏は温度感が低くてより分析的、メジューエワの方はエモーショナルで温度感が高いホットな演奏だ。両者は元々狙いが少々違うようなので両方ありと言えばありであって、一方が優れていて一方が劣るという短絡的な評価には結びつかない。
ともあれ、逃していたベトPソナタのハイライト盤が一枚手に入ったのでとても嬉しいのである。
(録音評)
若林工房 WKCP-3001、通常CD。録音は悲愴:2013年7月、32の変奏曲:2013年12月(以上はDSD録音)、エリーゼのために:2010年6月、月光:2009年5月、熱情:2008年7月(これらは24bit/96kHz PCM録音)、いずれも富山県魚津市の新川文化ホールでの収録。最新録音は空気感が漂うDSD特有のベルベット調の音質で極めて優秀だ。PCM録音は若林工房の伝統的なニュートラル基調の音色でありこれまた優秀。若林は昨今では殆どの盤をDSDで録っていてオーディオ的にはとても好調だ。
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by primex64
| 2014-08-31 23:20
| Solo - Pf
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