濱登久@大和 富山店 |
大和(だいわ)は富山市に残った唯一のデパートであり、数年前、戦前から続いた西町の旧店舗から新築した総曲輪の新店舗へ引っ越した。大和は金沢が本店の老舗で一時期は新潟県内にも数店舗を展開していたが、景気低迷からか現在では香林坊、高岡、そして富山の三店舗のみとなっている。買い物の内容は把握できないので割愛。
その後のランチは6階のレストラン街にある濱登久に入った。どこか見覚えのある店名と玄関構えだと思っていたら、京都出張のときによく宿泊している烏丸御池のハートンホテルの2階にある料理屋と同じ暖簾だった。濱登久は右京区花園にある創業90年を超える料亭であり、支店としては前述のハートンホテル、広島、そして富山の大和とあるようだ。
正午少し前に店に入ったが閑散としていた。メニューを開くと嵯峨野、嵐山と名付けたセットが1200円くらいから上は2600円程度の略式懐石までラインナップは豊富。それ以外に1600円で数量限定という秋の野点弁当というのが玄関に示してあったので仲居に内容を訊くと分からないとのこと、奥から料理人が出てきて食材や調理法まで懇切に説明してくれた。
黒鮪・あおり烏賊のお作り、いさきの西京焼き、湯葉と里芋・茄子の煮物、車海老・栗・生麩・じゃが芋の揚物とのこと。これを3つ頼むことにした。待っていると次々に後客が入ってくる。大概は嵯峨野、嵐山というスタンダードセットを注文しているようで、これらはオーダー後に殆ど待たずにサーブされているようだ。
一方、我々の野点弁当についてはかなり待たされた。煮物は事前に仕込んであったようだが、焼物と揚物に関しては直前に調理したようで熱くてほくほく、風味、口触りも良くて丁寧な仕事が施されているのがわかる。これに出汁の効いた椀、ちりめん山椒が乗った上等のご飯、香の物、デザートにゼリーが付く。
素材はどれも吟味されていて仕事も丁寧。味付けは薄めで上品、それぞれの皿は量的には少ないが出汁や素材の旨みが強いため意外と満腹感が得られる。但し、割と濃い口が好まれる富山でこの薄味が受け入れられるかどうかはちょっと微妙と思うが。
この野点弁当の料理は見た目に麗しく、味も一定レベルの品位であり美味しかった。しかし、何よりもご飯と味噌汁、漬物が旨い。これは重要なことで、これらが美味しくない店はメインディッシュも美味しくないものだ。
京料理 濱登久 大和富山店
富山市総曲輪3‐8‐6大和富山店6F
電話: 076-407-6895
営業: 11:00~22:00
定休: 大和に準ずる
最寄: 富山地方鉄道富山市内線西町電停5分
グランドプラザ前駅30m
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
♪ よい音楽を聴きましょう ♫