Misa Mead: Journey@Misa Mead, Tomoko Sawano |
http://tower.jp/item/3521445/
Fantasy Pieces - Robert Schumann Arr.Pierre Cambourian
1 i. Etude en Canon No.1
2 ii. Etude en Canon No.2
3 iii. Etude en Canon No.5
4 iv. Etude en Canon No.4
5 v. Fantaisie en Fa Mineur
6 Otemoyan Fantasy - Misa Mead
7 Hummingbrrd - Steven Bryant
Journey - Misa Mead
8 i. Morning
9 ii. Hard Worker
10 iii. Dream
11 iv. Sloping Road
12 v. Scene
13 Waltz Op.39 No.15 - Johannes Brahms Arr.Misa Mead
14 Fantasy Rondo for Euphonium Duet - Derek Bourgeois
Featuring Steven and Misa Mead
Concerto for Euphonium Wind & Percussion (Summer of 2008) - David R. Gillingham
15 i. Changing Weather
16 ii. Wondrous Starry Night
17 iii. Festivals
GAME - Suite for Euphonium and CD - Misa Mead
18 i. Andante
19 ii. Alllegretto
20 iii. Adagio
21 iv. Vivace
Misa Mead(Euph)
Tomoko Sawano(Pf)
Guest: Steven Mead(Euph,Trk14)
シューマン: 幻想小曲集 カノン風練習曲(arr. ピエール・カンボーリアン)
1~4
5 幻想曲ヘ短調
美沙・ミード: おてもやん幻想曲
スティーヴン・ブライアント: ハミングバード
美沙・ミード: 旅路
1. 朝
2. 働き者
3. 夢
4. 坂道
5. 景色
ブラームス: ワルツ 作品39-15 (arr. 美沙・ミード)
デリック・ブージョワ: ユーフォニアム・デュエットのためのファンタジー・ロンド
デイヴィッド・ギリングハム: ユーフォニアム協奏曲(サマー・オブ・2008)
1. 変わりゆく天気
2. 素晴らしき星が瞬く夜
3. フェスティバル
美沙・ミード: GAME~ユーフォニアムとCD伴奏の為の組曲
1. アンダンテ
2. アレグレット
3. アダージョ
4. ヴィヴァーチェ
美沙・ミード(ユーフォニアム)
沢野智子(ピアノ)
ゲスト: スティーヴン・ミード(ユーフォニアム)
Misa Mead(Euph)の経歴は輸入元の有限会社ミュージックストア・ジェイ・ピーが日本語で書いている。へたにアレンジするより正確だろうからそのまま引用する。
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美沙・ミード(旧姓:赤星美沙)
第4回全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト第1位受賞、第25回全九州高等学校音楽コンクール金賞受賞、ルクセンブルクで行われた若いソリストの為のヨーロピアン・コンクール満場一致の金メダル受賞、第7回済州国際管・打楽器コンペティション第3位受賞(日本人最高位)、他数々のコンクールに入賞。第78回読売新人演奏会出演。2013年3月アジア最大級のユーフォニアムとテューバの為のフェスティバル「テューバマニア」(タイ・ バンコク)にゲストとして出演。同年5月アメリカ・カリフォルニア州のユーフォニアムとテューバの為のフェスティバル「SWRTEC」にゲストとして出演。2013年7月渡英以降、フランス、イタリア、ドイツ、カナダ他、国際的な演奏活動を開始。2014年3月、スティーヴン・ミードと結婚。
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このCDは彼女のデビューアルバムとなるそうだ。内容的には彼女の出身である熊本の民謡「おてもやん」を吹奏楽用に編曲したOtemoyan Fantasy、彼女のオリジナル作品であるJourney(旅路)、意図がよくはわからないけれどもCDによる伴奏、というか打ち込み系を背景としたソナタ風の曲=GAME - Suite for Euphonium and CD GAME、その他にも既存の曲を彼女がユーフォニアム独奏向けに編曲した作品を多く並べている。
彼女のオリジナル曲はどれもが日本の地方で聞かれる民謡風の旋律であり、日本の原風景、つまり里山、農村、山岳や海岸線の風景などをモチーフとしていることが想像される佳作だ。我々日本に住んでいる日本人が聴いてもどこか郷愁を誘われる、そして土の匂いのするメロディーラインだ。彼女はユーフォニアムの大家であるスティーヴン・ミード氏と結婚して英国在住とのこと、日本、そして熊本への望郷の念は人一倍であろう。
夫のスティーヴンとデュオで吹いているデリック・ブージョワのFantasy Rondo for Euphonium Duet(ユーフォニアム・デュエットのためのファンタジー・ロンド)は、独奏とは全く違って分厚いハーモニクスが聴かれる。また両者はブレスのタイミングからタンギングのピッチに至るまで息がぴったりと合っていて爽快だし、また、どことなく茫洋としたユーフォのサウンドがきりりと引き締まって聴こえるのは流石だ。
彼女のユーフォの演奏技術は間違いなく高い。ある種超絶的と言って良いかも知れない。このサウンドとテクニックはあのライトクラシック系のアルバムや、このジャズ風のアルバムに似ている。そう思いつつWikiに載っている彼女のプロフィールを見たら師事した先達の一人に外囿祥一郎の名があった。
このアルバムの白眉は、冒頭に入っているシューマンのカノン風練習曲のピエール・カンボーリアンによる編曲版と言っておこう。これは非常に良い出来栄えであり、これがユーフォによるものであることを忘れさせてくれる解釈/演奏となっていて、正真正銘のシューマンの神髄を描き出しているのだ。シューマンはもともと、ペダル・ピアノという足鍵盤がついたオルガン訓練用ピアノ向けに練習曲=「6つのカノン風小品 Op.56(Studien für Pedalflügel)」、「4つのスケッチ Op.58(Skizzen für Pedalflügel)」を書いていたが、ペダル・ピアノという楽器そのものは絶滅してしまって、現代ではごく稀にオルガン編曲されたものが演奏されているようだ。このオルガン向け編曲をしたのがオルガニストのピエール・カンボーリアンということになり、更にカンボーリアン版からソロパートをユーフォ向けに書き直したものがこの演奏ということになる。
最後に付け加えておくが、伴奏ピアノを弾いている沢野智子という人の演奏は非常にシュアで、かつ歌心も存分に感じられ、単なる黒子としての伴奏ピアニストと言うにはもったいないセンスを備えている。
(録音評)
Bocchino Music BOCC123、通常CD。いかにも私家録音という手作り風のアルバム。録音媒体製品としての完成度は期待はできないものの、音質自体はそれほど奇を衒ったものではなくて常識的な範囲の調音といえる。ワンポイント風な捉え方のためか音像定位しにくいユーフォが割とピンポイントでフォーカスする。伴奏ピアノの音像は小さくそして奥まったところで鳴っているのは独奏楽器をクローズアップするためと思われるが、もうちょっと手前に持ってきても良いと思う。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫
ご存知かと思いますが、ピアノ伴奏の沢野智子さんは、ドイツを中心にヨーロッパで活躍されているコレペティです。
CDでは金管楽器の伴奏をされることが多く、ベルリンフィルなどの著名オケの主席金管奏者のアルバムで数多く伴奏を手がけています。
ブログがあります。
http://ameblo.jp/tomonbe/
今後も楽しみにしています。
わざわざお知らせありがとうございます。blogを拝見してきました。ほぼブラス専門のコレペティトールということで、その方面ではかなり有名な人、というか第一人者のようですね。不勉強でした。また、本アルバム制作に関する記述も既にされていたんですね。
今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。