2014年 04月 15日
Genzmer: Organ Works@Gerhard Weinberger |
TYX Artというレーベルの昨冬の新譜で、ゲンツマーのオルガン作品集。ヒンデミットの弟子とされるゲンツマーの作品を聴くのは自分自身初めてで興味そそられるものがあった。

http://tower.jp/item/3277814/
Genzmer: Organ Works
World Premiere Recording
Genzmer:
Festliches Praludium, GeWV 407
Osterkonzert, GeWV 400
Fantasie uber den Choral, GeWV 411, 'Hinunter ist der Sonne Schein'
Pfinstkonzert, GeWV 399
Sinfonisches Konzert No. 2, GeWV 409
Gerhard Weinberger (the Rieger Organ, St.Johannes Baptist, Paderborn-Wewer)
ハラルド・ゲンツマー(1909-2007): オルガン作品集
祝典前奏曲GeWV407
イースターコンサートGeWV400
コラール幻想曲「日の光は落ちて」GeWV411
聖霊降臨節コンサートGeWV399
交響的協奏曲GeWV409
ゲルハルト・ワインベルガー(Org)
ドイツ現代音楽の作曲家ハラルド・ゲンツマーは、かのパウル・ヒンデミットに作曲法を師事した。ヒンデミットの弟子の中でも最も優秀な作曲家とされ、多くの作品を書いたそうだ。その中にあって長年のライフワークとしてきたオルガン作品は彼の作家としての歴史を辿るうえでは枢要なものとされているが、なぜか録音機会も演奏機会もそんなに多くはなく、このCDに収められている作品群は世界初録音とのこと。
演奏は、ゲンツマーと長年に渡り親交があり、またゲンツマーのオルガン作品の良き理解者であり研究者でもあったオルガニスト=ゲルハルト・ワインベルガーによる。なお、楽器は Paderborn-WewerのSt.Johannes Baptist教会に設置されたリーガー社製の大型オルガン。
ゲンツマーの作品は、一言でいうと現代音楽のアプローチで書かれたバロック様式の対位法作品の再構成であり、重厚で幾何学的な音の塗り重ねや鋭角的に描いた旋律線によるフーガ/リチェルカーレ技法がたまらなく格好良く、そして均整がとれていて美しい。
祝典前奏曲は、鮮やかに明滅する上昇音階に、足跡というか影のように寄り添う対旋律が重層感の強いアクセントを作り出していて秀逸な曲。このように堂々とした対位法的旋律展開は高貴で気高いのだ。コラール幻想曲「日の光は落ちて」は一転して瞑想的で静謐な作品で、これは対位法というよりかはちょっとオリエンタルなムードを湛えた(ドビュッシーが多用したような)全音音階に似た不可思議な旋律と、ちょっと破綻した無調性に近い和声を備えた曲で面白い。決して聴き辛い作品ではないが、やはり伝統的な調性音楽とは言い切れないものがある。
最後に入っている交響的協奏曲はオルガン独奏ではあるが協奏曲と銘打っている。これは、対位法に基づく各旋律が協奏的に働くということを意味しているのかもしれないが詳細は分からない。色んな旋律要素(上昇音階であったり下降音階であったり、あるいはクラスタ的なアトランダムなものであったり)、打鍵技法(トレモロやトリル、回音、アルペジオ、分散和音的なコード等々)、和声が無秩序に複雑に絡んでくるように聴こえるのであるが、マクロ的に俯瞰してみると不思議なことにとても調和感のある音楽となっているのだ。
この種の現代作品に関してはその成り立ちや特徴を言葉で表現することが非常に難しく、従って実際に各人が聴いてみてどのような所感を得るのかに任さざるを得ないところ。それでも最後に申し述べておくが、このゲンツマーの作品は無秩序の中の調和、荘厳、洗練といった新しい風を感じる現代作品群である。シェーンベルクやアルバン・ベルク、武満徹といった解釈の難しい現代曲に比較して、こういった調性音楽に近いフレッシュで聴きやすい新機軸の作風はもう少し広く受け入れられてもよいように思うのであった。
(録音評)
TYX Art TXA13023、通常CD。録音は2013年3月、聖ヨハン・バプティスト教会、パーダーボルン- ヴェヴェルとある。ピラミッドバランスをもった実に正攻法、安定感のある音質である。また、重低音・超低域の重厚さ、中域から高域にかけての豊かなプレゼンスは抜群で、種々のスペクトラムを持ったアンビエント成分が礼拝堂の空気に浸透していくさまを克明に捉えている。大口径ウーファーを備えた超低域までフラットに伸びたスピーカーシステムで再生しないとこのCDの本来の良さはわからないだろう。音楽的には尖鋭で刺激的なところがあって、かつオーディオ的にもチャレンジャブルな内容となっており、その方面に志向のある人は試してみる価値はありそうな一枚。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

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Festliches Praludium, GeWV 407
Osterkonzert, GeWV 400
Fantasie uber den Choral, GeWV 411, 'Hinunter ist der Sonne Schein'
Pfinstkonzert, GeWV 399
Sinfonisches Konzert No. 2, GeWV 409
Gerhard Weinberger (the Rieger Organ, St.Johannes Baptist, Paderborn-Wewer)
ハラルド・ゲンツマー(1909-2007): オルガン作品集
祝典前奏曲GeWV407
イースターコンサートGeWV400
コラール幻想曲「日の光は落ちて」GeWV411
聖霊降臨節コンサートGeWV399
交響的協奏曲GeWV409
ゲルハルト・ワインベルガー(Org)
ドイツ現代音楽の作曲家ハラルド・ゲンツマーは、かのパウル・ヒンデミットに作曲法を師事した。ヒンデミットの弟子の中でも最も優秀な作曲家とされ、多くの作品を書いたそうだ。その中にあって長年のライフワークとしてきたオルガン作品は彼の作家としての歴史を辿るうえでは枢要なものとされているが、なぜか録音機会も演奏機会もそんなに多くはなく、このCDに収められている作品群は世界初録音とのこと。
演奏は、ゲンツマーと長年に渡り親交があり、またゲンツマーのオルガン作品の良き理解者であり研究者でもあったオルガニスト=ゲルハルト・ワインベルガーによる。なお、楽器は Paderborn-WewerのSt.Johannes Baptist教会に設置されたリーガー社製の大型オルガン。
ゲンツマーの作品は、一言でいうと現代音楽のアプローチで書かれたバロック様式の対位法作品の再構成であり、重厚で幾何学的な音の塗り重ねや鋭角的に描いた旋律線によるフーガ/リチェルカーレ技法がたまらなく格好良く、そして均整がとれていて美しい。
祝典前奏曲は、鮮やかに明滅する上昇音階に、足跡というか影のように寄り添う対旋律が重層感の強いアクセントを作り出していて秀逸な曲。このように堂々とした対位法的旋律展開は高貴で気高いのだ。コラール幻想曲「日の光は落ちて」は一転して瞑想的で静謐な作品で、これは対位法というよりかはちょっとオリエンタルなムードを湛えた(ドビュッシーが多用したような)全音音階に似た不可思議な旋律と、ちょっと破綻した無調性に近い和声を備えた曲で面白い。決して聴き辛い作品ではないが、やはり伝統的な調性音楽とは言い切れないものがある。
最後に入っている交響的協奏曲はオルガン独奏ではあるが協奏曲と銘打っている。これは、対位法に基づく各旋律が協奏的に働くということを意味しているのかもしれないが詳細は分からない。色んな旋律要素(上昇音階であったり下降音階であったり、あるいはクラスタ的なアトランダムなものであったり)、打鍵技法(トレモロやトリル、回音、アルペジオ、分散和音的なコード等々)、和声が無秩序に複雑に絡んでくるように聴こえるのであるが、マクロ的に俯瞰してみると不思議なことにとても調和感のある音楽となっているのだ。
この種の現代作品に関してはその成り立ちや特徴を言葉で表現することが非常に難しく、従って実際に各人が聴いてみてどのような所感を得るのかに任さざるを得ないところ。それでも最後に申し述べておくが、このゲンツマーの作品は無秩序の中の調和、荘厳、洗練といった新しい風を感じる現代作品群である。シェーンベルクやアルバン・ベルク、武満徹といった解釈の難しい現代曲に比較して、こういった調性音楽に近いフレッシュで聴きやすい新機軸の作風はもう少し広く受け入れられてもよいように思うのであった。
(録音評)
TYX Art TXA13023、通常CD。録音は2013年3月、聖ヨハン・バプティスト教会、パーダーボルン- ヴェヴェルとある。ピラミッドバランスをもった実に正攻法、安定感のある音質である。また、重低音・超低域の重厚さ、中域から高域にかけての豊かなプレゼンスは抜群で、種々のスペクトラムを持ったアンビエント成分が礼拝堂の空気に浸透していくさまを克明に捉えている。大口径ウーファーを備えた超低域までフラットに伸びたスピーカーシステムで再生しないとこのCDの本来の良さはわからないだろう。音楽的には尖鋭で刺激的なところがあって、かつオーディオ的にもチャレンジャブルな内容となっており、その方面に志向のある人は試してみる価値はありそうな一枚。
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by primex64
| 2014-04-15 23:22
| Solo - Cem/Org
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