2013年 12月 09日
Tchaikovsky: Sym#6@Yannick Nezet-Seguin/Rotterdam PO |
DGの新譜で、売り出し中のネゼ=セガンがロッテルダムを振った悲愴。尚、後ろにはロマンスOp.6とOp.73のハイライトをネゼ=セガンがPf、バティアシュヴィリがVnというコンビネーションでフィルアップしている。

http://tower.jp/item/3290538/
Tchaikovsky:
Symphony No. 6 in B minor, Op.74 'Pathétique'
Romance Op.6 for violin and piano
Do not believe, my friend, No.1
Ni slova, o drug moy (Not a word, O my friend), No.2
Otchevo? (Why?), No.5
None but the lonely heart, No.6
Romance Op.73 for violin and piano
Merknet slaby svet svechi (Night), No.2
Zakatilos solntse (The sun has set), No.4
Solitude ('Again, as before, alone'), No.6
Rotterdam Philharmonic Orchestra
Yannick Nezet-Seguin(Cond)(Romance, Pf)
Lisa Batiashvili (Romance, Vn)
チャイコフスキー:
交響曲 第6番 ロ短調 作品74 《悲愴》
ロマンス 作品6 ~ ヴァイオリンとピアノのための*
ロマンス 作品73 ~ ヴァイオリンとピアノのための*
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮&ピアノ*)
リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン*)
以下はライナーからの抜粋、和訳:
この躍動的で若いフランス系カナダ人指揮者は、彼の輝かしい経歴のなかで中心的な役割を演じてきた交響曲を録音した。つまり、ネゼ=セガンは8歳のころ、ズービン・メータ/モントリオール交響楽団でこの悲愴のライブ演奏を初めて聴いたという。感動した彼は演奏会終了後、両親にレコードを買ってくれるようねだり、ゲットしたのがオーマンディ/フィラデルフィアの悲愴だったそうだ。
この典型的なロシア音楽をロッテルダム・フィルで指揮することで(彼の前任であるゲルギエフもまた認めるところであるが)、オランダの楽団が備えているリッチなテクスチャによって深みと精製度を見せしめている。ネゼ=セガンはチャイコフスキーのことを単にハート・ブレイキングな作曲家としてではなく、交響曲作家の第一人者として尊敬している。彼曰く、「私が着目するポイントは、この作品が持つ人生に対する敷衍的な渇望、および、終わりに向かった暗黙のメッセージである、人間性に対する信頼の欠如だ。」とのこと。
悲愴の次にはピアノとヴァイオリンのためのロマンスが収められていて、VnソロにはいまやDGのスター・ソリストの一人に登り詰めたバティアシュヴィリが起用されている。彼女はオリジナルのロシアのテキストについての良き理解者であり、その解釈は色彩感に満ちている。
・・・・・・・・・・・・
悲愴についてはあまりにも著名なので今更ながらその作品について書いてもしかたない。ネゼ=セガンの指揮だが、確かにビビッドでドライブ感が強いリードだ。演奏設計、解釈ともに現代的でハイスピードである。しかし、このオケがちょっともたついている感が否めず少し残念。具体的には金管隊も木管隊も打楽器も優秀であるのに比してVn始め弦楽セクションがぐだぐだなのだ。強奏部ではそれほど目立たないがローレベルになるといきおい混濁してディテールがもやつく。何を弾いているんだか訳が分からない部分が頻発する。これは録音のせいなのかもしれないが、どう聴いても巧くはない。
一方、ヴァイオリンとピアノのためのロマンスは素晴らしい出来である。今更ながらバティアシュヴィリの優秀性と歌心には惹きつけられるものがあることを再確認した。そしてネゼ=セガンのピアノが予測を裏切る巧さであり、明暗と硬軟の出し入れが素晴らしく、また技巧的にも安定していてハイレベルなもの。これは普通の指揮者にしておくのがもったいないほどだ。ということで、このアルバムでは悲愴ではなくてロマンスを聴きこむことをお勧めする。
(録音評)
2012年8月、11月、悲愴の方はRotterdam, De Doelen, Grote Zaal、ロマンスの方はHilversum, Muziekcentrum van de Omroep(MCO) Studio 5とある。エグゼクティブ・プロデューサーRenaud Lranger、プロデューサーAlexander Van Ingen、トーンマイスターAndrew Mellor、録音/編集施設はSIX Music Productionとある。悲愴に関しては前述のとおり弦楽隊の音が変だ。しかし、その他のパートは正常であって奥行き方向にサウンドステージが展開するし、パーカッション、とくにティンパニが遅延なくビームを発していることから弦のミキシングを失敗している可能性が大きい。ロマンスの方はスタジオ録りであるけれども自然なアンビエントに包まれており直接音/間接音のバランスも良好。DG特有のブリリアンスは感じられるものの度を越したものではない。
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http://tower.jp/item/3290538/
Tchaikovsky:
Symphony No. 6 in B minor, Op.74 'Pathétique'
Romance Op.6 for violin and piano
Do not believe, my friend, No.1
Ni slova, o drug moy (Not a word, O my friend), No.2
Otchevo? (Why?), No.5
None but the lonely heart, No.6
Romance Op.73 for violin and piano
Merknet slaby svet svechi (Night), No.2
Zakatilos solntse (The sun has set), No.4
Solitude ('Again, as before, alone'), No.6
Rotterdam Philharmonic Orchestra
Yannick Nezet-Seguin(Cond)(Romance, Pf)
Lisa Batiashvili (Romance, Vn)
チャイコフスキー:
交響曲 第6番 ロ短調 作品74 《悲愴》
ロマンス 作品6 ~ ヴァイオリンとピアノのための*
ロマンス 作品73 ~ ヴァイオリンとピアノのための*
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮&ピアノ*)
リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン*)
以下はライナーからの抜粋、和訳:
この躍動的で若いフランス系カナダ人指揮者は、彼の輝かしい経歴のなかで中心的な役割を演じてきた交響曲を録音した。つまり、ネゼ=セガンは8歳のころ、ズービン・メータ/モントリオール交響楽団でこの悲愴のライブ演奏を初めて聴いたという。感動した彼は演奏会終了後、両親にレコードを買ってくれるようねだり、ゲットしたのがオーマンディ/フィラデルフィアの悲愴だったそうだ。
この典型的なロシア音楽をロッテルダム・フィルで指揮することで(彼の前任であるゲルギエフもまた認めるところであるが)、オランダの楽団が備えているリッチなテクスチャによって深みと精製度を見せしめている。ネゼ=セガンはチャイコフスキーのことを単にハート・ブレイキングな作曲家としてではなく、交響曲作家の第一人者として尊敬している。彼曰く、「私が着目するポイントは、この作品が持つ人生に対する敷衍的な渇望、および、終わりに向かった暗黙のメッセージである、人間性に対する信頼の欠如だ。」とのこと。
悲愴の次にはピアノとヴァイオリンのためのロマンスが収められていて、VnソロにはいまやDGのスター・ソリストの一人に登り詰めたバティアシュヴィリが起用されている。彼女はオリジナルのロシアのテキストについての良き理解者であり、その解釈は色彩感に満ちている。
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悲愴についてはあまりにも著名なので今更ながらその作品について書いてもしかたない。ネゼ=セガンの指揮だが、確かにビビッドでドライブ感が強いリードだ。演奏設計、解釈ともに現代的でハイスピードである。しかし、このオケがちょっともたついている感が否めず少し残念。具体的には金管隊も木管隊も打楽器も優秀であるのに比してVn始め弦楽セクションがぐだぐだなのだ。強奏部ではそれほど目立たないがローレベルになるといきおい混濁してディテールがもやつく。何を弾いているんだか訳が分からない部分が頻発する。これは録音のせいなのかもしれないが、どう聴いても巧くはない。
一方、ヴァイオリンとピアノのためのロマンスは素晴らしい出来である。今更ながらバティアシュヴィリの優秀性と歌心には惹きつけられるものがあることを再確認した。そしてネゼ=セガンのピアノが予測を裏切る巧さであり、明暗と硬軟の出し入れが素晴らしく、また技巧的にも安定していてハイレベルなもの。これは普通の指揮者にしておくのがもったいないほどだ。ということで、このアルバムでは悲愴ではなくてロマンスを聴きこむことをお勧めする。
(録音評)
2012年8月、11月、悲愴の方はRotterdam, De Doelen, Grote Zaal、ロマンスの方はHilversum, Muziekcentrum van de Omroep(MCO) Studio 5とある。エグゼクティブ・プロデューサーRenaud Lranger、プロデューサーAlexander Van Ingen、トーンマイスターAndrew Mellor、録音/編集施設はSIX Music Productionとある。悲愴に関しては前述のとおり弦楽隊の音が変だ。しかし、その他のパートは正常であって奥行き方向にサウンドステージが展開するし、パーカッション、とくにティンパニが遅延なくビームを発していることから弦のミキシングを失敗している可能性が大きい。ロマンスの方はスタジオ録りであるけれども自然なアンビエントに包まれており直接音/間接音のバランスも良好。DG特有のブリリアンスは感じられるものの度を越したものではない。

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by primex64
| 2013-12-09 23:38
| Symphony
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