J.S.Bach: Une Cantate Imaginaire@Nathalie Stutzmann, Orfeo 55, Mikaeli Chamber Choir |
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J.S Bach: Une Cantate Imaginaire
Sinfonia from Cantata BWV42
Cantata BWV30 'Freue dich, erlöste Schar': Kommt, ihr angefochtnen Sunder
Cantata BWV133 'Ich freue mich in dir': Getrost
Orchestral Suite No.3 in D major, BWV1068: Air ('Air on a G String')
Bist du bei mir, BWV508
Sinfonia: Cantata BWV174
Cantata BWV21 'Ich hatte viel Bekümmernis': Sinfonia
Nichts kann mich erretten from Cantata No.74
Cantata BWV33 'Allein zu dir, Herr Jesu Christ': Wie fürchtsam wankten meine Schritte
Cantata BWV18 'Gleichwie der Regen und Schnee vom Himmel fällt': Sinfonia
St Matthew Passion, BWV244: Erbarme dich
Cantata BWV169 'Gott soll allein mein Herze haben': Stirb in mir, Welt
Cantata BWV191 'Gloria in excelsis Deo'
Cantata BWV85 'Ich bin ein guter Hirt': Jesus ist ein guter Hirt
Cantata BWV182 'Himmelskönig, sei willkommen': Sinfonia
Vergiss mein nicht, BWV505
Cantata BWV147 'Herz und Mund und Tat und Leben': Jesu, bleibet meine Freude
Nathalie Stutzmann (contralto/conductor)
Orfeo 55
Mikaeli Chamber Choir
J.S.バッハによるイマジナリー・カンタータ
(1)カンタータ第42番「されど同じ安息日の夕べに」BWV.42よりシンフォニア
(2)カンタータ第30番「喜べ、贖われし群れよ」BWV.30よりアリア「来たれ アダムの 末なる 民」
(3)カンタータ第133番「わが喜びは汝にあり」BWV.133よりアリア「喜びなさい」
(4)管弦楽組曲第3番BWV.1068よりアリア(エア)
(5)アリア「御身が共にいるならば」BWV.508
(6)カンタータ第174番「われ、いと高き者を心を尽くして愛しまつる」BWV.174よりシンフォニア
(7)カンタータ第21番「わが心には憂い多かりき」BWV.21よりシンフォニア
(8)カンタータ第74番「人もしわれを愛さば、わが言葉守るべし」BWV.74よりアリア「何ひとつ私を救うことのできるものはない」
(9)カンタータ第33番「ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ」BWV.33よりアリア「わが歩みは怯えよろめく」
(10)カンタータ第18番「天より雨と雪の降るごとく」BWV.18よりシンフォニア
(11)マタイ受難曲BWV.244よりアリア「私を憐れんで下さい」
(12)カンタータ第4番「キリストは死の絆につきたまえり」BWV.4よりシンフォニア
(13)カンタータ第169番「神ひとりわが心を占めたまわん」BWV.169よりアリア「さらば、わが 内なる 世の すべての 愉しみよ」
(14)カンタータ第191番「いと高きところには栄光、神にあれ」BWV.191より合唱
(15)カンタータ第85番「われは善き牧者なり」BWV.85よりアリア「イエスは善い羊飼い」
(16)カンタータ第182番「天の王よ、よくぞ来ませり」BWV.182よりシンフォニア
(17)われを忘るるなかれBWV.505
(18)カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまもて」BWV.147よりコラール「イエス わが喜び」
ナタリー・シュトゥッツマン (コントラルト&指揮)
オルフェオ 55 (ピリオド楽器アンサンブル)
ミカエリ室内合唱団
ナタリー・シュトゥッツマンは著名なコントラルトであり、現代欧州では最高の歌手の一人に数えられている。著名指揮者/有力オケとの共演はもとより、2009年には自らが音頭を取って管弦楽アンサンブルOrfeo 55を創設し、更に多彩な音楽活動を続けている。
タイトルのイマジナリー・カンタータとは、いわば虚構のカンタータ、空想のカンタータとでも訳すのだろうか。バッハの書いた夥しい数のアリア、シンフォニア、コラールの中でも特に著名で人々の耳に焼き付いているもの、及び弦楽作品等から抜粋して構成したもので、インスツルメンタルと歌付きがおおよそ交互に並んでいる。
彼女が主宰するOrfeo 55の演奏はとても澄明で、清冽な印象の音を出す尖ったアンサンブルであり、こういったバッハ、あるいはヴィヴァルディやヘンデルといったピリオド期作品を専門としていそうな感じなのだ。つまり、Les Siecles(ル・シエクル)のような古楽専門楽団を思い浮かべながら聴いていたのだが、彼らはどうやらモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスあたりまでも守備範囲としているそうであり、そういった点においてはヘレベッヘ/シャンゼリゼ管やミンコフスキ/ルーヴル宮廷音楽隊に近いレパートリらしい。一点違うのはシュトゥッツマンが歌うために特化している部分があるというところ。
曲目は非常に多いし、かつ誰もがどの曲にも記憶があると思われる著名作品ばかりなので敢えて特定曲をとらえて評することはしない。どのトラックも落ち着いた雰囲気の中で丁寧に演奏され、かつシュトゥッツマンの野太く朗々とした歌唱がバックのOrfeo 55/ミカエリ室内合唱団の高雅なアンサンブルに支えられ、心に沁みる演奏内容となっている。
やたら長くてとっつき辛いカンタータをBWV番号順に追っかけるのはなかなか酷なものがあるけれども、これならイージーリスニング・バッハ、イージーリスニング・カンタータとして十分に楽しめるのではないだろうか。また、リリースされた時期とこの内容を考えればクリスマス向けのアルバムとして企図されたものかも知れなくて、今年の冬には是非これを掛けて過ごしたいもの。
(録音評)
DG 4810062、通常CD。録音は2012年4月、L'Arsenal de Metzとある。音質はDGの典型で、明るい音色にフローラルなリバーブ成分が加わり、ほどほどのステージ展開を示す。ちゃりちゃりしたクラヴィーアやバロックヴァイオリンの高域弦が強調気味に、またコンバス他の通奏低音もどっぷりと発散気味にキャプチャされている。最先端PCM録音に見られる中高域のハイスピード感や非常に引き締まってタイムラグなしにやってくる極低音のビーム、透明ガラス窓越しにずらりと並ぶオケの精密な定位感等は当然望むべくもないが、ある意味アナログLPを髣髴とさせるゴージャスでふくよかな音であり、オーディオ的には細部にあまり拘らず楽しみたいアルバムだ。
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