がんこ屋@伊勢佐木町 |
場所はイセザキモール5st.の外れで、元は、串揚げ・はるちゃんだった奥に細長いカウンタのみの店舗。隣がうどん工房桃一となる。14:00頃の入店で先客ゼロ、後客は3組5人といったところ。ラーメンの大御所たちを筆頭にネットでの評判ははかばかしくないことから客も少なめなのか、全く待たずに座ることができた。券売機で食券を買うシステムではなくてカウンタ越しに口頭にて注文するやりかた。二人が頼んだのは醤油つけ麺+半熟卵(合計850円)、私だけタレカツミニ丼(350円)を頼んだ。
尚、この丼は新潟の著名B級グルメであり、テレビのグルメ系番組でも時折取り上げられているもの。ミニではなくてフル・ポーションだと600円となる。待つこと暫し、揚げ油が跳ねる音がして香ばしい香りが厨房から漂う。トンカツを揚げているのであろう。そこから暫く、タレカツミニ丼がサーブされる。揚げたての熱々豚カツをタレに潜らせたものが3~4個コシヒカリのご飯の上に鎮座している。
独特のタレは醤油ベースと思われるのであるが、そこにウスターソースが少量、鰹出汁系または昆布系の旨味が加わっていて、香りも味も馥郁としていて美味しいものだ。豚カツは小型でぷっくりした格好なのだが、そのうちの一つの中味はミルフィーユ、即ち豚バラ等を層状に重ねて厚みを出したものであった。他はヒレ肉と思われる柔らかくて脂分の少ない良質な豚肉であった。
このタレの風味は実に絶妙であり、ご飯に沁みても塩っぱさがなく、そして豚肉の仄かな風味と旨味を殊更にはスポイルしない。
関西のソースカツが酸味主体の刺激臭と割ときついウスターソースの塩分で食わせる趣向なのに対し、この丼の場合は繊細でよく吟味されたバランスのタレが特徴だ。
どのトッピングも突出した特徴はなく、例えばチャーシューはそこそこの出来映えなのだが脂分と共に旨味成分も抜け落ちているようだし、メンマは見た目は存在感はあるのだが食すると割と柔らかくて、例えばこりこりするなどの特徴は感じられない。
また、どちらの卵も普通の出来映えだ。
新潟ラーメンのつけ麺バージョンというイメージがあったので、例えば秋葉原の青島食堂の支店の鮮やかな鶏ガラ醤油フレーバーを想像していた。
しかし、その想像は外れていた。液面には魚粉が割と多量に浮いた状態で供されたのだが、この魚粉以外の味が殆ど感じられないのだ。
関東地区のこの手のつけ麺は動物と魚介のポートフォリオをバランスさせるのが昨今のスタンダードであり、従ってこの様に動物エキス成分が少ないとかなりもの足りなく感じてしまうのである。
麺は太めで少しウェーブのかかったストレートで、意外なことに多加水のちゅるちゅる系だった。
この種の麺は舌触りと喉越しが気持ち良いが、反面、スープを吸わないし持ち上げも悪いのだ。麺を浸して啜ると、もの足りない中であっても醤油の芯が強く感じられる。
醤油味が勝っているのは新潟ラーメンに唯一通じる特徴かも知れない。
ということでなんやかんやと不満足を感じながら食べ進めていくと、他のサイトに見られるような批判的な部分はあるにせよ、これはこれで「あり」の味わいではなかろうか、と思い始めたのは不思議な現象だ。食べ終える頃、動物系滋味がそれほどなくったってシンプルで塩っぱ目のこの味は割と悪くはなかった、との感想を抱くに至った。もう少し特徴が出せれば十分にやっていける店ではなかろうかと思われる。
新潟らーめん がんこ屋
横浜市中区伊勢佐木町5-130
電話: 非公開
営業: 11:00~23:00
定休: 無休
最寄: 市営BL阪東橋5分、伊勢佐木長者町5分、
京急黄金町7分、JR関内15分
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