イタリーノ@伊勢佐木町

＜　ヨコハマ洋食・定食シリーズ　Vol.12　＞

横浜は土曜も暑かったが、フェーンが吹きすさぶ富山よりかは風が爽やかで過ごしやすい。久し振りにイセザキモールまで買い物に出掛けた。今まで前を通りかかることはあったがなかなか入る機会がなかったイタリーノでランチを食べた。

イタリーノはイセザキモールから北西へ折れて宮川橋へ向かう途中、福富町という風俗やコリアン系店舗が建ち並ぶ歓楽街の真ん中にある横浜を代表する老舗洋食店の一つだ。時刻は13:30を超えていたが店はほぼ満席。カウンタ5～6席にテーブルが12席程度と狭い店内はこの辺りの店舗関係の常連と思われる客で犇めいていた。ちょうど帰る客がいたのでテーブル席に二人相席で座ることが出来た。注文したのはこの日のランチということでポークカツレツ＋白身魚フライの定食だ。

調理はカウンタ内の狭い厨房で男性が二人で担当、フロア係はママさんと思しき女性ともう一人の女性スタッフが担当していた。口頭で注文する前に「ランチで良いですか・・？」と聞かれた。周囲を見渡すと殆どの客は今日のランチを召し上がっているようだ。たまたま相席した夫妻の奥さんの方はナポリタンを頼んでいたが、ランチ以外を頼んでいるのはこの奥さんだけだった。

待つこと暫し、ワンプレートに盛られた料理と別皿でライスがサーブされた。味噌汁やスープ系の汁物は付かないようだ。

メインディッシュのポークカツレツは見た目はトンカツだが、デミグラスが掛かっているので洋風のカツレツと言って良いだろう。これに小振りの白身魚フライがセットされ、ドレッシングが掛かった大盛りの千切りキャベツ、そしてパスタ少量が添え付けられて山盛りとなっている。ライスの量はかなり多く、それでも家内の方のライスは心持ち少なめに盛ってあるようだ。
ポークカツレツは衣は揚げたてのさくさく、中の豚肉は薄目ではあるがジューシーかつ良い肉らしくて旨味が強い。これに合わさるデミグラスはしつこさのない淡い調味で豚肉本来の風味やフライの香りを損なわない上品な出来映えだ。白身魚フライはちょっと小さいのだが中はほくほくしていて美味しい揚がり具合。
これにデミグラスを少量つけて頂くと昭和洋食の王道を行く滋味が口いっぱいに拡がる。欲を言えばタルタルが少量添えてあったら満点だった。付け合わせのキャベツの千切りは極細でとても丁寧な下拵え。酸味がちょっと強いフレンチあるいはイタリアン系ドレッシングが爽やかで美味しい。

パスタの方はケチャップ味ではなくて意外にもカレー粉をまぶして炒めたものでありその香りが食欲をそそる。ライスの量もおかずの量もそこそこボリューミーであって、予想を遙かに超える味のクォリティと相俟ってとても満足なランチであった。これで一人550円というから、このご時世にこの場所でいただける洋食ランチセットとしては破格で驚くばかり。


イタリーノ

横浜市中区福富町仲通3-4
電話： 045-261-6721
営業： 12:00～23:30
定休： 日曜
最寄： JR関内10分、市営BL伊勢佐木長者町7分、
　　　　京急日ノ出町6分


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