鴨屋 そば香@妙蓮寺

このところ暑くてたまらない。この日はkenjiさんのお買い物にアテンドするということで、ピックアップしてもらう約束の時間よりもかなり前、日が高くなる前に自宅を出た。こんな日はすっきりとしたそば香の蕎麦が食いたいところ。

ところが、開店時間を狙って来ているのであろうか、早い時刻なのに何故か満席。表のベンチに腰掛けて待つことに。すかさず店内から若い女性店員が冷たいお茶を持って来てくれる。ギラギラとした陽光を避けつつお茶を啜り暫し待つ。その間、注文を訊かれたので、家内はこの季節限定の薬味そば、私は最もシンプルな御膳せいろ（＝盛り蕎麦）とした。
待つこと10分余り、店内に呼び込まれる。一番手前のカウンタに通される。相変わらず無駄のない店主の仕事捌きを拝見しつつ待つ。客がぽちぽちと帰っていくが、その跡を見ているとほぼ全ての客が鴨せいろを頼んでいたらしく特徴的なあの小型丼が残されている。汁は熱々で、炙った鴨も温度感があってこの季節にはどうかと思うのだが、確かに蕎麦は冷やされていてそれなりに合う気がする。
事前オーダーが通っていたので長い時間待つことなく品物が出てくる。家内の薬味そばは一昨年から始まったと記憶しているが見た目に涼やかなこの季節限定の絶品混ぜ蕎麦であり、食欲を誘いながら酢が効いていることから滋養の助けにもなって優れたメニューだ。一方、私の方は飾り気のない蕎麦をそのままの状態で啜りたくて御膳せいろとしたのだが、これまた潔い出で立ちの純蕎麦メニューなのである。
うーん、実に美味い。暫く足が遠のいている間に蕎麦のクォリティが一段上がり、歯応えが増加。つまり麺の芯が残るような固さでありながらも馥郁とした蕎麦粉の香りを同時に獲得しているのだ。水で冷たく締められた蕎麦はそのままでは香りが減退するものなのだがそば香の新型蕎麦はそうではなくて風味が残りつつ冷たく、かつ味わいが深いのである。
家内の薬味そばはクォリティは従前通りで、この芯のしっかりとした新しい蕎麦の恩恵をしっかりと受けたものであった。

酸味はきついのだがツンと来ることなくそれでいて野菜系の青味が相俟ってこの季節ならではの清涼感が得られるベストな取り合わせの創作メニューである。
実に旨い蕎麦を味わうことが出来た。このところ遠方への食べ歩きが多かったが、その間、そば香の進化もあったということで偶には訪れないといけないな、と反省した次第だった。



鴨屋　そば香（かもや　そばこう）

横浜市港北区菊名1-3-9
電話：　45-309-8546
営業：　11:00～15:30、17:00～23:00
定休：　水曜
最寄：　東急東横線 妙蓮寺 1分






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