新宿中村屋@横浜

本日の日曜は午後からそごうに用事があった。用を済ませてからちょっと遅いランチをとろうと10階のレストラン・フロアに行ったが人でごった返しており、しかもどの店にも長い待ち行列が出来ている。何故このデパートのこのフロアがこんなにも混雑しているのか良く分からない。待つのは嫌だが今さら馬車道や伊勢佐木町方面まで行くのも時間が掛かって現実的ではない。

・・などと、つらつらと考えながらフロアを巡っていたら待ち行列が全くない店があった。新宿中村屋が経営するインド・カリーの店だ。ここだけは何故か不思議に空いていて店内も客は疎ら。勿論すぐに座れた。ちょっと嫌な予感はするが・・。メニューを見て理解できた。ランチセットは最低でも1500円はする。要は回りの店が大体1000円前後でセットを組んでいるのに対して中村屋はけっこう強気の値付けをしているのだ。

それでも味が良くて満足できれば我々にとっては何の不具合もない。座ってからメニューに目を通し、家内が頼んだのはプラサンヌ・セットというワンプレートのランチセットだ。これはキーマとシーフードの二種のカリー、そしてチキン・ティッカ（要は骨なしのタンドリー・チキン）、スパイス浸けの野菜、ナンが添えられたもの。私は新宿中村屋の伝統とされているチキンカリーのセットとした。

待つこと暫し、私のセットに付いている小型サラダがサーブされた。あまりに小さいのでフォークで掬うと2回分でちょうどなくなった。まあ、一口サラダ、といったところでこれはご愛敬だ。そのうち両方のセットがサーブされる。プラサンヌの方はオーソドックスなキーマに南インド風の軽いシーフードがセットとなり、そして一風変わったナン、というか通常のパンをナン風のフォルムに焼き上げたもが添えられる。

味はモデレートでそこそこ美味しい。但し、インド風かといわれるとちょっと微妙で、まぁこの方が日本人の口には合うのかもしれない。一方、私が頼んだチキンカリーはグレイビー・ボートに乗ってサーブされた。これだけ見ると欧風カレーなのだが、一応、伝統のインド・カリーと銘打っている。

食べてみると違和感がある。スパイスとしてはターメリック、コリアンダーとナツメグ、少々のカルダモンしか入っておらず、もう一方のキー・スパイスであるクミンとクローブスが使われていない。ぼやけた印象のこのスパイス設定に加え、恐らく多量のヨーグルトと生クリームが投入されていて、もはやこれはインドとは言えず、さりとてデミグラスが効いた欧風からも程遠いカレー的な料理なのである。
そして、これだけだったならばまだ良かったのだが、砂糖の甘み及び塩分がきつくて喉が渇く。その割にライスの量が極めて少なく、グレイビー・ボートにソースを半分以上残した状態でご飯はなくなってしまった。中に仕込まれている鶏肉は上等なグレードと思われるが骨ばかりで食べられる部位が殆どないというのも残念なところ。
実は30年ほど前、職場があった新宿の高野本店でインド風チキンカリーをよく食べていた。職場が他に移ってからも、たまに新宿に出た時にはわざわざ食べに行ったりもしていた。

しかしあの時の味とこの味は全く別の物であり、新宿中村屋の本来のチキンカリーはこういう味ではない。
また、数年前になるがお中元で頂いた中村屋のギフトセットには缶詰のチキンカリーが2本ほど入っていて家で食べた。

その時のその味は新宿本店で食べたあの懐かしい味とまるっきり同じだったと記憶することから、そごうの店で出しているこのチキンカリーはちょっと出自が怪しい。




新宿中村屋インドカリーの店 そごう横浜店

横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店10F
電話： 045-465-5934
営業： 11:00～23:00
定休： 不定休（そごうに準ずる）
最寄： 各会社線 横浜3～5分





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