東京メトロ7000系@妙蓮寺駅 |
私が毎日使っている東急東横線は、大正年間にその端を発する首都圏の歴史ある私鉄路線の一つだ。東京オリンピックの直後、首都圏の私鉄各線と地下鉄、そして国鉄などは利害の相反は少しはあったにせよ大同団結して相直(相互直通)運転に乗り出す。東横線の事情でいえば地下鉄2号線、その後の正式名称=日比谷線との相直は古典的な例だ。なお、日比谷線は開業の序列では3番目なのだが、都市計画上は2番目に策定された路線ゆえ2号線とされている。蛇足だが、日比谷線の車両系列が3000系(既に廃車)、03系とされていることから分かる通り、営団地下鉄(現・東京メトロ)としては開業順序に従った路線認識番号としたようだ。
閑話休題。東横線・みなとみらい線は、来年春頃に地下の新しい渋谷駅を介して東京メトロ副都心線と直結される。
その結果、副都心線を経由し、メトロ車だけでなく副都心線の北側=池袋と相直する東武、西武の車両も東横線に流入することとなる。写真は、東急東横線・妙蓮寺駅に停車する試運転中の東京メトロ7000系電車。この系列は1974年に配備が始まった非常に古い車両系列であり、車体更新を何度も繰り返してはいるものの古色蒼然としたデザインは頽廃感を否めないし、内外装の劣化は隠せないところだ。もともと7000系は、副都心線よりも早い開業を果たした有楽町線に増配備を繰り返してきた車であり、この写真の編成は茶帯をまとっていることから、8両への短編成化工事を経て有楽町線から転籍してきた車だろう。
この相直運転には賛否があって、東横沿線でもひときわ上流意識の高い田園調布、日吉あたりの住民からは西武や東武との相直運転への反対運動も惹起されている。その気持ちは十分に分かるし、私もこれ以上の混雑は嫌なので出来ることなら相直は避けて欲しいと思っている。一方の東武・西武側では、この相直への歓迎ムードは高まりを見せており、観光路線としての東横線/みなとみらい線を経由して横浜・元町・中華街方面へと接合されることへの期待は高まっているそうで、事実、接続予定の池袋北側から埼玉にかけての周辺地域での路線価が少々上昇しているとのニュースも聞こえている。
この辺りの事情と話題は鉄道マニアの間では喧しいようで、相直を控えた他社線車両が繰り返し試験運転する姿を撮影しようという好事家(=撮り鉄というらしい)が大挙して訪れ、絶好の撮影ポイントの一つである妙蓮3号踏切周辺ではデジタル一眼レフカメラをこれら試験運転車両に一斉に向けている光景が常態化しつつある。この写真を偶然に撮った時にも妙蓮寺駅の渋谷方ホーム上には普及型一眼レフカメラに小口径望遠ズームレンズ+小型国産三脚を装着した傍若無人なマニアたちが大挙して陣取っていて、一般の乗降客が眉を顰める場面も。もう少しTPOを弁えれば良いものを・・。
土曜・休日ダイヤの合間を縫って相直で乗り入れ予定の各社車両編成を東横/みなとみらいへ回送し、東横線/みなとみらい線の各駅プラットフォームへの停発車を繰り返すことで、東急ATCの動作確認および車両限界から来る干渉の有無を確認しているのであろう。
※現在のところ代官山~新・渋谷駅間は工事中であり、副都心線から東横線へは直通できない。東京メトロ・市ヶ谷駅構内には有楽町線/南北線を相互にスイッチバックで往来させる渡り線が敷設されており、車両検査のために千代田線の綾瀬検車区へと回送する時などに用いられているが、恐らくこの渡り線を経由して副都心線車両や東武車、西武車を東急側へ入れているものと思われる。
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