2012年 03月 20日
Mendelssohn: Christus Etc.@Equilbey/Accentus,EOP |
前回に続いてNaïveの新譜から、エキルベイ率いるアクセンタスがパリ室内管弦楽団、サンドリーヌ・ピオーらの有力ソリストを迎えてのメンデルスゾーン後期作品集。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4568403
Mendelssohn: Christus & Cantates Chorales
1. Verleih' uns Frieden - Martin Luther
Christus Op.97 - Christian Carl Josias Freiherr von Bunsen
Part I:
2. Geburt Christi: Recitative: Da Jesus geboren war zu Bethlehem(S)
3. Geburt Christi: Trio: Wo ist der neugeborne Konig der Juden?(T,B)
4. Geburt Christi: Es wird ein Stern aus Jakob aufgehn(Chor)
Part II:
5. Leiden Christi: Recitative: Und der ganze Haufe stand auf(T)
6. Leiden Christi: Ihr Tochter Zions(Chor)
7. Leiden Christi: Er nimmt auf seinen Rucken(Chor)
O Haupt voll Blut und Wunden - Bible / New Testament
8. O Haupt voll Blut und Wunden(Chor)
9. Aria: Du, dessen Todeswunden die sundge Welt versohnt(B)
10. Ich will hier bei dir stehen, verachte mich doch nicht(Chor)
Vom Himmel hoch - Martin Luther
11. Vom Himmel hoch, da komm ich her(Chor)
12. Aria: Es ist der Herr Christ, unser Gott(B)
13. Er bring euch alle Seligkeit(Chor)
14. Aria: Sei willekomm', du edler Gast(S)
15. Arioso: Das also hat gefallen dir(B)
16. Lob, Ehr sei Gott im hochsten Thron(Chor)
Sandrine Piau(S), Robert Getchell(T) & Markus Butter(B)
Accentus & Ensemble Orchestral de Paris, Laurence Equilbey
メンデルスゾーン:
・「恵み深くわれらに平安を与えたまえ」 (1831) 詩:マルティン・ルター
・オラトリオ「キリスト」(未完:全2部)(1846-47) 詩:フォン・ブンゼン
・カンタータ「汝、その道を命じたまえ」 (1830) 詩:新約聖書
・カンタータ「高き天よりわれは来れり」 (1830) 詩:マルティン・ルター
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
ロバート・ゲッチェル(テノール)、マルクス・ブッター(バリトン)
アクセンタス/パリ室内管弦楽団/ロランス・エキルベイ
またまた聴き応えのするCDが登場。オラトリオ「キリスト」は全3部構成となるはずだった壮大な作品だが、結局はメンデルスゾーンの逝去により2部まで書き上げたところで未完に終わったもの。その他、詳細な成り立ち等はキングインターの解説等に詳しいので割愛する。アクセンタスとして、ここまで力が入った大規模なコーラスは久し振りだ。このところ肩肘の力を抜いたふんわり系の作品群を仕上げてきた彼らとしては珍しくフルパワーで取り組んでいる渾身の演奏だ。
メインのキリストだが、サンドリーヌ・ピオーの霊妙なレチタティーボで始まる1部は、次いで3人のソリストが対話を繰り返すテルシェットへと続き、そして荘厳なコラールで締められる。2部はロバート・ゲッチェルによるレチタティーボが訥々と復活への祈りを歌い上げるところから始まり、次第に重層感を増すコラールが劇的な歴史物語を形成していくという展開で、この辺りはとても重く、そして時に儚くも美しい場面。そしてアクセンタスもパリ室内管もダイナミックかつエネルギッシュな極度の集中のなかで精密な合奏/合唱を繰り広げる。期せずしてフィナーレとなったEr nimmt auf seinen Ruckenのコーダ部へかけての緊張感は徒者ではない。この後、どんな第3部が用意されようとしていたのであろうか。
最後の「高き天よりわれは来れり」はルターの詩になるカンタータで、メインの「キリスト」に負けず、いや、叙情性という点においてはキリストを上回る優秀作と言え、これが、メンデルスゾーンがこのテキストにみいだしたであろう様々な情景/心象を各ソリストが描いて見せてくれる。いずれの作品からも、後年に至っても尚尽きないメンデルスゾーンの優れたメロディ・メーカーとしての才能を大いに再認識させられる。どれもが秀作揃いだし、ソロ、コーラス、オケ共に精錬度の高い美しく力強い調和を見せてくれている。
(録音評)
Naïve V5265、通常CD。録音は2011年6月、場所は Notre-Dame du Liban Church, Paris(France)。録音機材:マイク:Neumann M149, U87, TLM 170, KM 140, DPA 4041S, 4003, Schoeps MK4V、プリアンプとA/D:DAD AX-24, DPA HMA、コンソール:SONY DMXR-100、録音/編集:Pyramix Studioとある。これもDAD製A/Dを用いた録音で、この大きな演奏規模をフルカバーする超高解像度、かつフラットレスポンスの超優秀録音だ。特に超低域がカットされずにそのまま入っており、コンバスやオルガンの大型フルー管の振動がリアルに捉えられているし、ノートルダム・デュ・リバン協会の天井高、そして左右奥行きの距離感がまさに三次元で収録されているのだ。これまた目に見える3Dタイプの新時代録音である。この広帯域/広ダイナミックレンジを味わい尽くすため、もし可能ならば大型の3~4ウェイ・スピーカーを俊敏なハイパワーアンプで駆動しつつ鑑賞したいもの。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4568403
Mendelssohn: Christus & Cantates Chorales
1. Verleih' uns Frieden - Martin Luther
Christus Op.97 - Christian Carl Josias Freiherr von Bunsen
Part I:
2. Geburt Christi: Recitative: Da Jesus geboren war zu Bethlehem(S)
3. Geburt Christi: Trio: Wo ist der neugeborne Konig der Juden?(T,B)
4. Geburt Christi: Es wird ein Stern aus Jakob aufgehn(Chor)
Part II:
5. Leiden Christi: Recitative: Und der ganze Haufe stand auf(T)
6. Leiden Christi: Ihr Tochter Zions(Chor)
7. Leiden Christi: Er nimmt auf seinen Rucken(Chor)
O Haupt voll Blut und Wunden - Bible / New Testament
8. O Haupt voll Blut und Wunden(Chor)
9. Aria: Du, dessen Todeswunden die sundge Welt versohnt(B)
10. Ich will hier bei dir stehen, verachte mich doch nicht(Chor)
Vom Himmel hoch - Martin Luther
11. Vom Himmel hoch, da komm ich her(Chor)
12. Aria: Es ist der Herr Christ, unser Gott(B)
13. Er bring euch alle Seligkeit(Chor)
14. Aria: Sei willekomm', du edler Gast(S)
15. Arioso: Das also hat gefallen dir(B)
16. Lob, Ehr sei Gott im hochsten Thron(Chor)
Sandrine Piau(S), Robert Getchell(T) & Markus Butter(B)
Accentus & Ensemble Orchestral de Paris, Laurence Equilbey
メンデルスゾーン:
・「恵み深くわれらに平安を与えたまえ」 (1831) 詩:マルティン・ルター
・オラトリオ「キリスト」(未完:全2部)(1846-47) 詩:フォン・ブンゼン
・カンタータ「汝、その道を命じたまえ」 (1830) 詩:新約聖書
・カンタータ「高き天よりわれは来れり」 (1830) 詩:マルティン・ルター
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
ロバート・ゲッチェル(テノール)、マルクス・ブッター(バリトン)
アクセンタス/パリ室内管弦楽団/ロランス・エキルベイ
またまた聴き応えのするCDが登場。オラトリオ「キリスト」は全3部構成となるはずだった壮大な作品だが、結局はメンデルスゾーンの逝去により2部まで書き上げたところで未完に終わったもの。その他、詳細な成り立ち等はキングインターの解説等に詳しいので割愛する。アクセンタスとして、ここまで力が入った大規模なコーラスは久し振りだ。このところ肩肘の力を抜いたふんわり系の作品群を仕上げてきた彼らとしては珍しくフルパワーで取り組んでいる渾身の演奏だ。
メインのキリストだが、サンドリーヌ・ピオーの霊妙なレチタティーボで始まる1部は、次いで3人のソリストが対話を繰り返すテルシェットへと続き、そして荘厳なコラールで締められる。2部はロバート・ゲッチェルによるレチタティーボが訥々と復活への祈りを歌い上げるところから始まり、次第に重層感を増すコラールが劇的な歴史物語を形成していくという展開で、この辺りはとても重く、そして時に儚くも美しい場面。そしてアクセンタスもパリ室内管もダイナミックかつエネルギッシュな極度の集中のなかで精密な合奏/合唱を繰り広げる。期せずしてフィナーレとなったEr nimmt auf seinen Ruckenのコーダ部へかけての緊張感は徒者ではない。この後、どんな第3部が用意されようとしていたのであろうか。
最後の「高き天よりわれは来れり」はルターの詩になるカンタータで、メインの「キリスト」に負けず、いや、叙情性という点においてはキリストを上回る優秀作と言え、これが、メンデルスゾーンがこのテキストにみいだしたであろう様々な情景/心象を各ソリストが描いて見せてくれる。いずれの作品からも、後年に至っても尚尽きないメンデルスゾーンの優れたメロディ・メーカーとしての才能を大いに再認識させられる。どれもが秀作揃いだし、ソロ、コーラス、オケ共に精錬度の高い美しく力強い調和を見せてくれている。
(録音評)
Naïve V5265、通常CD。録音は2011年6月、場所は Notre-Dame du Liban Church, Paris(France)。録音機材:マイク:Neumann M149, U87, TLM 170, KM 140, DPA 4041S, 4003, Schoeps MK4V、プリアンプとA/D:DAD AX-24, DPA HMA、コンソール:SONY DMXR-100、録音/編集:Pyramix Studioとある。これもDAD製A/Dを用いた録音で、この大きな演奏規模をフルカバーする超高解像度、かつフラットレスポンスの超優秀録音だ。特に超低域がカットされずにそのまま入っており、コンバスやオルガンの大型フルー管の振動がリアルに捉えられているし、ノートルダム・デュ・リバン協会の天井高、そして左右奥行きの距離感がまさに三次元で収録されているのだ。これまた目に見える3Dタイプの新時代録音である。この広帯域/広ダイナミックレンジを味わい尽くすため、もし可能ならば大型の3~4ウェイ・スピーカーを俊敏なハイパワーアンプで駆動しつつ鑑賞したいもの。

♪ よい音楽を聴きましょう ♫
by primex64
| 2012-03-20 14:31
| Vocal
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