2011年 12月 26日
Mark Levinson No.38L リモコン不調 |
つい先だってオーバーホールに出したばかりのNo.38Lのリモコンの効きが悪い。どうやらハーマンはリモコン不調の根本原因までは辿り着いていなかった模様。今更再度修理手配(=恐らくは修理保証期間内)というのも面倒だし、またまたプリ無し生活、しかもこれから年末年始を迎えるというのに、なんとも不便な話だ。
実は、リモコンの不調は、ハーマンの見立てによればリモコン側の電池を押さえるひげゼンマイ状のばね端子が劣化していて通電不良、とのことだった。ばねが新品交換されて帰ってきていた。しかし、実際にはIRの発振周波数が不安定なのと波形が崩れていてコードが希にしか正しく飛ばない、というのがオシロ観察により判明し、調べていったところクォーツ(水晶振動子)が劣化していた。
手持ちの余ったソニー・トリニトロンのリモコンから455kHzの水晶振動子を取り出して交換したら波形が綺麗になってコードが飛ぶようになった。リモコンを直したのが数ヶ月前であったが、それでもリモコンが効かなくなることが度々あった。その時にはNo.38Lのドットマトリクス表示盤を指爪で弾いたりすると調子がよくなったりしていたので、これは38L本体の受光素子の周辺になにやら問題がありそう、と言うことだけは掴んでいた。
いよいよ不調となったため、38Lを開腹することとした。先日、Pさんにはボンネットの外し方を教わっていた。なんのことはなく、インシュレータ(脚部)を六角レンチで四つ外せばボンネットはスルスルと取れてPCB(基板)の表(おもて)面は剥き出しになる。しかし、今回調べたいのはフロントパネルの裏側に実装されているコントロール基板だ。
この細長い基板へアクセスするにはフロントパネルを外す以外に方法はない。溶接されているサブシャーシの裏側からトルクスねじ(ヘックスローブ)でフロントパネルが固定されている。このトルクスねじを廻すためのスペースが狭小で相当苦労したが、手持ちの道具だけでなんとか外せた。
剥き出しになったコントロール基板だが、ドットマトリクス表示器の左側にシャープ製のシールドケース入りIR受光素子(ユニット)、そしてその近傍に、何故かIR発光素子(LED)が実装されている。シャープ製ユニットの取付が元々甘く、ここを指でぐらつかせるとリモコンが効いたり効かなかったりするのが確かめられた。
だいたいシールドケースの基板に対する取付高さが左右でずれている。シールドケースは脚が二本でPCBのGNDにハンダ直付けされている。GNDに突き出ている脚を裏からはんだごてで暖めて、この左右でずれている高さを調整し、中の信号端子のソケットが浮いて接触不良にならないように固定する。ついでに盛り半田で脚部の固定を強化する。このユニットの基板への取付構造はちょっと複雑なのだ。
No.38の回路図面に図解があったので付けておく。要は、受光ユニットの信号端子はシールドの脚よりも短いため、中継ソケット/ピンを経由してPCBに接続される格好で、この中継ソケットと信号端子のコンタクトポイントが短く、シールドケースが少しでも浮くとピンが外れかけてしまうのだ。この図の「DETAIL C」と書かれたところがシャープ製ユニットの取付方案となる。
リモコンの動作が快調になったことを確認してパネルを元どおりに仮決めしてトルクスを締め付けて組み立てる。このアンプは作りがなかなか凝っていて、ガッチリとした構造体を形成するよう工夫されている。メンテはし易い方だとは思われなく、従って、あまり根気のない人はチャレンジしない方が身のためだ。
一つ謎が出て来た。コントロール基板上のIR-LEDはなんのために付いているのか? No.38LがIRを発光し、他の機器とリンクを無線で取るような仕組みがあるのであろうか?
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実は、リモコンの不調は、ハーマンの見立てによればリモコン側の電池を押さえるひげゼンマイ状のばね端子が劣化していて通電不良、とのことだった。ばねが新品交換されて帰ってきていた。しかし、実際にはIRの発振周波数が不安定なのと波形が崩れていてコードが希にしか正しく飛ばない、というのがオシロ観察により判明し、調べていったところクォーツ(水晶振動子)が劣化していた。







一つ謎が出て来た。コントロール基板上のIR-LEDはなんのために付いているのか? No.38LがIRを発光し、他の機器とリンクを無線で取るような仕組みがあるのであろうか?

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by primex64
| 2011-12-26 00:13
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