2011年 10月 03日
Brahms: Vn-Con & Hungarian Dances@B.Skride, S.Oramo/Royal Stockholm PO. |
ラトビア出身で、年齢的にはそろそろ中堅の域に入りかけているバイバ・スクリデの夏の新譜だ。レーベルは、このところ取り上げることの多いORFEO。この奏者は少し前から着目していた実力派だが、少しのブランクの後にこの重厚なアルバムを出してきた。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4087331
CD1:
Brahms: Violin Concerto in D Major, Op. 77
Baiba Skride (violin)
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra, Sakari Oramo(Cond.)
CD2:
Brahms(arr. Joseph Joachim): Hungarian Dances, WoO 1 Nos. 1-21 (complete)
Baiba Skride (violin)
Lauma Skride (piano)
CD1:
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
サカリ・オラモ(指揮)
CD2:
・ブラームス/ヨアヒム編:ハンガリー舞曲集WoO 1(全21曲)
バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
ラウマ・スクリデ(ピアノ)
スクリデは2001年のエリザベート王妃国際でウィナーとなっている。その直後、ソニーとの専属契約を結んでチャーミングなアルバムを何枚か出した。MusicArenaでもかつてこれらのCDのうちの何枚かを取り上げており、当時の自らの評を読むと、なるほどと膝を打つ今回録音へと繋がるヒントが幾つか含まれている。一枚目はショスタコVnコン+ヤナーチェク 、二枚目は定番のチャイコン+その他小品であった。
そのバイバがソニーからORFEOへ移籍したのが今年の初めだったそうだ。何があったのかは分からないが、これはこれで成功だと思われる。スタンダードな名曲ばかりを要求されてコマーシャリズムで売っていくソニー始めメジャー・レーベルよりかは、じっくりと特定テーマに向き合える欧州専門レーベルが彼女の得意とする音楽史観、並びに自身のバックグラウンドには適すると思うのだ。
さて、このアルバムだが、力の入った2枚組であり、一枚目はブラVnコン、二枚目が元祖ヴィルトゥオーゾ=ヨアヒムがVnとPf伴奏のために編曲したハンガリー舞曲の全曲なのだ。このところでは、ちょっと尖った、それでいて飛び切りナイーブな指揮で人気上昇中のサカリ・オラモが振るロイヤル・ストックホルムPO.が一枚目を担当。悠然として艶やかに歌うスクリデのストラド(ウィルヘルミ)は湿潤で穏当、そして女性的とも言えるふくよかな曲面を帯びた、しかも歪のないサウンドを放散している。これは楽器がそうだからというわけではなく、前作にも感じられたバイバの特質である。二枚目はバイバの実の妹であるラウマ・スクリデがPf伴奏を担当する。
ライナーによれば、ブラームスの美しさ、儚さの真骨頂は緩徐楽章にあるとバイバがコメントしているが、今回私が聴いたところ、ラルゴやアダージオよりかは寧ろアレグロのような速めで出し入れの激しい楽章においてバイバの美点が表出しているのだ。一枚目の白眉は何と言っても終楽章のアレグロであり、エネルギー感は多少弱いながら均整の取れた、そして刺激的な棘が一切見られない精緻な演奏だ。どちらかというとブラームスの陽の部分をハイライトした解釈と演奏である。ブラームスの作風は大きくザックリと分類するなら、男らしくで猛々しい気風/女性っぽくてなよとした感傷的な気風、と別れるが、バイバの演奏は明らかに後者に属する感情を尊重したものとなっており、適度な粘性と弾力感は、これはこれで素晴らしい表現だと思う。
ハンガリー舞曲Vn版だが、これは前出のコンチェルトを上回るバイバの特質が色濃く滲んでおり非常に楽しめる演奏だ。いかついた筋肉質なパワーでもって弾き倒す演奏が多い中、バイバのこれは割と内省的、しかし一旦解き放たれれば一気に飛翔して高度を上げる鳥のようなアチェレランド(加速して高速化する:という楽想記号のひとつ)が印象に残る、青白くも心が籠もった演奏なのだ。元々バイバの演奏は湿潤で穏和、そして実は超絶技巧という流れで来ているのであるが、このブラームスの二枚組においてはテーマ性と演奏/解釈という精神面での調和性に彼女のたおやかな感性が生きているのである。
(録音評)
ORFEOレーベル、C 829112 A、通常CD。Vnコンの録音は2009年1月29日、ストックホルムのコンサート・ホール、ハンガリー舞曲の方は2010年11月7-9日、ミュンヘンのグリュンヴァルト、アウグスト・エファーディング・ザールとある。尚、この録音はバイエルン放送との共同制作とクレジットされている。
音質はORFEO独特のフェザータッチで仕上がっている。この盤に限って言うならば音質は極めて優秀であり、Vnもオケも、そしてVn+Pfもヴィヴィッドに捕捉されているのだ。二枚組なのでそれぞれの趣をじっくりと時間を掛けて味わうのは楽しいはずだ。
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/4087331
CD1:
Brahms: Violin Concerto in D Major, Op. 77
Baiba Skride (violin)
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra, Sakari Oramo(Cond.)
CD2:
Brahms(arr. Joseph Joachim): Hungarian Dances, WoO 1 Nos. 1-21 (complete)
Baiba Skride (violin)
Lauma Skride (piano)
CD1:
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
サカリ・オラモ(指揮)
CD2:
・ブラームス/ヨアヒム編:ハンガリー舞曲集WoO 1(全21曲)
バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
ラウマ・スクリデ(ピアノ)
スクリデは2001年のエリザベート王妃国際でウィナーとなっている。その直後、ソニーとの専属契約を結んでチャーミングなアルバムを何枚か出した。MusicArenaでもかつてこれらのCDのうちの何枚かを取り上げており、当時の自らの評を読むと、なるほどと膝を打つ今回録音へと繋がるヒントが幾つか含まれている。一枚目はショスタコVnコン+ヤナーチェク 、二枚目は定番のチャイコン+その他小品であった。
そのバイバがソニーからORFEOへ移籍したのが今年の初めだったそうだ。何があったのかは分からないが、これはこれで成功だと思われる。スタンダードな名曲ばかりを要求されてコマーシャリズムで売っていくソニー始めメジャー・レーベルよりかは、じっくりと特定テーマに向き合える欧州専門レーベルが彼女の得意とする音楽史観、並びに自身のバックグラウンドには適すると思うのだ。
さて、このアルバムだが、力の入った2枚組であり、一枚目はブラVnコン、二枚目が元祖ヴィルトゥオーゾ=ヨアヒムがVnとPf伴奏のために編曲したハンガリー舞曲の全曲なのだ。このところでは、ちょっと尖った、それでいて飛び切りナイーブな指揮で人気上昇中のサカリ・オラモが振るロイヤル・ストックホルムPO.が一枚目を担当。悠然として艶やかに歌うスクリデのストラド(ウィルヘルミ)は湿潤で穏当、そして女性的とも言えるふくよかな曲面を帯びた、しかも歪のないサウンドを放散している。これは楽器がそうだからというわけではなく、前作にも感じられたバイバの特質である。二枚目はバイバの実の妹であるラウマ・スクリデがPf伴奏を担当する。
ライナーによれば、ブラームスの美しさ、儚さの真骨頂は緩徐楽章にあるとバイバがコメントしているが、今回私が聴いたところ、ラルゴやアダージオよりかは寧ろアレグロのような速めで出し入れの激しい楽章においてバイバの美点が表出しているのだ。一枚目の白眉は何と言っても終楽章のアレグロであり、エネルギー感は多少弱いながら均整の取れた、そして刺激的な棘が一切見られない精緻な演奏だ。どちらかというとブラームスの陽の部分をハイライトした解釈と演奏である。ブラームスの作風は大きくザックリと分類するなら、男らしくで猛々しい気風/女性っぽくてなよとした感傷的な気風、と別れるが、バイバの演奏は明らかに後者に属する感情を尊重したものとなっており、適度な粘性と弾力感は、これはこれで素晴らしい表現だと思う。
ハンガリー舞曲Vn版だが、これは前出のコンチェルトを上回るバイバの特質が色濃く滲んでおり非常に楽しめる演奏だ。いかついた筋肉質なパワーでもって弾き倒す演奏が多い中、バイバのこれは割と内省的、しかし一旦解き放たれれば一気に飛翔して高度を上げる鳥のようなアチェレランド(加速して高速化する:という楽想記号のひとつ)が印象に残る、青白くも心が籠もった演奏なのだ。元々バイバの演奏は湿潤で穏和、そして実は超絶技巧という流れで来ているのであるが、このブラームスの二枚組においてはテーマ性と演奏/解釈という精神面での調和性に彼女のたおやかな感性が生きているのである。
(録音評)
ORFEOレーベル、C 829112 A、通常CD。Vnコンの録音は2009年1月29日、ストックホルムのコンサート・ホール、ハンガリー舞曲の方は2010年11月7-9日、ミュンヘンのグリュンヴァルト、アウグスト・エファーディング・ザールとある。尚、この録音はバイエルン放送との共同制作とクレジットされている。
音質はORFEO独特のフェザータッチで仕上がっている。この盤に限って言うならば音質は極めて優秀であり、Vnもオケも、そしてVn+Pfもヴィヴィッドに捕捉されているのだ。二枚組なのでそれぞれの趣をじっくりと時間を掛けて味わうのは楽しいはずだ。
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by primex64
| 2011-10-03 23:16
| Concerto - Vn
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