三ツ矢堂製麺@大船 |
と、出張後にこちらに戻るまでの間、仕事はしていなかったが休んだという気もせず、ちょっと気分転換に江ノ島まで行ってきた。海月(クラゲ)を眺めたい、という家内の要望に乗っかった格好だ。新江ノ島水族館がオープンしたのが2004年なのだが、私は今回が初めての訪問となる。最後に旧水族館に行ったのは10年以上前と思われる。
自宅から江ノ島までは行き方が複数あるが、今回は大船から湘南モノレールという、個人的には少々懐かしい(=過去これに乗って某社鎌倉製作所へ通勤していた時期がある)路線を選んだ。その前に腹ごしらえをしようと大船の街に降り立って目指したのは「つけめんKOKORO」。事前調査によれば火曜定休だが祝日の場合には営業するとのことであったし、大型連休中はかき入れ時であるから当然の如く営業しているだろうと思っていた。しかし、張り紙も何もなくシャッターは降りていた。
それでも家内はつけめんが良い、とのことで近場のチェーン店で安直に済ますこととした。フランチャイズにしては結構繁盛しているようで店に入った時には二人並んで腰掛けられる席はなかった。数分待ってカウンタ席へ案内される。いかにも今時のラーメンFCという懐古モダンの店内は清潔で活気があるけれど店員には特有の画一感がある。
頼んだのは、家内は辛し味噌つけめん、私はマル得つけめんだ。辛し味噌の方は変わり種メニュー、マル得はいわゆる全部載せメニューだ。スープには柚子(ゆず)を効かせているというのが売りらしいが、果たしてその効果はどんなものなんだろう。
オーダーする時には麺の量と提供時の麺の温度を尋ねられた。
量に関しては小200g、並250g、中盛り350g、大盛り600gとあり、ここまでは基本価格内だ。+100円で特盛750g、+400円で極盛り1500gもチョイスできる。麺の温度は、普通は冷やと熱盛りくらいしか選べないが、ここの場合には熱もり、ぬめり落とし、冷やもり、氷締めから選択できる。このシステムを「締め分け」提供と称しているようだ。因みに私は普通の冷や盛り、家内は熱盛りを頼んだ。
オーダーしてから15分位であろうか、つけ麺がサーブされた。意外に待たされたという感じ。見た目には今流行のスタンダードなつけ麺の範疇に入るであろう。麺は白くて細饂飩のような感じで目には涼やかに映る。
辛し味噌の方だが、スープの味付け、特に塩分はしっかりと付いていてパンチは効いている。
しかし味噌? と問われると明確には分からない程度の濃さだ。辛さは劇的ではなくバランス的には中庸を行く刺激であり、ちょっと酸味も感じられるこの味ならば一般的な女性でも苦痛なく食べられるであろう。麺との絡みも悪くなく無難な一品と言えようか。
マル得の方は醤油ベースと思われるスープで、豚骨と魚介が煮込まれ、そして僅かな粘性はベジポタ的な手法で得ているもので、割とあっさり・すっきりとした味だ。ガツンと来る動物系のエキスや強烈に香る魚粉系ではなくてサラサラした感触の、ある意味品の良い出来上がりだ。スープ椀にはモヤシを始め多彩な野菜が沈んでいてヘルシーな感じ。
スープに感じられるほんのりとした甘みはこの野菜から沁み出たエキスかも知れない。麺はこのスープに合わせるには腰が強く、単体での旨味・喉越しはかなり良好。スープの方にもう少しパンチというか動物エキスの芯の強さが欲しいところだ。売りである柚子風味は言われないと分からない程度であって、酸味が柚子に由来するということが分からなければ単なる甘酸っぱいスープなのだ。
トッピングの味玉、チャーシュー、海苔は別皿でサーブされる。メンマは大きめの拍子木切りで柔らかいが繊維質を残したもの。これは上質ではあるが業務用と思われるもの。チャーシューは柔らかくて繊細な味付け、そしてホロホロに崩れる寸前の柔らかい品で美味しい。味玉は今時のスタンダードで、黄身はべっ甲状の仕上がりだ。
トータルすれば悪くはないつけ麺だが、これといった特徴を捉えるのが難しく、そして無難で穏やか過ぎる味の設定と言えよう。従ってこの値段は少々割高に感じてしまう。良い意味でも悪い意味でもチェーン店であることを意識してしまうつけ麺であった。
三ツ矢堂製麺 大船店
鎌倉市大船1-22-25 ヴィコロIIビル1F
電話: 0467-39-6829
営業: 11:00~23:00
定休: 無休
最寄: JR、湘南モノレール大船2分
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