2011年 04月 17日
Dusapin: 7 Solos for Orchestra@Pascal Rophé/Liège PO. |
naiveから昨秋リリースのデュサパンの作品で、ソロじゃないのにソロという名称の連作オーケストラ曲だ。二枚組の通常CDで、naiveとしては珍しく紙ジャケではなくプラケースによる装幀となっている。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3878873
Dusapin - 7 Solos for Orchestra
Go (solo no.1)
Extenso (solo no.2)
Apex (solo no.3)
Clam (solo no.4)
Exeo (solo no.5)
Reverso (solo no.6)
Uncut (solo no.7)
Orchestre de Liège Wallonie Bruxelles, Pascal Rophé
・デュサパン: オーケストラのための7つのソロ
CD1:
go(ソロ第1番)
extenso(ソロ第2番)
apex(ソロ第3番)
clam(ソロ第4番)
CD2:
exeo(ソロ第5番)
reverso(ソロ第6番)
uncut(ソロ第7番)
リエージュ・ワロニー・ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団(リエージュ・フィル)
パスカル・ロフェ(指揮)
naiveは、今日において最も興味深く、そして多作の作曲家のひとりであるデュサパンとコラボレートすることを決めており、今回のこの"Seven Solos for Orchestra"と題する彼の新しい交響曲的な作品もその一環である。
指揮者であるパスカル・ロフェはこの作品の録音に際して指名したのは、ベルギーで最も素晴らしいと認知されるオーケストラ、"Orchestre de Liège Wallonie Bruxelles"であった。
"Seven Solos for Orchestra"はオーケストラを一挺の独奏楽器とみなして演奏させることを意図する作品集という。この7のチクルスは1991年に"go"から始められて、2008年の"uncut"まで続いた。初演はパリのthe Cité de la Musiqueで、2009年3月27日に行われた。
尚、今回のこの交響的作品と同時に彼の協奏曲(MO782181)も再発売となっている。
オケを一挺の独奏楽器に見立てるというのが最初は良く分からなかったが、確かに色彩感や規模感などオーケストレーションならではの煌びやかな特徴は見られず、そして音の数が明らかに少なく感じられるのだ。明確な和声・和音が下支えするような、いわゆる世に言う通奏低音を中心とした伴奏部は現れず、重苦しい対旋律が終始全体を支配しているのみだ。ここに時折パーカッションが鋭敏な拍を挿入しつつドップリと暗く、そして地を這うような純朴な主旋律が流れていくのだ。そういった点においては独奏の弦楽器、特にVnやVa、Vcの無伴奏作品に似たところがあって、精々がダブルストップで低域弦を重畳する程度のシンプルな疑似和声がメインで、「ソロ」と名付けられた由来は確かに理解できる。要するにポリフォニーで構築された作品なのだがモノフォニー、いや、音数極小のユニゾンに感じられてしまうところが肝なのだろう。
一枚目のgo~clamと、二枚目のexeo~uncutではちょっとだけ作風が変わっている。一枚目の4作品はそれぞれ、動・静・静・動の展開を見せるが、それぞれの音の数は全般に少なく、かつ離散的な旋律を刻む。音の密度的には高くはなくて、空間というか音の隙間を頭内で仮想合成して和声を感じ取るような趣向となっている。どちらかというと二枚目の方が個人的には好きだ。というのは一枚目の作品群には余り見られない求道的で耳に残りやすい主旋律のリフレインが多用されており、「これでもか!」というほど同じパートが繰り返し演奏され、そして少しずつ対旋律が姿を変えつつ重層的、かつ重苦しく展開していく。そういった点においては後者の方が音数は少し多い気がする。reversoには鐘やスチールドラムが登場し、後半にはラテンっぽい現代ドラムセットも加わって、暗いけれど乗りの良いパートも入っていて楽しめる。
不思議な音楽だが、これはいわゆる12音技法やトーンクラスタといった難解極まりない現代音楽に分類される作品ではない。現代における前衛的なクラシックと分類すべき新しい作風であって、不快で耳を劈くようなノイジーなものではないから心配は不要だ。但し、古典波やロマン派、更にはジャズやロック、ポップス調の曲が備える一般的な音楽テクスチャは一切含まれないので、この長大な作品を耳に馴染ませて作者の意図するイメージを固着させるためにはある程度の時間が必要と考える。
(録音評)
naive、MO782180、通常CD二枚組。録音時期:2008-2009年、場所はThe Salle Philharmonique at Liège, Belgiumとある。プロデューサー:Aline Blondiau、トーンマイスター:Hugues Deschaux、録音システムは、マイクがDPA、Violet Design、AKG他、プリアンプがMillenia、Grace Design、ADコンバータはEMM LabsとMytek、レコーダーがPyramixとある。
このCDの特異な点は録音レベルが極めて高いことで、通常聴取のボリューム位置では爆音となってしまう。しかし、音質は極めて優秀で、空間の透過的な深い見通しと、非常に微細な楽器のディテール捕捉、ハイスピードでシャープ、そして圧倒的なワイドレンジは群を抜く出来映え。作品の意図であるポリフォニーから力強いユニゾンへの変換、といった事を反映してか録音の方もまた鮮烈で仄暗い超優秀録音である。
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/3878873
Dusapin - 7 Solos for Orchestra
Go (solo no.1)
Extenso (solo no.2)
Apex (solo no.3)
Clam (solo no.4)
Exeo (solo no.5)
Reverso (solo no.6)
Uncut (solo no.7)
Orchestre de Liège Wallonie Bruxelles, Pascal Rophé
・デュサパン: オーケストラのための7つのソロ
CD1:
go(ソロ第1番)
extenso(ソロ第2番)
apex(ソロ第3番)
clam(ソロ第4番)
CD2:
exeo(ソロ第5番)
reverso(ソロ第6番)
uncut(ソロ第7番)
リエージュ・ワロニー・ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団(リエージュ・フィル)
パスカル・ロフェ(指揮)
naiveは、今日において最も興味深く、そして多作の作曲家のひとりであるデュサパンとコラボレートすることを決めており、今回のこの"Seven Solos for Orchestra"と題する彼の新しい交響曲的な作品もその一環である。
指揮者であるパスカル・ロフェはこの作品の録音に際して指名したのは、ベルギーで最も素晴らしいと認知されるオーケストラ、"Orchestre de Liège Wallonie Bruxelles"であった。
"Seven Solos for Orchestra"はオーケストラを一挺の独奏楽器とみなして演奏させることを意図する作品集という。この7のチクルスは1991年に"go"から始められて、2008年の"uncut"まで続いた。初演はパリのthe Cité de la Musiqueで、2009年3月27日に行われた。
尚、今回のこの交響的作品と同時に彼の協奏曲(MO782181)も再発売となっている。
オケを一挺の独奏楽器に見立てるというのが最初は良く分からなかったが、確かに色彩感や規模感などオーケストレーションならではの煌びやかな特徴は見られず、そして音の数が明らかに少なく感じられるのだ。明確な和声・和音が下支えするような、いわゆる世に言う通奏低音を中心とした伴奏部は現れず、重苦しい対旋律が終始全体を支配しているのみだ。ここに時折パーカッションが鋭敏な拍を挿入しつつドップリと暗く、そして地を這うような純朴な主旋律が流れていくのだ。そういった点においては独奏の弦楽器、特にVnやVa、Vcの無伴奏作品に似たところがあって、精々がダブルストップで低域弦を重畳する程度のシンプルな疑似和声がメインで、「ソロ」と名付けられた由来は確かに理解できる。要するにポリフォニーで構築された作品なのだがモノフォニー、いや、音数極小のユニゾンに感じられてしまうところが肝なのだろう。
一枚目のgo~clamと、二枚目のexeo~uncutではちょっとだけ作風が変わっている。一枚目の4作品はそれぞれ、動・静・静・動の展開を見せるが、それぞれの音の数は全般に少なく、かつ離散的な旋律を刻む。音の密度的には高くはなくて、空間というか音の隙間を頭内で仮想合成して和声を感じ取るような趣向となっている。どちらかというと二枚目の方が個人的には好きだ。というのは一枚目の作品群には余り見られない求道的で耳に残りやすい主旋律のリフレインが多用されており、「これでもか!」というほど同じパートが繰り返し演奏され、そして少しずつ対旋律が姿を変えつつ重層的、かつ重苦しく展開していく。そういった点においては後者の方が音数は少し多い気がする。reversoには鐘やスチールドラムが登場し、後半にはラテンっぽい現代ドラムセットも加わって、暗いけれど乗りの良いパートも入っていて楽しめる。
不思議な音楽だが、これはいわゆる12音技法やトーンクラスタといった難解極まりない現代音楽に分類される作品ではない。現代における前衛的なクラシックと分類すべき新しい作風であって、不快で耳を劈くようなノイジーなものではないから心配は不要だ。但し、古典波やロマン派、更にはジャズやロック、ポップス調の曲が備える一般的な音楽テクスチャは一切含まれないので、この長大な作品を耳に馴染ませて作者の意図するイメージを固着させるためにはある程度の時間が必要と考える。
(録音評)
naive、MO782180、通常CD二枚組。録音時期:2008-2009年、場所はThe Salle Philharmonique at Liège, Belgiumとある。プロデューサー:Aline Blondiau、トーンマイスター:Hugues Deschaux、録音システムは、マイクがDPA、Violet Design、AKG他、プリアンプがMillenia、Grace Design、ADコンバータはEMM LabsとMytek、レコーダーがPyramixとある。
このCDの特異な点は録音レベルが極めて高いことで、通常聴取のボリューム位置では爆音となってしまう。しかし、音質は極めて優秀で、空間の透過的な深い見通しと、非常に微細な楽器のディテール捕捉、ハイスピードでシャープ、そして圧倒的なワイドレンジは群を抜く出来映え。作品の意図であるポリフォニーから力強いユニゾンへの変換、といった事を反映してか録音の方もまた鮮烈で仄暗い超優秀録音である。
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by primex64
| 2011-04-17 12:39
| Orchestral
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