CELL REGZA - 2 |
CELL BOXはテレビ受像器のチューナー部という位置付けだが、実際にはこの中味はLinuxマシンそのものだ。受像のための選局・検波機構(つまりチューナー・カード)こそハードウェアとして独立して存在しているが、後は全て巨大なソフトウェアの中で演算処理されるという近未来型テレビといえる。チューナー・カードは地デジ11枚、CS/BSデジタル用2枚(55X1に設定されていた地上アナログチューナーは廃止された)と、同時受信数が13チャンネルとなっており、タイムシフトマシンによる地デジのストリーミング録画、及び、それをしながらCS/BSからの別立ての同時録画など、殆ど制約のないシームレスな録画/再生環境を実現している。
マルチウェイのスピーカーにもお金を掛けていて、特注で作ったONKYO製ユニットを搭載したそこそこの音質のオーディオシステムもまた自慢なのである。しかし我が家の場合にはCELL BOXからMark Levinson No.38Lへ引き入れた後は通常のオーディオ・システムのラインに乗るので無用の長物と化している。
画像だが、前述の通り明暗のダイナミックレンジはフラッグシップに比肩できるような代物ではないのが残念なところ。だが、超解像アルゴリズム等の画像処理ソフトウェアは共通なので、ディテールや発色は思ったよりは綺麗で自然、その辺のテレビには負けない緻密さだと思われる。色合いについては昔からの東芝の伝統で、思いっきり細かな設定まで可能となっているので凝ればどこまでも調整が可能となっている。しかもこれらはソフトウェア的に行われるのでプリセット値のリコールや部分リセットなど思うがままの便利さである。
最初から調整せずに大まかな好みに合わせられるモードが5~6個設定されていて、そのうちの「おまかせ」「あざやか」「標準」で大体事足りると思われる。因みに「あざやか」にセットするとパナソニック製のVIERAに馴れた人にも違和感のないベタ塗り彩色へワンタッチで切り替わるという心憎い配慮までしてある。「標準」は地味で、かつ過度な演色が全く乗らない東芝伝統の色合いであり、このモードでの人肌の再現が最も自然だ。その代わり、局側の制作クォリティがあからさまに分かってしまうため、巧妙なプログラムはより美しく、しかし下手くそな画像は目も当てられないくらい汚く再生されてしまうという欠点がある。
(続く)
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