2011年 03月 15日
地震 そして帰宅難民 - Part 3 |
多くの帰宅難民と共に南下すると真っ暗闇も不思議と恐くはなくて、何となく仲間意識が芽生えるものだ。iPhoneを片手に情報収集しながら同一方向を目指す青年、なぜかちゃんと繋がるauのガラケーでずっと話をしながら歩く中年女性、そして年はかなり行っているがニコニコと相好を崩し続ける好々爺など、ありとあらゆる人たちが歩いている。
真っ暗な交差点にぶつかると警官が立っていて止められる。そうすると「車が優先なのか??!!」などと野次る声がする。それに呼応して好々爺が「そうだそうだ!!」と繋ぐ。思わず周辺はどっと湧く。ゴーサインが出て横断歩道を渡るとみな打ち解けてしまい、ずっと以前からの知り合いのように優しく声を掛け合うのである。集団の中の一人二人と脇に逸れて自宅に着くという光景を目の当たりにする。みな背中に安堵の表情が出ている。きっと明るく暖かい家庭が彼ら彼女らを待っているのであろう。
会社から持って来たペットボトルの水が底をついていた。さっきから何軒もコンビニの前を通り過ぎていたが、真っ暗なので店は閉まっているものと思っていた。しかし、この川崎市管内のコンビニは殆どが営業中であり、店員が真っ暗な入り口に立って物販していたことに後で気がついた。で、いらっしゃいませ!との声に引かれて、水を買うことに。じゃあ・・ということで近付くと手回し発電機にLEDランプを付けた器具をギュインギュイン廻してかごに入れた商品を照らし出す。105円のセブンイレブン・ブランドの水を買った。精算する時にもギュインギュイン廻して小銭入れの中を照らし出してくれて助かった。ペットボトルを手にしてから、何時から停電? と訊いたら3:00前の第一波の直後に電気が消えてそれっきりだという。LEDランプ越しに見る青年店員の顔は明らかに疲れていた。水を一口含んで飲み干したらちょっと元気が出て来た・・。
気がつくと元住吉を越えて慶応大学の日吉キャンパスを望む坂を登っていた。街の中は停電で真っ暗だが、川を渡る辺りで東横線の車両が車内の蛍光灯を煌々と光らせながらゆっくりと渋谷方面へと進んで行く。真っ暗な背景に真っ白い光を帯びた電車が行き過ぎるのは余りに衝撃的だった。
いよいよか・・・、と思って渋滞する綱島街道を渡って日吉駅の改札へと向かう。広いピロティは遅い時間にも拘わらず夥しい人々が屯していて昼間のような喧騒だ。駅員を捕まえて、いつ運転再開する? と訊くと、やはり返事は保守的で、異常がなければ数時間以内に再開、異常が見つかれば目処は立たない、との画一的な返答だった。時計を見たら21:10だった。丸子橋からはちょうど一時間が経過していたこととなる。この間、割と近いようで距離はある。
きびすを返して綱島街道へ戻り帰路を急ぐ。停電している暗闇に戻って更に南下する。
(続く)
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真っ暗な交差点にぶつかると警官が立っていて止められる。そうすると「車が優先なのか??!!」などと野次る声がする。それに呼応して好々爺が「そうだそうだ!!」と繋ぐ。思わず周辺はどっと湧く。ゴーサインが出て横断歩道を渡るとみな打ち解けてしまい、ずっと以前からの知り合いのように優しく声を掛け合うのである。集団の中の一人二人と脇に逸れて自宅に着くという光景を目の当たりにする。みな背中に安堵の表情が出ている。きっと明るく暖かい家庭が彼ら彼女らを待っているのであろう。
会社から持って来たペットボトルの水が底をついていた。さっきから何軒もコンビニの前を通り過ぎていたが、真っ暗なので店は閉まっているものと思っていた。しかし、この川崎市管内のコンビニは殆どが営業中であり、店員が真っ暗な入り口に立って物販していたことに後で気がついた。で、いらっしゃいませ!との声に引かれて、水を買うことに。じゃあ・・ということで近付くと手回し発電機にLEDランプを付けた器具をギュインギュイン廻してかごに入れた商品を照らし出す。105円のセブンイレブン・ブランドの水を買った。精算する時にもギュインギュイン廻して小銭入れの中を照らし出してくれて助かった。ペットボトルを手にしてから、何時から停電? と訊いたら3:00前の第一波の直後に電気が消えてそれっきりだという。LEDランプ越しに見る青年店員の顔は明らかに疲れていた。水を一口含んで飲み干したらちょっと元気が出て来た・・。
気がつくと元住吉を越えて慶応大学の日吉キャンパスを望む坂を登っていた。街の中は停電で真っ暗だが、川を渡る辺りで東横線の車両が車内の蛍光灯を煌々と光らせながらゆっくりと渋谷方面へと進んで行く。真っ暗な背景に真っ白い光を帯びた電車が行き過ぎるのは余りに衝撃的だった。
いよいよか・・・、と思って渋滞する綱島街道を渡って日吉駅の改札へと向かう。広いピロティは遅い時間にも拘わらず夥しい人々が屯していて昼間のような喧騒だ。駅員を捕まえて、いつ運転再開する? と訊くと、やはり返事は保守的で、異常がなければ数時間以内に再開、異常が見つかれば目処は立たない、との画一的な返答だった。時計を見たら21:10だった。丸子橋からはちょうど一時間が経過していたこととなる。この間、割と近いようで距離はある。
きびすを返して綱島街道へ戻り帰路を急ぐ。停電している暗闇に戻って更に南下する。
(続く)

by primex64
| 2011-03-15 00:19
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