2011年 03月 14日
地震 そして帰宅難民 - Part 2 |
田園調布警察署の前には公衆電話が数台設置され、ここも長蛇の列だ。気忙しそうに、そして手短に相手に安否を伝えて次の人に譲るという各自の冷静な行動が印象的だ。取り乱すような人はおらず、現状を淡々と捉えてのテキパキとした動きはさすが良識を備えた日本人だと感じ入った。
ここは目の前が環八通りの交差点となっているが、ワゴンの警察車両が交差点内に数台停められており交通規制が行われている。環八の上下線から中原街道下り線への進入を阻止している。そして中原街道を進んできた車にも丸子橋への進入を諦めて上流または下流へ環八を使って移動して迂回するようメガホンを使って呼びかけている。そういった状況を尻目に更に坂を下って一気に丸子橋に到達した。強く冷たい風が吹きすさぶ橋詰めの交差点には警官が多数立って多摩川堤の道からの車の進入を阻止し、そして上下線を行く歩行者を捌くのに四苦八苦の様子だ。時計を見たら20:10だった。トイレ休憩も取ったので時間は少々ロスした計算となる。
丸子橋の歩行者レーンには脇の堤道路からも流入する都内から神奈川を目指す一群と、逆に神奈川から都内を目指す一群とが整然と行き交う状況であり、やはり人の数は非常に多い。自転車で通る人も目立ち始め、速度を上げて脇を通られるとちょっと恐いが降りて手で引いていく人達もいてこの安全動作には感心する。川の真上の風は想像以上に強く、しっかりと踏ん張っていないと持って行かれそうになり上半身を屈め気味に歩幅を小さく刻んで進む。この時ばかりは多摩川の川幅は非常に広いと感じた。
渡り終えて下り坂となると景色と気配がちょっと異様だ。まず、いつも明るく点灯しているオレンジ色のナトリウム灯が消えている。最初の信号は右が茅ヶ崎方面へ向かう中原街道、そして左が横浜へと通じる綱島街道となる二股交差点になるわけだが、ここの信号はちゃんと稼働している。赤信号を待っている脇に黒い設備用の箱があって、これがブルブルと轟音を発しているし、排気ガスの臭いが強く薫ってくる。つまり、自家発電でこの信号が動いているのである。こういった黒い箱を大きな交差点で見掛けることがあったのだが、実はあの中には小型のディーゼルエンジンが入っていて発電するという仕組みだったと思い知る。なるほど・・。
中原街道の川崎側から丸子橋に向かう車両がひっきりなしに左折してくる。こちらの歩行者信号が赤のあいだじゅう色んな車が目の前を曲がっていくが、そのうち渋滞を起こして交差点の真ん中で停まってしまう。そうこうしているうちにこちらの信号が青になって、多摩川側で待っている人も反対側で待っている人も堰を切ったように交差点に雪崩れ込む。交差点のど真ん中を小走りに駆け抜けていく若者もいる。すれ違う一群の会話が一瞬聞こえたが、関内から3時間も歩き続けてようやく多摩川だという。こっちも似たようなものだ・・。大体、普通に歩くと1キロは15分ほど掛かる計算だ。
綱島街道に入っても車道の渋滞は酷いままだが、暫く歩を進めるとこの辺一体は停電しているということに気がつく。ビルによっては常夜灯が点いているが窓は真っ暗。たまたま煌々と灯りが点いているのは銀行ATM、それと自家発電を備えたデータセンター系のビルだけということに気がつく。そして、次の信号もその次の信号も消えていて全く機能していない。左右の取付道路から車が本線に入り込むが、信号がないのでズルズルと鈍足で合流する。本線側の車も仕方なく入れてやるという感じで、大きな混乱はないものの更に渋滞の度合いを深めているようだ。もうすぐ元住吉、という地点では後ろから一寸摺りで来ていた川崎市営バスが停留所ではないところで客を降ろした。その客はうずくまってしまって苦しそうだったが、連れも一緒に降りて介抱している風だった。こちらは歩を止めて手伝おうかとも思ったが既に後方の彼方だったし、後ろから歩行者がどんどん来るため断念。
(続く)
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ここは目の前が環八通りの交差点となっているが、ワゴンの警察車両が交差点内に数台停められており交通規制が行われている。環八の上下線から中原街道下り線への進入を阻止している。そして中原街道を進んできた車にも丸子橋への進入を諦めて上流または下流へ環八を使って移動して迂回するようメガホンを使って呼びかけている。そういった状況を尻目に更に坂を下って一気に丸子橋に到達した。強く冷たい風が吹きすさぶ橋詰めの交差点には警官が多数立って多摩川堤の道からの車の進入を阻止し、そして上下線を行く歩行者を捌くのに四苦八苦の様子だ。時計を見たら20:10だった。トイレ休憩も取ったので時間は少々ロスした計算となる。
丸子橋の歩行者レーンには脇の堤道路からも流入する都内から神奈川を目指す一群と、逆に神奈川から都内を目指す一群とが整然と行き交う状況であり、やはり人の数は非常に多い。自転車で通る人も目立ち始め、速度を上げて脇を通られるとちょっと恐いが降りて手で引いていく人達もいてこの安全動作には感心する。川の真上の風は想像以上に強く、しっかりと踏ん張っていないと持って行かれそうになり上半身を屈め気味に歩幅を小さく刻んで進む。この時ばかりは多摩川の川幅は非常に広いと感じた。
渡り終えて下り坂となると景色と気配がちょっと異様だ。まず、いつも明るく点灯しているオレンジ色のナトリウム灯が消えている。最初の信号は右が茅ヶ崎方面へ向かう中原街道、そして左が横浜へと通じる綱島街道となる二股交差点になるわけだが、ここの信号はちゃんと稼働している。赤信号を待っている脇に黒い設備用の箱があって、これがブルブルと轟音を発しているし、排気ガスの臭いが強く薫ってくる。つまり、自家発電でこの信号が動いているのである。こういった黒い箱を大きな交差点で見掛けることがあったのだが、実はあの中には小型のディーゼルエンジンが入っていて発電するという仕組みだったと思い知る。なるほど・・。
中原街道の川崎側から丸子橋に向かう車両がひっきりなしに左折してくる。こちらの歩行者信号が赤のあいだじゅう色んな車が目の前を曲がっていくが、そのうち渋滞を起こして交差点の真ん中で停まってしまう。そうこうしているうちにこちらの信号が青になって、多摩川側で待っている人も反対側で待っている人も堰を切ったように交差点に雪崩れ込む。交差点のど真ん中を小走りに駆け抜けていく若者もいる。すれ違う一群の会話が一瞬聞こえたが、関内から3時間も歩き続けてようやく多摩川だという。こっちも似たようなものだ・・。大体、普通に歩くと1キロは15分ほど掛かる計算だ。
綱島街道に入っても車道の渋滞は酷いままだが、暫く歩を進めるとこの辺一体は停電しているということに気がつく。ビルによっては常夜灯が点いているが窓は真っ暗。たまたま煌々と灯りが点いているのは銀行ATM、それと自家発電を備えたデータセンター系のビルだけということに気がつく。そして、次の信号もその次の信号も消えていて全く機能していない。左右の取付道路から車が本線に入り込むが、信号がないのでズルズルと鈍足で合流する。本線側の車も仕方なく入れてやるという感じで、大きな混乱はないものの更に渋滞の度合いを深めているようだ。もうすぐ元住吉、という地点では後ろから一寸摺りで来ていた川崎市営バスが停留所ではないところで客を降ろした。その客はうずくまってしまって苦しそうだったが、連れも一緒に降りて介抱している風だった。こちらは歩を止めて手伝おうかとも思ったが既に後方の彼方だったし、後ろから歩行者がどんどん来るため断念。
(続く)

by primex64
| 2011-03-14 00:28
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