2011年 03月 06日
The Cherry Tree@Anonymous 4 |
昨年秋のHarmonia Mundi USAのリリースでSACDハイブリッド。英国における古典的なクリスマスキャロルを集めたアカペラ集だ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3889409
The Cherry Tree
14th & 15th Century English Christmas Carols & Early Americana
1. Prophetarum Presignata
2. Nowel Syng We Bothe Al And Som
3. Alma Redemptoris Mater
4. The Shepherd's Star
5. Newell - Tydings Trew
6. Mervele Noght Losep
7. Synge We To This Mery Cumpane
8. Qui Creavit Celum
9. A Virdin Unspotted
10. Now May We Syngyn
11. Lullay My Child - This Ender Nithgt
12. Star In The East
13. Veni Redemptor Gencium
14. The Cherry Tree Carol
15. Salve Mater Misericodie
16. Hail Mary Ful Of Grace
17. Bethlehem
Anonymous 4(Chor)
The Cherry Tree Carolsに関しては、国内では余り有名ではないので検索してもそれほどの情報は得られなく、やはりWikiを参照するのが良さそう。詳細はWikiに譲るが、掻い摘むと、イエス・キリストの形式上(=マリアは処女懐妊したとされるわけだから・・)の父親とされるヨゼフが既に身籠もっている聖母マリアとサクランボ畑を散策している時の話から始まる寓話だ。マリアがサクランボを一つ枝から揉いで取ってくれとヨゼフに頼んだ時、ヨゼフは、その腹を懐妊させた奴に頼めばいいだろうと冷徹に突き放したという。すると、腹の中のキリストは、マリアに手渡すために一番高い桜の木に向かって「撓め!」と指令したという。そこから話が続いて膨らんで、予言者としてのイエスの物語が続いていく・・。
こういった愚にもつかない(?)内容を訥々と綴るテキストはともかくとして、シンプルで無駄のない美しい旋律、そして純朴で飾らない和声がなんとも人の心を揺さぶるのである。キャロルは女声4声による合唱、バラードは独唱である。メロディは憂愁を湛えていて仄暗く、そして底辺には土着の強さと確固たるキリストへの信仰があって、何度か聴いていると癖になる習慣性が潜んでいるようである。ここまで単純化された中世欧州の歌曲は、日本の地方で歌い継がれる民謡、例えば越中おわらなどと共通する詫びた風情が感じられて興味深いものがある。つまり、体系化された音楽としての体を為す前の祈りとは、実は豊穣を願う農村・里山の民謡と根底に流れるイメージは似ているのかも知れない。
このアノニマス4という女声4部合唱グループは極めて巧い。ベルカントでもドイツ・リートでもなく、そして現代的なポップス歌唱でもないが、極めて透明度の高い、とても通る声質で聖なる古典曲を歌い上げる。
(録音評)
Harmonia Mundi USA、HMU807453、SACDハイブリッド。例によって、Robina G. Youngのプロデュース、音質は典型的なこのレーベルのものを更に越える超絶的な超優秀録音。中庸に位置するアノニマス4を極めてリアルに、しかもその場に居合わせるかの臨場感が凄い作品であり、アカペラとしては最少人員にして極めて革新的な録音技法といえる。人間の声の豊かさ、表情の多様さ、そして喉という発声器官がいかに可能性を秘めたものなのかを思い知る一枚。こういった恐ろしいソースにかかるとリニアリティに問題のある箇所がたちどころに暴かれてしまう。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3889409
The Cherry Tree
14th & 15th Century English Christmas Carols & Early Americana
1. Prophetarum Presignata
2. Nowel Syng We Bothe Al And Som
3. Alma Redemptoris Mater
4. The Shepherd's Star
5. Newell - Tydings Trew
6. Mervele Noght Losep
7. Synge We To This Mery Cumpane
8. Qui Creavit Celum
9. A Virdin Unspotted
10. Now May We Syngyn
11. Lullay My Child - This Ender Nithgt
12. Star In The East
13. Veni Redemptor Gencium
14. The Cherry Tree Carol
15. Salve Mater Misericodie
16. Hail Mary Ful Of Grace
17. Bethlehem
Anonymous 4(Chor)
The Cherry Tree Carolsに関しては、国内では余り有名ではないので検索してもそれほどの情報は得られなく、やはりWikiを参照するのが良さそう。詳細はWikiに譲るが、掻い摘むと、イエス・キリストの形式上(=マリアは処女懐妊したとされるわけだから・・)の父親とされるヨゼフが既に身籠もっている聖母マリアとサクランボ畑を散策している時の話から始まる寓話だ。マリアがサクランボを一つ枝から揉いで取ってくれとヨゼフに頼んだ時、ヨゼフは、その腹を懐妊させた奴に頼めばいいだろうと冷徹に突き放したという。すると、腹の中のキリストは、マリアに手渡すために一番高い桜の木に向かって「撓め!」と指令したという。そこから話が続いて膨らんで、予言者としてのイエスの物語が続いていく・・。
こういった愚にもつかない(?)内容を訥々と綴るテキストはともかくとして、シンプルで無駄のない美しい旋律、そして純朴で飾らない和声がなんとも人の心を揺さぶるのである。キャロルは女声4声による合唱、バラードは独唱である。メロディは憂愁を湛えていて仄暗く、そして底辺には土着の強さと確固たるキリストへの信仰があって、何度か聴いていると癖になる習慣性が潜んでいるようである。ここまで単純化された中世欧州の歌曲は、日本の地方で歌い継がれる民謡、例えば越中おわらなどと共通する詫びた風情が感じられて興味深いものがある。つまり、体系化された音楽としての体を為す前の祈りとは、実は豊穣を願う農村・里山の民謡と根底に流れるイメージは似ているのかも知れない。
このアノニマス4という女声4部合唱グループは極めて巧い。ベルカントでもドイツ・リートでもなく、そして現代的なポップス歌唱でもないが、極めて透明度の高い、とても通る声質で聖なる古典曲を歌い上げる。
(録音評)
Harmonia Mundi USA、HMU807453、SACDハイブリッド。例によって、Robina G. Youngのプロデュース、音質は典型的なこのレーベルのものを更に越える超絶的な超優秀録音。中庸に位置するアノニマス4を極めてリアルに、しかもその場に居合わせるかの臨場感が凄い作品であり、アカペラとしては最少人員にして極めて革新的な録音技法といえる。人間の声の豊かさ、表情の多様さ、そして喉という発声器官がいかに可能性を秘めたものなのかを思い知る一枚。こういった恐ろしいソースにかかるとリニアリティに問題のある箇所がたちどころに暴かれてしまう。
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by primex64
| 2011-03-06 22:43
| Vocal
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