紅葉@国分寺 |
店に入るまでに6~7人の待ちで、結構寒い思いをしつつ辛抱する。店に入ると更に5~6名分の待機席が設けられていて、ここに腰掛ける前に券売機で食券を買うシステムだ。店内は麺を茹で上げる際の強い湿気が渦巻き、ガラス窓には猛烈な結露が見られる。麺は奥で製麺している風であり、通常であれば麺は5種類(太麺・細麺・平打ち麺・変わり麺・和え麺)からチョイスできると書いてある。しかし、ランチタイムには全粒分の中太麺の一種類のみ提供するということらしく。興味のあった太麺にはありつけなかった。
家内は味玉つけ麺、私は全部入りつけ麺(いずれも温盛り)をチョイス。待機席に着くとスタッフが食券を回収に廻る。そして厨房へオーダーを通すメッセージを発するのだ。ということはこの時点から麺茹でに入るので待ち時間もあと僅少というわけだ。そして空いたカウンタへ着席するよう誘導され、水の入ったコップが出ると殆ど間髪置かずに漬け汁、そして麺がサーブされる。
サーブされた漬け汁の器は瑠璃色の見慣れたもので、これは六角橋の仁鍛などで使用しているものと同じ仕様だ。そして、スープであるが、やはり六厘舎系列であって、トレンドとしては器と同様に仁鍛と酷似している。動物魚介のダブルではあるが、動物のフレーバーが勝っており魚介の方は控えめな効かせ方となっていてこれも直近の仁鍛と同じ方向性だ。
一点だけ異なるのはその糖度で、結構甘い味付けである。しかし、甘いのであるが塩分も相当量が潜在していると思われ、この強いフックが人々の心を掴んでいるものと思われる。
麺は自家製を謳う全粒粉入りの中太で少し黒っぽく、この太さも色合いも仁鍛と同等で逆に違和感は全くない。
フックの効いた塩分と粘度とによりこの中太の麺がスープとの絡み良く、そしてワシワシと喉を降りていく。不思議と甘みが邪魔することなく、寧ろ潤滑剤として奏功したのか非常に美味に感じるのだ。全部入りに付いているチャーシューは厚切りのモモ部位であり柔らかく噛み応えも良好で秀逸な出来映え。更にスープの底には拍子木切りのチャーシューが沢山沈んでいる。
そしてちょっと固めでコリコリとした食感が楽しいメンマが大勝軒と同じくらい多量に載っておりこれは嬉しい限りだ。
味玉の完成度も申し分なく、半分に割っても卵黄がスープへと流出することはなく、かといって固茹ででもない霊妙な寸止め状態で仕上がっている。
中サイズのぱりぱりの海苔は4枚と豪勢、そしてこの海苔の風味が抜群であって麺を巻いて口に運ぶと磯の香りが充満するのだ。
カウンタには玉葱の微塵切り、そして酸橘(すだち)、特製の生姜などの壺が常備され、好みに応じて味が変えられるように説明も添えて工夫されている。
最初は一味唐辛子以外なにも添加せずに戴いていたが、この時点ではなんら不満を覚えることなく美味しく戴いた。途中、説明書きに従って麺に酸橘を絞り、そしてスープに玉葱、生姜を投入すると、驚くほど深い味に変貌するのである。
そうは言っても全体の味や風味のバランスが変わるわけではなく、変化量は極少ない。
トータルバランスのとれた大勝軒→六厘舎系列のつけ麺であり、そしてスープの深み・風味・旨味のバランスも極めて良好。麺の腰、風味、喉越しも相当にハイレベルであり、スープとの相性も抜群だ。
ただ、この強い甘みをどう評価するか、という点だけが課題だろう。
紅葉 (もみじ)
東京都国分寺市本町2-2-15
電話: 042-326-3201
営業:
平日: 17:45〜22:30
日祝: 11:30〜21:00
定休: 月曜、火曜
最寄: JR国分寺3分
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