2010年 11月 14日
Maria×Maria@N.Kamiya Etc |
レコード屋の店頭、特にクラシック売場はそろそろクリスマス商戦ということで、アリアやカンタータ、モテットや賛美歌などがたくさん陳列されている。これらに混ざって男性コーラスシンガー(プリーストなど)たちの盤が今年は売れているようだ。
そういったなか、滅多に立ち寄らないヒーリング音楽の棚で目に付いたのがこれ。横浜・日吉に本拠を構える高音質マイナーレーベル、マイスター・ミュージックから先月リリースされたコンピレーション盤で、様々な作家が書いたアヴェ・マリアだけを集めたもの。ジャケットはMIRAREのバロック・シリーズかと錯覚してしまうほど雰囲気が似ている。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3910579
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア
カッチーニのアヴェ・マリア(池田 昭子 イングリッシュ・ホルン)
F.シューベルト:アヴェ・マリア (アルディ・サクソフォン・クヮルテット)
J.アルカデルト:アヴェ・マリア (紙屋 信義 パイプ・オルガン)
C.サン=サーンス:アヴェ・マリア(池田 昭子 オーボエ)
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア (ラ・クァルティーナ)
P.マスカーニ:アヴェ・マリア(岡崎 耕治 ファゴット)
F.シューベルト:アヴェ・マリア(クローバーベルフレンズ ハンドベル)
M.ケルビーニ:アヴェ・マリア (紙屋 信義 & 山田 千夏 オルガン連弾)
M.ブルッフ:アヴェ・マリア(藤森 亮一 チェロ)
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア(山田 千夏 ピアノ)
マイスター・ミュージックは、このMaria×Maria以外にもCanon×CanonやChopin×Chopinなどといったヒーリング・シリーズを出している。ヒーリングが主目的ではないだろうが、Recorder×Recorderと題した秀作CDもここで取り上げたことがあるし、今回も録音に参加しているオルガニストの紙屋信義のアルバムもなかなかに楽しめる高音質盤であった。
バッハ(グノー)に関しては合計3種類、シューベルトは2種類の演奏が含まれる。それぞれのアレンジと使用楽器は異なるため、聴き比べという意味においても面白い内容である。
癒しといいつつも紙屋の弾くリリアホールのオルガンのリアルさはしっかりと保持されており、勿論、32フィートのフルー管、コントラ・ズーバスが克明に捉えられている。使用される楽器は、オルガンの他ではサックスや弦楽四部、オーボエ、ファゴット、ピアノなど、およそ室内楽で常用されるものが網羅されており、楽器自体の美しさ、演奏技法の面白さにも触れることが出来る。
どれもが秀逸なトラックであるが、ピアノとファゴットで切々と綴られるマスカーニのアヴェ・マリア(=マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲に後年歌詞が付けられ、俗称としてこう呼ぶようになった=実際の原曲に歌詞は含まれない)が秀逸だ。ファゴットが出すメロディーラインは肉声の歌声に非常に近いものがあると再認識させられる。
また、シューベルトのアヴェ・マリアのハンドベル版がすこぶる優秀。天上の美しさとはこのことを言うのかも知れない。一つ一つの音階を独立したパート奏者がそれぞれ一つないし二つほどのベルを翳して発音するハンドベルによってここまで連綿と滑らかな旋律が得られるとは驚異である。
これからのシーズン、寒い夜長にこのアルバムを静かに聴きながら過ごしたい。
(録音評)
Meister Musicレーベル、MMKK-7030、通常CD。ヒーリングといいつつもかなりの高音質だ。しかも極低音から超高音、そして複雑で豊かなインパルス成分もふんだんに含まれているので再生は思いのほか困難かも知れない。自宅のeAR1001+CS7.2では何のストレスもなく淡々とリアルサウンドが奏でられるが、調整のよくない装置では混変調・混濁が目立つかも知れない。事実、携帯メモリプレーヤーとイヤフォンによる再生では定位も音場拡散も正常には程遠い結果となる。通常の正統的2チャンネル・ステレオフォニック方式で再生すべきソースだ。
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そういったなか、滅多に立ち寄らないヒーリング音楽の棚で目に付いたのがこれ。横浜・日吉に本拠を構える高音質マイナーレーベル、マイスター・ミュージックから先月リリースされたコンピレーション盤で、様々な作家が書いたアヴェ・マリアだけを集めたもの。ジャケットはMIRAREのバロック・シリーズかと錯覚してしまうほど雰囲気が似ている。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3910579
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア
カッチーニのアヴェ・マリア(池田 昭子 イングリッシュ・ホルン)
F.シューベルト:アヴェ・マリア (アルディ・サクソフォン・クヮルテット)
J.アルカデルト:アヴェ・マリア (紙屋 信義 パイプ・オルガン)
C.サン=サーンス:アヴェ・マリア(池田 昭子 オーボエ)
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア (ラ・クァルティーナ)
P.マスカーニ:アヴェ・マリア(岡崎 耕治 ファゴット)
F.シューベルト:アヴェ・マリア(クローバーベルフレンズ ハンドベル)
M.ケルビーニ:アヴェ・マリア (紙屋 信義 & 山田 千夏 オルガン連弾)
M.ブルッフ:アヴェ・マリア(藤森 亮一 チェロ)
J.S.バッハーC.グノー:アヴェ・マリア(山田 千夏 ピアノ)
マイスター・ミュージックは、このMaria×Maria以外にもCanon×CanonやChopin×Chopinなどといったヒーリング・シリーズを出している。ヒーリングが主目的ではないだろうが、Recorder×Recorderと題した秀作CDもここで取り上げたことがあるし、今回も録音に参加しているオルガニストの紙屋信義のアルバムもなかなかに楽しめる高音質盤であった。
バッハ(グノー)に関しては合計3種類、シューベルトは2種類の演奏が含まれる。それぞれのアレンジと使用楽器は異なるため、聴き比べという意味においても面白い内容である。
癒しといいつつも紙屋の弾くリリアホールのオルガンのリアルさはしっかりと保持されており、勿論、32フィートのフルー管、コントラ・ズーバスが克明に捉えられている。使用される楽器は、オルガンの他ではサックスや弦楽四部、オーボエ、ファゴット、ピアノなど、およそ室内楽で常用されるものが網羅されており、楽器自体の美しさ、演奏技法の面白さにも触れることが出来る。
どれもが秀逸なトラックであるが、ピアノとファゴットで切々と綴られるマスカーニのアヴェ・マリア(=マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲に後年歌詞が付けられ、俗称としてこう呼ぶようになった=実際の原曲に歌詞は含まれない)が秀逸だ。ファゴットが出すメロディーラインは肉声の歌声に非常に近いものがあると再認識させられる。
また、シューベルトのアヴェ・マリアのハンドベル版がすこぶる優秀。天上の美しさとはこのことを言うのかも知れない。一つ一つの音階を独立したパート奏者がそれぞれ一つないし二つほどのベルを翳して発音するハンドベルによってここまで連綿と滑らかな旋律が得られるとは驚異である。
これからのシーズン、寒い夜長にこのアルバムを静かに聴きながら過ごしたい。
(録音評)
Meister Musicレーベル、MMKK-7030、通常CD。ヒーリングといいつつもかなりの高音質だ。しかも極低音から超高音、そして複雑で豊かなインパルス成分もふんだんに含まれているので再生は思いのほか困難かも知れない。自宅のeAR1001+CS7.2では何のストレスもなく淡々とリアルサウンドが奏でられるが、調整のよくない装置では混変調・混濁が目立つかも知れない。事実、携帯メモリプレーヤーとイヤフォンによる再生では定位も音場拡散も正常には程遠い結果となる。通常の正統的2チャンネル・ステレオフォニック方式で再生すべきソースだ。

by primex64
| 2010-11-14 11:32
| Compilation
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