2010年 08月 09日
Anne Queffelec plays Chopin@Anne Queffelec |
先週末から一足早いお盆休みをとっている。金曜に富山に入ってから今日まで連日の猛暑日、特に今日は台風の影響からか、南風が吹き降ろすフェーンでたまらない暑さだ。
暫く音楽をゆっくり聴く環境にもなかったが、今日は久しぶりにインプレを書いている。MIRAREの春の新譜で、アンヌ・ケフェレックが録ったショパン作品集。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3772983
ショパン:
・ポロネーズ 変ロ長調KK.IV/1(1817)
・ポロネーズ ト短調S1/1(1817)
・ポロネーズ 変イ長調KK.IV/ a 2(1821)
・マズルカ 変イ長調Op.7-4(1824)
・ポロネーズ ヘ短調Op.71-3(1828)
・ソステヌート 変ホ長調(1840)
・カンタービレ 変ロ長調(1834)
・ノクターン 嬰ハ短調 遺作(1830)
・幻想即興曲 嬰ハ短調Op.66(1834)
・ワルツ ヘ短調 Op.70-2(1841)
・マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3(1841-1842)
・子守歌 変ニ長調Op.57(1843)
・舟歌 嬰ヘ長調Op.60(1845-1846)
・スケルツォ第4番 ホ長調Op.54(1842)
・ワルツ イ短調KK.IVb/11,P2/11
・バラード第4番 ヘ短調Op.52(1842)
・マズルカ イ短調Op.67-4(1848)
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
なんともエレガントでチャーミングなショパンである。もともとが溌剌としながらも繊細で優美な音楽を組み立てるフランス女流の奔りであるケフェレックのショパンはやはり流石と言わざるを得ない完成度だ。このアルバムのテーマはどうやらショパンの望郷の念を一貫してトラッキングしたもののようで、ポーランドの土の香りに未練を残しつつもパリに骨を埋めた不世出のピアノ作家の陰鬱で割り切れない複雑な心情の襞を訥々と描いているようだ。
三拍子系の舞曲の中ではとりわけ民族色が強いとされるマズルカ、そして若年期にポーランドで書かれたマズルカなど、構成としてはちょっと変わっていて、ショパン・イヤーを飾る他のソリストたちの絢爛豪華なアルバムにはない翳りが付き纏っていて個性的だ。
どのトラックも味のあるクイックでシャープな鍵盤捌きで小気味良いが、ノクターン(嬰ハ短調)遺作は濃やかでやるせない情感が支配、幻想即興曲は全体的には肩肘張らないライトな解釈と聴き取れるが、実は彫りの深い大胆な切り込みである。ワルツ(ヘ短調)~マズルカ嬰ハ短調~子守歌を経て舟歌に至る一連の歌い込みは白眉、更にバラード4番のたゆたう風情とケフェレックの超絶的な技巧、および色彩感豊かなピアニズムには溜息が出る。
暦の上では盛夏から秋に入ってはいる。日に日に涼しくなってくるであろう長い夜のひと時にはこのような薫り高いアルバムを掛けて疲れた心を癒したいものだ。
(録音評)
MIRAREレーベル、MIR096、通常CD。録音は2009年11月、場所はMIRAREのお得意、仏リモーザン県のLa Ferme de Villefavardの木質系小ホール=ルミエール。音質は中庸を行く落ち着いたもので、僅かに暖色系へ振った調音だ。もちろん刺激的なノイズは一切含まれておらずケフェレックの解釈と同様に透き通ったアンビエンスと切れの良い音場空間が身上だ。
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暫く音楽をゆっくり聴く環境にもなかったが、今日は久しぶりにインプレを書いている。MIRAREの春の新譜で、アンヌ・ケフェレックが録ったショパン作品集。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3772983
ショパン:
・ポロネーズ 変ロ長調KK.IV/1(1817)
・ポロネーズ ト短調S1/1(1817)
・ポロネーズ 変イ長調KK.IV/ a 2(1821)
・マズルカ 変イ長調Op.7-4(1824)
・ポロネーズ ヘ短調Op.71-3(1828)
・ソステヌート 変ホ長調(1840)
・カンタービレ 変ロ長調(1834)
・ノクターン 嬰ハ短調 遺作(1830)
・幻想即興曲 嬰ハ短調Op.66(1834)
・ワルツ ヘ短調 Op.70-2(1841)
・マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3(1841-1842)
・子守歌 変ニ長調Op.57(1843)
・舟歌 嬰ヘ長調Op.60(1845-1846)
・スケルツォ第4番 ホ長調Op.54(1842)
・ワルツ イ短調KK.IVb/11,P2/11
・バラード第4番 ヘ短調Op.52(1842)
・マズルカ イ短調Op.67-4(1848)
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
なんともエレガントでチャーミングなショパンである。もともとが溌剌としながらも繊細で優美な音楽を組み立てるフランス女流の奔りであるケフェレックのショパンはやはり流石と言わざるを得ない完成度だ。このアルバムのテーマはどうやらショパンの望郷の念を一貫してトラッキングしたもののようで、ポーランドの土の香りに未練を残しつつもパリに骨を埋めた不世出のピアノ作家の陰鬱で割り切れない複雑な心情の襞を訥々と描いているようだ。
三拍子系の舞曲の中ではとりわけ民族色が強いとされるマズルカ、そして若年期にポーランドで書かれたマズルカなど、構成としてはちょっと変わっていて、ショパン・イヤーを飾る他のソリストたちの絢爛豪華なアルバムにはない翳りが付き纏っていて個性的だ。
どのトラックも味のあるクイックでシャープな鍵盤捌きで小気味良いが、ノクターン(嬰ハ短調)遺作は濃やかでやるせない情感が支配、幻想即興曲は全体的には肩肘張らないライトな解釈と聴き取れるが、実は彫りの深い大胆な切り込みである。ワルツ(ヘ短調)~マズルカ嬰ハ短調~子守歌を経て舟歌に至る一連の歌い込みは白眉、更にバラード4番のたゆたう風情とケフェレックの超絶的な技巧、および色彩感豊かなピアニズムには溜息が出る。
暦の上では盛夏から秋に入ってはいる。日に日に涼しくなってくるであろう長い夜のひと時にはこのような薫り高いアルバムを掛けて疲れた心を癒したいものだ。
(録音評)
MIRAREレーベル、MIR096、通常CD。録音は2009年11月、場所はMIRAREのお得意、仏リモーザン県のLa Ferme de Villefavardの木質系小ホール=ルミエール。音質は中庸を行く落ち着いたもので、僅かに暖色系へ振った調音だ。もちろん刺激的なノイズは一切含まれておらずケフェレックの解釈と同様に透き通ったアンビエンスと切れの良い音場空間が身上だ。
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by primex64
| 2010-08-09 17:25
| Solo - Pf
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