2010年 07月 03日
Perahia plays Chopin@Murray Perahia - Disc 5 |
最後の五枚目は、その他の著名曲がコンピレーション・スタイルで並べられている。いずれも30年以上前、ペライアがまだ若かりし日の演奏である。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3761838
CD5
・前奏曲第6,7,15番
・即興曲第1,2,3番
・幻想即興曲(即興曲第4番)嬰ハ短調Op.66
・舟歌 嬰ヘ長調Op.60
・子守歌 変ニ長調Op.57
・幻想曲ヘ短調Op.49
マレイ・ペライア(Pf)
プレリュードを聴くと、ペライアは若い頃から静かで丁寧なタッチを尊重するピアニストだったことが分かる。摺り足ならぬ擦り指で、鍵盤を舐める様に弾いているのではないかと思わされるほど静謐であり、かつ、乱暴な押し込みを一切しない潔癖な姿勢が窺われる。この滑らかな肌合いは、かつてのアレクシス・ワイセンベルクや、在りし日のアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの演奏スタイルを想起させられるのだ。
インプロンプトゥはそうした中にあってもかなり元気の良い演奏で、そうは言っても一切の破綻や飛び出しがない、ペライアらしい演奏だ。おとなしい演奏である点が好みの別れるところであろう。変幻自在で意外性の連続する解釈がインプロンプトゥ本来の弾き方だ、とする派からはもの足りないという批判を受けるかも知れない。白眉は幻想即興曲で、そういった秩序のある中にも滾る様な熱情を垣間見せる、なかなかに高バランスな解釈と演奏であり、この演奏は数ある同曲の録音中でも最優秀の部類に入るだろう。
バルカローレは、またまたペライアの静謐でおとなしい傾向が前面に押し出されて、少々静的かつ内省的過ぎる気がする演奏となっている。飛散する水飛沫や揺動する大河の流れといったダイナミックで色彩感溢れる曲想がかなり後退しているのだ。ま、これも好みと言ってしまえばそれまでだが・・。逆に、この静かで内省的、そして滑らかな形質はベルセウスにおいては劇的な効果を生んでいて、冒頭から囁かれる妙なる調べによりゆったりとした眠りに誘われてしまうのである。事実、帰りの電車の中で何回かうたた寝をしてしまったくらいだ。
世の中に完璧な人間がいないのと同様、楽壇には完璧なピアニストは存在しない。みな、それぞれの持ち味と強点、そして不得手な部分と弱点を持っているものだ。ペライアの特徴は今まで5回シリーズで書いてきた様に理性的で精緻、そして静かでおとなしい解釈にあり、どちらかというと女性的で繊細な作品を得意とする演奏家と言える。そういったペライアはショパン作品の中でも少々翳りのあるダウンテンポで内向きな秀作への深い洞察と解釈に一日の長がある様に感じた次第だ。
(聴き終えた後で気が付いたのであるが、どういうわけかポロネーズが一曲も入っていない。ひょっとしてペライアはポロネーズを録音していないのかも知れない。)
(録音評)
SONY Classical、88697648232、通常CD 5枚組。プロデューサーはAndrew Kazdin、録音は1975年1月9日、Columbia 30th Street Studio, New York City, USAとある。ヒスノイズが乗っていることから恐らくはアナログ録音だ。時代的には最初期のPCM録音機が存在していた頃ではあるが、これは伝統的なテープデッキで録られたものであろう。音質は時代を反映してかそれなりのもので、最新リマスタを施したとしても限度はあることを如実に示す好例だ。各トラックで録音レベルも大きく異なっており、プレリュードとインプロンプトゥのレベルはかなり低いし、楽音はヒスノイズに埋もれがちである。中盤からは普通のレベルで、まずまずのリマスタと言える。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3761838
CD5
・前奏曲第6,7,15番
・即興曲第1,2,3番
・幻想即興曲(即興曲第4番)嬰ハ短調Op.66
・舟歌 嬰ヘ長調Op.60
・子守歌 変ニ長調Op.57
・幻想曲ヘ短調Op.49
マレイ・ペライア(Pf)
プレリュードを聴くと、ペライアは若い頃から静かで丁寧なタッチを尊重するピアニストだったことが分かる。摺り足ならぬ擦り指で、鍵盤を舐める様に弾いているのではないかと思わされるほど静謐であり、かつ、乱暴な押し込みを一切しない潔癖な姿勢が窺われる。この滑らかな肌合いは、かつてのアレクシス・ワイセンベルクや、在りし日のアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの演奏スタイルを想起させられるのだ。
インプロンプトゥはそうした中にあってもかなり元気の良い演奏で、そうは言っても一切の破綻や飛び出しがない、ペライアらしい演奏だ。おとなしい演奏である点が好みの別れるところであろう。変幻自在で意外性の連続する解釈がインプロンプトゥ本来の弾き方だ、とする派からはもの足りないという批判を受けるかも知れない。白眉は幻想即興曲で、そういった秩序のある中にも滾る様な熱情を垣間見せる、なかなかに高バランスな解釈と演奏であり、この演奏は数ある同曲の録音中でも最優秀の部類に入るだろう。
バルカローレは、またまたペライアの静謐でおとなしい傾向が前面に押し出されて、少々静的かつ内省的過ぎる気がする演奏となっている。飛散する水飛沫や揺動する大河の流れといったダイナミックで色彩感溢れる曲想がかなり後退しているのだ。ま、これも好みと言ってしまえばそれまでだが・・。逆に、この静かで内省的、そして滑らかな形質はベルセウスにおいては劇的な効果を生んでいて、冒頭から囁かれる妙なる調べによりゆったりとした眠りに誘われてしまうのである。事実、帰りの電車の中で何回かうたた寝をしてしまったくらいだ。
世の中に完璧な人間がいないのと同様、楽壇には完璧なピアニストは存在しない。みな、それぞれの持ち味と強点、そして不得手な部分と弱点を持っているものだ。ペライアの特徴は今まで5回シリーズで書いてきた様に理性的で精緻、そして静かでおとなしい解釈にあり、どちらかというと女性的で繊細な作品を得意とする演奏家と言える。そういったペライアはショパン作品の中でも少々翳りのあるダウンテンポで内向きな秀作への深い洞察と解釈に一日の長がある様に感じた次第だ。
(聴き終えた後で気が付いたのであるが、どういうわけかポロネーズが一曲も入っていない。ひょっとしてペライアはポロネーズを録音していないのかも知れない。)
(録音評)
SONY Classical、88697648232、通常CD 5枚組。プロデューサーはAndrew Kazdin、録音は1975年1月9日、Columbia 30th Street Studio, New York City, USAとある。ヒスノイズが乗っていることから恐らくはアナログ録音だ。時代的には最初期のPCM録音機が存在していた頃ではあるが、これは伝統的なテープデッキで録られたものであろう。音質は時代を反映してかそれなりのもので、最新リマスタを施したとしても限度はあることを如実に示す好例だ。各トラックで録音レベルも大きく異なっており、プレリュードとインプロンプトゥのレベルはかなり低いし、楽音はヒスノイズに埋もれがちである。中盤からは普通のレベルで、まずまずのリマスタと言える。
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by primex64
| 2010-07-03 19:04
| Solo - Pf
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