Perahia plays Chopin@Murray Perahia - Disc 1 |
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CD1
ショパン:
・ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
・ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
マレイ・ペライア(P)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮)
ということで、ショパンのボックスを幾つか買ってきた。これはペライアがソニー(CBSレコード時代から)に吹き込んだ中から人気の曲を集めた5枚組だ。今日はその1枚目。
ショパンのPコンはオケが脆弱で、かなり駄作とされる二曲が残されている。個人的にはこれらのPコンはオーケストラ伴奏付きピアノソナタと思っているので特段に変だとは思わないのであるが、世の中的には特殊なポジショニングとされている様だ。昨今分かってきたのはオーケストレーションが別人の手によるものだった可能性があることで、確かに言われてみるとオケ部はなんともちぐはぐで、いくらオケ作曲経験の少ないショパンだからと言っても余りに単調でつまらない出来映えだ。まぁ、確かに構想自体はショパンがイラストレートしたものなのかも知れないな、と思われる節もあってかちょっと微妙な感じの曲ではある。但し、ピアノ独奏部は紛れもないジェニュイン・ショパンであるのは言うまでもなく華麗で勇壮、そして憂愁を湛えたなんともロマンチックな作品だ。
ペライアは昔は良いとは思わなかったが、ここのところのバッハのパルティータ全集が出色で、そして現在に至って昔のショパン録音を聴くとその当時から特徴的な良い演奏をしていたことが分かった。こういった燻し銀的なソリストは聴き手が若いと真価が伝わらないのかも知れない。
明晰で分かり易く高揚感の強いメータ、および彼の故郷のオケ=イスラエルPOはペライアのスムーズなブリリアンスとシナジーを生み出している。確かにこれはラショナルなペライアとしては珍しいエキサイティングな名演かも知れない。
(録音評)
SONY Classical、88697648232、通常CD 5枚組。録音は1989年で、一応デジタルとなっている。しかし、音はCBSソニーのLPレコードそのもので笑ってしまう。重量感の少ないフェザータッチの高域、ちょっとクールな中域、ドヨンと弛緩した低域と、どこをとってもCBSソニーだ。両方のPコンともライブ収録なのだが臨場感は今ひとつ。音源自体が古いこともあってか現代のデジタル録音には遠く及ばないクォリティ。だが、これはこれで懐かしくて安心できる程々のレンジ感と言えようか。
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