2010年 06月 20日
杜記@中華街 |
刀削麺の元祖的な存在である杜記の本店へ。場所は香港路と市場通りを結ぶ路地のうち関帝廟に一番近い筋で、香港路の名店・頂好(ディンハオ)の角を曲がってすぐのところにある。一時はテレビ取材等の影響で行列が出来ていたし、ガラス張りの厨房で料理人が特製包丁を巧みに操って麺を削り出す様子を見ようと人集(ひとだかり)が出来ていたものだ。
そんなこんなもあってか、この杜記はずっと忌避してきて数十年(?)、ようやく食べることが出来た。もっとも最近では別館が出来たり、イセザキ・モールのオデオン側に支店が進出したりと割と身近な存在にはなりつつあるが。店に着いたのは13:30を回っていた。表は日曜の中華街と言うことで人人人でごった返し、日本語・関西弁・中国語などが混ざり合ってまさに阿鼻叫喚の様相を呈しているのだが、クーラーの効いた店内は先客も一組だけと静かであった。但し、ときおり店員たちが素っ頓狂な現地語で怒鳴り合う(いや、楽しげに雑談を交わしている・・)様子が窺える。
注文したのは家内は例によってタンタン担々麺(=妙な名称だ)、私が杜記牛肉麺。美味しそうな水餃子も追加した。注文したら徐に料理人が大きな茹で鍋のガスを最強に廻した。そして小麦粉を練って作った塊を小脇に抱え、スクレーパーの様な中型の特製包丁で削ぎ切りにしていくのである。包丁を動かす手元はかなり素早く、目にも止まらぬ早業だ。
糸状に繰り出される切削後の小麦粉の麺が緩やかな弧を描きながら沸騰する湯の中へとするすると落下していく。
所要量を切削し終えたのか、料理人は柄付き笊でぐるりと茹で鍋を掻き回して別の工程へと移った。意外なことに茹で時間は結構かかる様である。


切削された麺が湯に投入されて10分くらい経ったであろうか、丼が用意されて別の中華鍋で拵えられていたスープが注がれて行く。そうすると先ほどの柄付き笊を器用に使って麺を茹で上げて湯切りして丼へと移される。
具を添え付けて熱々がサーブされる。
出てきたタンタン担々麺は豚挽肉がたっぷりと入った辛く濃厚な味付けの一品で、豚本来のワイルドな風味がガツンと来るし、麺の太さと腰の強さから言っておよそ日本人女性が好むとされる繊細で甘い胡麻ペーストをベースとした食べやすい担々麺ではない。
辛味も相当にある様で、これはいきなりの辛さではなく食べているうちにジワジワと喉から食道、そして胃へと熱い感覚が伝播するタイプの辛味である。
味付け豚挽肉と濃厚辛味スープ、そしてワイルドで太く逞しい刀削麺と相俟ってなかなかにインパクトのある担々麺であった。
私の頼んだ牛肉麺の方も結構辛味の強い清湯スープだが、旨味はそこそこ湛えており、塩分だけが突出した様ないわゆる中華街の麺ではない。
ラーメンと分類するには無理があるかも知れないが、それでもスープのコクと旨味をベースとするアプローチは国内ラーメンの作り方と何ら変わるものではない。
添え付けの肉は高級な和牛もしくは国産牛ではないが、しかし素朴で噛み応えのする確かな牛肉であるし時間をかけて丁寧に煮込んで柔らかく仕上げた肉だ。主張しないまでも下味もそれなりに付けられていて味わいは深い。そして香菜が多量に盛られており、その強烈なフレーバーによって否が応にもエスニック風情が増幅されるのだ。
麺が終わった後の残りのスープにはどうしても後を引かれてしまい、その殆どを平らげてしまった。
後で喉が渇くこととなったのだが・・。
付け加えだが、水餃子は皮がモチモチで厚手、しかし中の具にはエキスとジュースがたっぷりと含まれた逸品であり、茹で上げ餃子が皿の上で豆鼓醤や酢などで作られた特製タレで味付けがなされて出てくるのが特徴的だ。
なかなかに美味しい。
杜記 (とき)
横浜市中区山下町138-14
電話: 045-226-1090
営業: 11:30~21:30
定休: 無休
最寄: みなとみらい線 元町中華街5分
JR根岸線 石川町8分
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そんなこんなもあってか、この杜記はずっと忌避してきて数十年(?)、ようやく食べることが出来た。もっとも最近では別館が出来たり、イセザキ・モールのオデオン側に支店が進出したりと割と身近な存在にはなりつつあるが。店に着いたのは13:30を回っていた。表は日曜の中華街と言うことで人人人でごった返し、日本語・関西弁・中国語などが混ざり合ってまさに阿鼻叫喚の様相を呈しているのだが、クーラーの効いた店内は先客も一組だけと静かであった。但し、ときおり店員たちが素っ頓狂な現地語で怒鳴り合う(いや、楽しげに雑談を交わしている・・)様子が窺える。
注文したのは家内は例によってタンタン担々麺(=妙な名称だ)、私が杜記牛肉麺。美味しそうな水餃子も追加した。注文したら徐に料理人が大きな茹で鍋のガスを最強に廻した。そして小麦粉を練って作った塊を小脇に抱え、スクレーパーの様な中型の特製包丁で削ぎ切りにしていくのである。包丁を動かす手元はかなり素早く、目にも止まらぬ早業だ。
糸状に繰り出される切削後の小麦粉の麺が緩やかな弧を描きながら沸騰する湯の中へとするすると落下していく。所要量を切削し終えたのか、料理人は柄付き笊でぐるりと茹で鍋を掻き回して別の工程へと移った。意外なことに茹で時間は結構かかる様である。


切削された麺が湯に投入されて10分くらい経ったであろうか、丼が用意されて別の中華鍋で拵えられていたスープが注がれて行く。そうすると先ほどの柄付き笊を器用に使って麺を茹で上げて湯切りして丼へと移される。
具を添え付けて熱々がサーブされる。出てきたタンタン担々麺は豚挽肉がたっぷりと入った辛く濃厚な味付けの一品で、豚本来のワイルドな風味がガツンと来るし、麺の太さと腰の強さから言っておよそ日本人女性が好むとされる繊細で甘い胡麻ペーストをベースとした食べやすい担々麺ではない。
辛味も相当にある様で、これはいきなりの辛さではなく食べているうちにジワジワと喉から食道、そして胃へと熱い感覚が伝播するタイプの辛味である。味付け豚挽肉と濃厚辛味スープ、そしてワイルドで太く逞しい刀削麺と相俟ってなかなかにインパクトのある担々麺であった。
私の頼んだ牛肉麺の方も結構辛味の強い清湯スープだが、旨味はそこそこ湛えており、塩分だけが突出した様ないわゆる中華街の麺ではない。ラーメンと分類するには無理があるかも知れないが、それでもスープのコクと旨味をベースとするアプローチは国内ラーメンの作り方と何ら変わるものではない。
添え付けの肉は高級な和牛もしくは国産牛ではないが、しかし素朴で噛み応えのする確かな牛肉であるし時間をかけて丁寧に煮込んで柔らかく仕上げた肉だ。主張しないまでも下味もそれなりに付けられていて味わいは深い。そして香菜が多量に盛られており、その強烈なフレーバーによって否が応にもエスニック風情が増幅されるのだ。
麺が終わった後の残りのスープにはどうしても後を引かれてしまい、その殆どを平らげてしまった。後で喉が渇くこととなったのだが・・。
付け加えだが、水餃子は皮がモチモチで厚手、しかし中の具にはエキスとジュースがたっぷりと含まれた逸品であり、茹で上げ餃子が皿の上で豆鼓醤や酢などで作られた特製タレで味付けがなされて出てくるのが特徴的だ。なかなかに美味しい。
杜記 (とき)横浜市中区山下町138-14
電話: 045-226-1090
営業: 11:30~21:30
定休: 無休
最寄: みなとみらい線 元町中華街5分
JR根岸線 石川町8分
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by primex64
| 2010-06-20 21:24
| My dishes -Chinese
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