Corsair H50 |
今のマシンを組んだ時からCore i7 940のCPUクーラーはサイズ製のKabutoで頑張ってきたが、どうもFSB 172MHzを超えられない。倍率は22で固定なので約3.8GHzというところで放熱限界に達しているのだ。
OCCTの様な耐熱テストベンチを走らせない限りフル発熱し続けることはまずないのであるが、それでもMPEGエンコードやNIKON CAPTURE NXのRAW現像の時には4コア8スレッドを一時的ではあれ全て振り切ってしまうこともある。そこで巷で評判のメンテナンスフリー水冷クーラーCorsair H50を買ってみた。
リテールのボックス品は秋葉原やその辺のドスパラで大体1万円弱で手に入る。立派なボックスを開けると一体加工された吸熱部とポンプ、そしてこれと二本の太いフレキ・チューブで繋がるラジエータが目に飛び込む。専用の12cmファン(1700RPMと割と高速)とCPUのリテンション・リング、バックプレート留めネジの類がキッティングされている。
取り付けには専用バックプレートの装着が必須なのでマザーを外して裏側からネジを通さなければならず、それが鬼門だった。なにせ、SASでRAID10を組んでいたり、SASのドライブケージを組み込んでいたり、またファンコンの温度センサーをあちこちに張り巡らせていたりしてケーブルの実装密度が濃いのである。一度押し込んだ配線をほぐすのは勇気が要る。
マザーを外して裏側にバックプレートを装着するが、この時にマザーの貫通穴の裏側から表側へ向かってスリーブナットを通しておく。表側にはLGA1366用のリテンション・リング(アタッチメント)をネジで取り付けるが、この時にはゆるゆるの仮締め状態にしておく。後から吸熱部をセットして固定してから本締めするのだ。
ラジエータはATXケースの12cm背面ファンに取り付けるよう設計されている。但し、外気を吸い込んで冷却する=吸気の想定らしく、そうするとこのケースの場合には内部のエアフローが滅茶苦茶になってしまって具合が悪い。そこで、付属のファンよりも風量が稼げる最大2000RPMのファン(CoolerMasterの Excalibur)に換え、これを排気で使うことに。
水冷化によってCPU排熱が直接ケース内の空気を暖めなくなるので排気でも行けると判断したのだ。しかし、念のためケース内温度の更なる低下のために側面と底面の吸気ファンをそれぞれ1000→1500RPM、1000→1700RPMへと増強した。
ラジエータをファンと共締めしてから吸熱部をリテンション・リングに取り付ける。吸熱部の銅ブロックにはあらかじめ放熱グリスが塗ってあってその上から保護キャップが被されている。保護キャップを外してから装着作業に入る。吸熱部にはギザギザの溝が切ってあり、そしてリテンションの方にはそのギザギザに合うような歯が付いている。それらの雄雌が嵌合、つまり噛み合って固定される仕組みになっていて、噛み合った状態でネジを本締めするのだ。この作業自体は非常に容易だ。
吸熱部にはポンプが内蔵されていて別途電源が出ているのでマザー上の適当な+12Vに繋ぐ。ラジエータに取り付けたExcaliburは、勿論、PWM制御のCPU FANソケットへ装着する。CPU温度に応じてファン回転が制御されてラジエータを適宜冷やす仕組みだ。
結果は極めて良好で良く冷える。OCはFSB 183MHzまで上げた(VcoreはNormal+0.31V)が、この時のクロックは4.026GHzということになる。この状態のままでOCCT通常テスト1時間が普通に通ってしまう(それより長時間は面倒なのでトライしていない)。これで楽々4G超え・・。
(後日談)
更に熱伝導率の良いCPUグリスがあるというので交換した。
吸熱部を外してCPU表面と銅ブロックに付着している付属グリスを綺麗に洗浄して乾燥させ、Gelid GC-Extremeを塗布する。再度吸熱部を取り付けた。OCCTを流してみると、CPUコア温度は従前より全温度域で最大5℃以上も低い数値を示す。噂通り良く冷えるグリスである。
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風量を重視した板状の羽根や六角形の穴をあけた特殊構造のフレーム、低速回転時から高速回転時まで軸ブレしにくいボールベアリングなどを採用した高機能ファン。... more