Verdi: Requiem@Colin Davis/LSO |

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3629004
・ヴェルディ:レクィエム
クリスティーン・ブリューワー(ブルーワー)(S)
カレン・カーギル(Ms)
スチュアート・ネイル(T)
ジョン・レリア(Bs)
ロンドン交響合唱団
ジョセフ・カレン(合唱指揮)
ロンドン交響楽団
サー・コリン・デイヴィス(指揮)
上のHMVの解説にある通り、このコンサートは昨年2008年11月23日に急逝したLSOゆかりの指揮者=リチャード・ヒコックスの追悼として演奏されたもので、元々コーラスものを得意としているるコリン・デイヴィスが更に渾身の祈りを込めて振ったもの。尚、ヒコックスはデイヴィスの弟子にあたる人物で早世が悔やまれる。そういった特別の感情がデイヴィスやソリスト、そしてLSOの面々にあったのかなかったのかは定かではないが、壮絶で厳粛、そして勇ましいレクイエムだ。
静かな楽章の入りは何も聞こえない静寂から各パートがゆっくりと浮かび上がるように音を重ね始めるのであるが、その空白と無音部に感じられる「気」と「間」が何とも言えず幽玄だし、消え入り端の自然な減衰もまた同様の気配である。
一方、各部のトウッティにおける爆発は凄まじいのひとことで、綺麗に揃ったアインザッツに込められるエネルギーは異常に大きいものがある。さりとて乱雑になったり不揃いなパートがあったりという不協和は一切無く、スコアのトレースという点においてもほぼ完璧だし、ソリストの精密な唱法もオケの細密な描き方にマッチしている。
現代におけるヴェルレクのスタンダードとして広くお勧め出来る優秀奏だ。
(録音評)
LSO Liveレーベル、LSO0683、SACDハイブリッド、2009年1月11&14日、場所は例によってバービカンだ。いつものClassic Sound Ltd.の録音でプロデューサー=ジェイムズ・マリンソン、エンジニア=ジョナサン・ストークス & ニール・ハッチンソンとクレジットされている。
音質はいつものクリア&スーパーティテールの超優秀サウンド。ダイナミックレンジは広いが、さすがに無音に近い部分では少々持ち上げているようで、SWRのヴェルレク新譜よりはこの方が多少は聴き易い。しかし並みの装置での再生はやはり難しい部類に入るであろう。
