2009年 09月 08日
Elgar, Delius: Vc-Con@Jacqueline du Pré |
先だっては昨今のVn奏者の動向を色々と聴いてきた。そしてここ数日はVc奏者はどうなんだろう? ということで色々聴いている。そこでどうしても外せない時代的金字塔を聴こうと家じゅうを探すがどうにも見つからない。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2602749
・エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
・ディーリアス:チェロ協奏曲
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン交響楽団(エルガー)
マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・フィル(ディリアス)
このカップリングは東芝エンジェルのLP盤で持っていたがレコードを捨てた時に最初期の同一内容のCDを買っていた。それ以外にもLPではライブ録音バージョンなども持っていた。
その古びたCDを2年ほど前に家でかけた記憶がある。しかしどうにも見つからず、結局、苛々が高じて買ってきてしまった。こういった行動に出た直後は往々にして探し物が見つかることが多いのだが・・。これは国内盤で大昔のものとジャケットは異なっている。ライナーを見るとこのCDは2007年の国内リイシューであり、その前のリイシューも同じジャケの様で、いつからこの写真が使われているかは分からない。
この盤は超有名・超名盤といわれているし、今更このエルガーの時代的名演奏を云々はしないが一言だけ。とにかくこの暗鬱なエルガーのVcコンをここまで深刻に切なく歌うVcは確かに不世出だ。一楽章第二主題はもんどり打つような感情移入が凄まじく、大きく揺らぐヴィブラートは慟哭する人の喉が絞り出す声とそっくりである。何度聴き直しても呆気にとられて引き込まれる鬼気迫る演奏。
ディーリアスはこの鬱々たるエルガーの後始末としては精妙なカップリングであり、途中、ファ抜きのオリエンタルムード漂う旋律も手伝ってか軽い浮遊感に遊ぶことが出来る。久し振りに聴いたがなかなかによい演奏だ。
同じアルバム内容で高価なHQCD盤でもリリースされているが、買ってきたこれは安価な通常CD。EMI CLASSICS BEST 100シリーズの一枚。
(録音評)
EMIの国内盤、TOCE-14049、通常CD。録音はエルガーの方が1965/8/19、ロンドンのキングスウェイ・ホール、ディーリアスの方は1965/1/12~14、アビーロード・スタジオ。
驚いたことに古い盤と音質が全く異なっていて格段に改善している。元々は歪が多くてノイズっぽく、その雑然とした音質はとても褒められたものではなかったのであるが(LPも・・)、これはリマスタされた盤であり、エンジニアにはYoshio Okazakiと名前がある。この人は割と著名なトーンマイスターらしいが、必ずしも評判は良くないようだ。またOkazaki氏がいつ頃この盤をリマスタしたのかは定かではない。
しかし、ここまでディテールを修整出来るとはなかなか大したものであり、昨今の録音だと言われても殆どの人は気が付かないのではないだろうか。但し少々事大がかった音の組み立て方で、迫力があるといえばその通り、まぁ、表現を変えるなら派手な演出とも言えそうだ。そこは好みの問題だろうが。昨今のリマスタ技術は進んでいる。
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/2602749
・エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
・ディーリアス:チェロ協奏曲
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン交響楽団(エルガー)
マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・フィル(ディリアス)
このカップリングは東芝エンジェルのLP盤で持っていたがレコードを捨てた時に最初期の同一内容のCDを買っていた。それ以外にもLPではライブ録音バージョンなども持っていた。
その古びたCDを2年ほど前に家でかけた記憶がある。しかしどうにも見つからず、結局、苛々が高じて買ってきてしまった。こういった行動に出た直後は往々にして探し物が見つかることが多いのだが・・。これは国内盤で大昔のものとジャケットは異なっている。ライナーを見るとこのCDは2007年の国内リイシューであり、その前のリイシューも同じジャケの様で、いつからこの写真が使われているかは分からない。
この盤は超有名・超名盤といわれているし、今更このエルガーの時代的名演奏を云々はしないが一言だけ。とにかくこの暗鬱なエルガーのVcコンをここまで深刻に切なく歌うVcは確かに不世出だ。一楽章第二主題はもんどり打つような感情移入が凄まじく、大きく揺らぐヴィブラートは慟哭する人の喉が絞り出す声とそっくりである。何度聴き直しても呆気にとられて引き込まれる鬼気迫る演奏。
ディーリアスはこの鬱々たるエルガーの後始末としては精妙なカップリングであり、途中、ファ抜きのオリエンタルムード漂う旋律も手伝ってか軽い浮遊感に遊ぶことが出来る。久し振りに聴いたがなかなかによい演奏だ。
同じアルバム内容で高価なHQCD盤でもリリースされているが、買ってきたこれは安価な通常CD。EMI CLASSICS BEST 100シリーズの一枚。
(録音評)
EMIの国内盤、TOCE-14049、通常CD。録音はエルガーの方が1965/8/19、ロンドンのキングスウェイ・ホール、ディーリアスの方は1965/1/12~14、アビーロード・スタジオ。
驚いたことに古い盤と音質が全く異なっていて格段に改善している。元々は歪が多くてノイズっぽく、その雑然とした音質はとても褒められたものではなかったのであるが(LPも・・)、これはリマスタされた盤であり、エンジニアにはYoshio Okazakiと名前がある。この人は割と著名なトーンマイスターらしいが、必ずしも評判は良くないようだ。またOkazaki氏がいつ頃この盤をリマスタしたのかは定かではない。
しかし、ここまでディテールを修整出来るとはなかなか大したものであり、昨今の録音だと言われても殆どの人は気が付かないのではないだろうか。但し少々事大がかった音の組み立て方で、迫力があるといえばその通り、まぁ、表現を変えるなら派手な演出とも言えそうだ。そこは好みの問題だろうが。昨今のリマスタ技術は進んでいる。

by primex64
| 2009-09-08 12:02
| Concerto - Vc
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Trackback
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Comments(2)

トラックバックを有り難うございました。ブログのために聴いたようなもので、以後全く聴いていないので、どんな曲だったかも殆ど忘れてしまっていますが、「ファ抜きのオリエンタルムード」の言葉に惹かれました。
久しぶりに聴いてみようか、の気が・・・。
なお、私のCDはTOCE-3098となっていて、旧盤でした。
リマスタされた音との違いは面白そうですね。
久しぶりに聴いてみようか、の気が・・・。
なお、私のCDはTOCE-3098となっていて、旧盤でした。
リマスタされた音との違いは面白そうですね。
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crest様、わざわざコメントありがとうございます。
>リマスタされた音との違いは面白そうですね。
お持ちの盤のリマスター技師の名がOkazakiさんだったら恐らく同じ音質だとは思いますが、気になるところではありますね。元々は結構荒れた音質でしたが、リマスタ盤はだいぶ改善されています。
>リマスタされた音との違いは面白そうですね。
お持ちの盤のリマスター技師の名がOkazakiさんだったら恐らく同じ音質だとは思いますが、気になるところではありますね。元々は結構荒れた音質でしたが、リマスタ盤はだいぶ改善されています。