Vivaldi: Opera and Oratorio arias@M. Kožená, A. Marcon/VBO |
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ヴィヴァルディ:
・歌劇『ティト・マンリオ』RV.738~あなたが眠いなら、眠ってください
・オラトリオ『勝利のユディータ』RV.644~松明と蛇で武装して
・歌劇『試練の中の真実』RV.739~あの美しく誇り高いお顔だけが
・歌劇『ファルナーチェ』RV.711~凍りついたようにあらゆる血管を
・歌劇『ポントの女王アルシルダ』RV.700~はじめての炎が
・歌劇『怒れるオルランド』RV.728~私の甘美な愛はあなたからの太陽
・歌劇『離宮のオットーネ』RV.729~彼らは私の魂を置いた
・歌劇『怒れるオルランド』RV.728~この深き闇の世界で
・歌劇『ファルナーチェ』RV.711~おそらく、あるいは大切に、これらのアクセントで
・歌劇『試練の中の真実』RV.739~その人の親愛な運命は生まれる
・歌劇『グリセルダ』RV.718~私はすでに引き裂くものを持ちますおや
・歌劇『ダリオの戴冠』RV.719~私の機嫌をとらない自惚れが強い望み
・歌劇『狂気を装うオルランド』RV.727~Lo stridor, l'orror d' Averno
・歌劇『狂気を装うオルランド』RV.727~私は行き、叫び、飛ぶ
・歌劇『オリンピアーデ』RV.725~眠っている間に愛は忍びこませる
マグダレナ・コジェナー(メゾ・ソプラノ)
ヴェニス・バロック・オーケストラ
指揮:アンドレア・マルコン
ヴィヴァルディは多作家で有名、夥しい作品を書いた人物だが、個人的にも世の中的にも器楽曲がポピュラーであり歌曲は余り聴かれないのではないか。書いたオペラは50曲を超え、本人の記述によれば100曲近かったという。しかし、元々この時代のヴェネチア・オペラは超長大であり、そのためかスコアの散逸が甚だしく現代でも通しで演奏可能なものは20曲を超えないという。
このアルバムにはそれらのオペラのハイライトともいえるアリアが収録されており、その全てはコジェナーにより選ばれ、そして彼女の手により編曲されているという。ワーグナーやヴェルディ、プッチーニなどその後の時代のオペラとは似ても似つかない朴訥として簡素な歌曲達なのでちょっと意外だった。背景に横たわるのはアンニュイなヴィヴァルディの一面であり(もちろん、ヴィヴァルディの全てのオペラ作品がそうだとは断定しないが)、影と光が常に交錯する作風で、影の方が少し勝るかも知れないが。
コジェナーという人の歌は初めて聴いたが、これが実に穏当で落ち着いたメゾで、そして音程の安定性は抜群、歌唱力も桁外れ。要するに巧いのだ(コジェナーはサイモン・ラトルと公然の親密関係にあるという事の方が人々の興味を引いているのかもしれないが・・)。
アンドレア・マルコン率いるヴェニス・バロック・オーケストラの少し華やいだヴィヴィッドなバックは繊細で耳に心地良いし、恐らく年代物のピリオド楽器だとは思うがまろび出るような馥郁とした音色は独特だ。
(録音評)
DG Archivレーベル、477 8096、通常CD。録音は2008年10月4-8日、トブラッハ、クルトゥーアツェントルム・グランドホテル・グスタフ・マーラーザールとある。音色はアルヒーフ伝統のブリリアントなもので、音場の拡がりもリッチだ。いまやDGのピリオド部門となっている訳で、クレジットされている録音スタッフを見るとそれが実感出来るのだ。トーンマイスターはUlrich Vetteなのだ。
コジェナーの歌唱の定位および臨場感は良好、バックオケの配置も自然で、全体的にもDGの録音としてはまずまずだ。
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