J.S.Bach: Goldberg Variation BWV988@H. Albrecht |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2624110
・J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編曲版)
ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)
録音時期:2007年4月27~30日
録音場所:バート・ガンデルスハイム、参事会教会
使用楽器:ミューライゼン・オルガン、2000年製
ゴルトベルクに関しては過去にも色んな演奏を聴いてきたし様々な楽器での取り組みが見られる超有名曲なので詳細等は省略するが、このハイブリッド盤はオルガンによる演奏。ゴルトベルクは元々が二段鍵盤式クラヴィーアのためのアリアと変奏曲集とバッハが命名している通りの鍵盤楽器専用作品で、そういった点に於いてはオルガンの手鍵盤は確かに二段式(三段式)なので親和性としては問題はないと思われる。
問題は足鍵盤に割り当てられた低域ストップをどのように効果的に用いるか、だが、H.アルブレヒトは彼の独自研究の成果としてゴルドベルクの編曲版、即ち二段の手鍵盤+足鍵盤バージョンを完成させていて、それをバロック様式にマッチする音色のオルガンを探し出して演奏しているのがこのCDだ。
結果は思いのほかすっきりとしたハイスピードなゴルトベルクに仕上がっていて、なかなかに楽しめる一品だ。ピアノやチェンバロとは比較にならない多彩な音色が出せるオルガンならではの豪華さ、そしてペダルによる低音ストップの重厚な効果が顕著に現れていて飽きが来なく最後までずっと楽しく聴いていられるのだ。想像していた低域の鳴動遅延も殆ど感じられず快適だ。
演奏様式としてはアゴーギクを殆ど用いない直進性の強いもので清廉潔白、淡々とした曲想。その代わり小刻みなスウェル操作によりもたらされる控えめなデュナーミクが随所に施されていて、この強弱の付け方としては現代ピアノによる一般的なゴルドベルク解釈と類似傾向と言える。とかくチャレンジャブルなH.アルブレヒトの演奏としては割と正攻法で生真面目なものだ。 尚、リフレインは殆ど省略なしに演奏しているため収録時間は700MB容量を持ったCD-DAの理論限界である80分にも及ぶ。
ゴルトベルクのCD評はもう少し続く。
(録音評)
OEHMSレーベル、OC625、SACDハイブリッド。空間に響き渡る中型オルガンの残響は素晴らしい。各ストップのビームも鋭く、聖堂全体を俯瞰するような軽い壁抜け現象を引き起こす。OEHMSにオルガンを録らせるとまず間違いなくこういった一級品に仕上がるのは流石と言わざるを得ない。低域パイプの風切りノイズは盛大でリアルな臨場感が引き出せている。
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