2009年 06月 06日
アルペンジロー@阪東橋 |
永らく横浜に住んでいて、この店はなぜか行きそびれていた。以前には横浜駅の岡田屋モアーズ上階や浜スタの近くにも支店があったのだが、気が付いたらなくなって本店のみとなっていた。この本店はどの駅からも徒歩でそれなりの距離があって余り便利な場所とは言えない。
今日は昼頃に関内に用事があり、それが程なく終わった後、霧雨の大通り公園をそぞろ歩いて行ってきた。このカレー屋は横浜を代表するB級グルメとして夙に有名で露出も多いのだが、初めて訪れてみて分かったのは決してB級ではなくきちんとした風格を備えたカレー・レストランであるということだ。
店内は入り口がオープンキッチンをコの字型に取り囲むカウンター席と、脇の出入り口を隔てたテーブル・ダイニングとに別れている。通されたのは奥のダイニングだったが「アルペン・・」の名の通り山小屋のリビング・スペースにいるようなウッディで落ち着ける空間だ。
イミテーションだと思うが壁には薪ストーブなどもしつらえられ、天井には暖かみのある白熱ランプが灯っていた。
私が頼んだのは限定メニューと表示のある煮込み和牛カリー+コースセット、家内が頼んだのがランチメニューで「今週の肉料理カリー」と銘打ったセット。具体的には岩手産若鶏のカリーだ。辛さの指定はこの店独特なもので、私はエベレスト、家内はアイガーとした。
辛さの詳細はホームページのここに説明がある。
オプションのコースセットにはサラダ、スープ、デザート、飲み物(コーヒーか紅茶)が含まれるが、これはランチメニューのセット内容と同一だ。生ビールを頼み喉を潤していると適度な寸法のサラダがサーブされた。酸味の効いたドレッシングに糸唐辛子のピリッとした刺激が合うアピタイザーだ。そして冷製スープだが、コンソメを生クリームその他で溶いた塩分少々強めのくっきりした味だ。中に生の絹ごし豆腐と枝豆が沈んでいた。


ご飯は飯盒で提供される。量は大中小から任意に選べる。少々値は張るが釜飯という選択肢もあり、これは目の前のテーブルで白米から炊き上げるという趣向のもので20分ほど時間を要すると言う。今回はデフォルトである飯盒のライスを頼んだ。
出て来たカリーは鋳鉄製の黒い特製片手鍋に盛られている。一旦加熱してあるので出来たてを触ると火傷する熱さだ。
要するにステーキを載せてサーブする鉄板のちょっと深目の入れ物といった風情だ。
フロア係の女性スタッフから食べ方の説明があった。小麦粉が入っていないサラサラしたソースなのでそのままスープのように掬って飲んでみて欲しいとのこと。
岩手産の鶏はフレッシュでジューシー、それでいて噛めば歯応えも十分に感じられるしっかりとした肉で滋味深い。
煮込み和牛は、要するに上等のビーフシチューと同様の柔らかくほぐれるトロトロの肉塊がゴロンゴロンと入ったものでこれまた極上の旨さだ。
ニンジンやインゲン、じゃがいもが添えられるがこれまたしっかりとした下拵えがされた上等の材料を使っており美味しい。しかも、完全に熱が通っているのに形が一切崩れていない。ナイフを入れれば殆ど抵抗なくスーッっと切れるのだが口に運んで噛み締めると強い粘性が感じられるという絶妙の歯触りで、野菜素材本来の味と香りがそのまま生きているのだ。飯盒から揚げタマネギが振りかけられた暖かいご飯を皿によそい、牛肉や野菜を切り分けつつ適量を載せ、その上からカリーソースでご飯を少々湿らせて口に運ぶ・・。なんとも言えない至福のひとときだ。
黒いカリーソースは単独で直接味わっても美味しいがご飯に掛けても独特の甘みが作用して美味しい。
しかし、このカリーソースは今までどこでも味わったことのない味である。まず甘い。これは野菜エキスが多く溶け込んでいるのと果実系、または果実のチャツネ系の糖分に由来する甘さだ。
次に少々苦い。この味はチョコレートやカカオ豆から来るものではなくターメリックの苦みという気がする。
スパイスはそれなりの種類を調合していて複雑な旨味が出ているのだが、特徴的なのはクローブス(丁字)が大量に使われていると言う点で、このスパイスが持つ独特の甘い香りとちょっと苦く渋めの味が良く出ている。いや出過ぎている位だ。
その他には中庸量のコリアンダー、オールスパイス、僅かな量のカルダモンも感じられる。シナモン、ナツメグ、キャラウェイもアクセントとして極少量使われているかも知れないが、私の嗅覚と味覚の分解能ではこれ以上は追従できない。
という風に見ると、フェネグリークが入っていないので欧風カリーや和風カリーとは当然の事ながら系統が全然違う。さりとてクミンが主要スパイスとして機能していないので南北インド系とも異なる路線だ。とにかくクローブスがメインというカリーソースは初めて味わったかも知れない。その他の味付けだが、塩分はまろやかについているためそのままスプーンで掬っていただいても、ライスにかけても過不足ない調節がされている。


以上、メインディッシュのカリーは十分に堪能し、美しい配置のデザートとイタリアンロースト珈琲までいただいて満腹となった。名店の名に恥じない素晴らしい接客応対サービスであったことも申し添えておく。
アルペンジロー
神奈川県横浜市中区弥生町3-26
TEL 045-261-4307
営業時間:
火~金:
11:00~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:30(L.O.22:00)
土・日・祝:
11:30~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:00(L.O.21:30)
定休日: 月曜日
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
今日は昼頃に関内に用事があり、それが程なく終わった後、霧雨の大通り公園をそぞろ歩いて行ってきた。このカレー屋は横浜を代表するB級グルメとして夙に有名で露出も多いのだが、初めて訪れてみて分かったのは決してB級ではなくきちんとした風格を備えたカレー・レストランであるということだ。 店内は入り口がオープンキッチンをコの字型に取り囲むカウンター席と、脇の出入り口を隔てたテーブル・ダイニングとに別れている。通されたのは奥のダイニングだったが「アルペン・・」の名の通り山小屋のリビング・スペースにいるようなウッディで落ち着ける空間だ。
イミテーションだと思うが壁には薪ストーブなどもしつらえられ、天井には暖かみのある白熱ランプが灯っていた。私が頼んだのは限定メニューと表示のある煮込み和牛カリー+コースセット、家内が頼んだのがランチメニューで「今週の肉料理カリー」と銘打ったセット。具体的には岩手産若鶏のカリーだ。辛さの指定はこの店独特なもので、私はエベレスト、家内はアイガーとした。
辛さの詳細はホームページのここに説明がある。
オプションのコースセットにはサラダ、スープ、デザート、飲み物(コーヒーか紅茶)が含まれるが、これはランチメニューのセット内容と同一だ。生ビールを頼み喉を潤していると適度な寸法のサラダがサーブされた。酸味の効いたドレッシングに糸唐辛子のピリッとした刺激が合うアピタイザーだ。そして冷製スープだが、コンソメを生クリームその他で溶いた塩分少々強めのくっきりした味だ。中に生の絹ごし豆腐と枝豆が沈んでいた。


ご飯は飯盒で提供される。量は大中小から任意に選べる。少々値は張るが釜飯という選択肢もあり、これは目の前のテーブルで白米から炊き上げるという趣向のもので20分ほど時間を要すると言う。今回はデフォルトである飯盒のライスを頼んだ。 出て来たカリーは鋳鉄製の黒い特製片手鍋に盛られている。一旦加熱してあるので出来たてを触ると火傷する熱さだ。
要するにステーキを載せてサーブする鉄板のちょっと深目の入れ物といった風情だ。
フロア係の女性スタッフから食べ方の説明があった。小麦粉が入っていないサラサラしたソースなのでそのままスープのように掬って飲んでみて欲しいとのこと。岩手産の鶏はフレッシュでジューシー、それでいて噛めば歯応えも十分に感じられるしっかりとした肉で滋味深い。
煮込み和牛は、要するに上等のビーフシチューと同様の柔らかくほぐれるトロトロの肉塊がゴロンゴロンと入ったものでこれまた極上の旨さだ。
ニンジンやインゲン、じゃがいもが添えられるがこれまたしっかりとした下拵えがされた上等の材料を使っており美味しい。しかも、完全に熱が通っているのに形が一切崩れていない。ナイフを入れれば殆ど抵抗なくスーッっと切れるのだが口に運んで噛み締めると強い粘性が感じられるという絶妙の歯触りで、野菜素材本来の味と香りがそのまま生きているのだ。飯盒から揚げタマネギが振りかけられた暖かいご飯を皿によそい、牛肉や野菜を切り分けつつ適量を載せ、その上からカリーソースでご飯を少々湿らせて口に運ぶ・・。なんとも言えない至福のひとときだ。
黒いカリーソースは単独で直接味わっても美味しいがご飯に掛けても独特の甘みが作用して美味しい。しかし、このカリーソースは今までどこでも味わったことのない味である。まず甘い。これは野菜エキスが多く溶け込んでいるのと果実系、または果実のチャツネ系の糖分に由来する甘さだ。
次に少々苦い。この味はチョコレートやカカオ豆から来るものではなくターメリックの苦みという気がする。
スパイスはそれなりの種類を調合していて複雑な旨味が出ているのだが、特徴的なのはクローブス(丁字)が大量に使われていると言う点で、このスパイスが持つ独特の甘い香りとちょっと苦く渋めの味が良く出ている。いや出過ぎている位だ。その他には中庸量のコリアンダー、オールスパイス、僅かな量のカルダモンも感じられる。シナモン、ナツメグ、キャラウェイもアクセントとして極少量使われているかも知れないが、私の嗅覚と味覚の分解能ではこれ以上は追従できない。
という風に見ると、フェネグリークが入っていないので欧風カリーや和風カリーとは当然の事ながら系統が全然違う。さりとてクミンが主要スパイスとして機能していないので南北インド系とも異なる路線だ。とにかくクローブスがメインというカリーソースは初めて味わったかも知れない。その他の味付けだが、塩分はまろやかについているためそのままスプーンで掬っていただいても、ライスにかけても過不足ない調節がされている。


以上、メインディッシュのカリーは十分に堪能し、美しい配置のデザートとイタリアンロースト珈琲までいただいて満腹となった。名店の名に恥じない素晴らしい接客応対サービスであったことも申し添えておく。
アルペンジロー 神奈川県横浜市中区弥生町3-26
TEL 045-261-4307
営業時間:
火~金:
11:00~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:30(L.O.22:00)
土・日・祝:
11:30~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:00(L.O.21:30)
定休日: 月曜日
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by primex64
| 2009-06-06 19:38
| My dishes -Curry
|
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タイトル : 横浜カリー アルペンジロー(ALPIN JIRO)
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タイトル : カレーをカリーと呼ぶお店、アルペンジロー。
カレーだかカリーだかは別にたいした問題ではないんだけれど、 本当はどっちが正しいんや?? まぁそんなこともどっちでもイイと言えばどっちでもええねんけどな(笑) きっと社長にはコダワリがあるんだろうケレドね。 んー、相変わらず時系列がメチャクチャですが、 大通り公園沿いにある、カレー専門店の横浜カリー『アルペンジロー』に行ってきました。 山小屋風の作りが、秋風にマッチしていて中の灯火のありがたさが体に沁みましたわ。(笑) 何しろ「アルペン」やしね。裏の大通りに風俗店が乱立する場...... more
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タイトル : アルペンジロー
リッチなスープカレー(神奈川県横浜市) コクのあるスープに、大きな肉や野菜が入ったスープカレー。そのスタイルが札幌で確立する以前から、横浜には独自のスープカレーで勝負している店があります。 それが「アルペンジロー」。創業は1985年。 横浜市中区の弥....... more
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おお~、高評価。
昔から愛用している身として嬉しいですわ。
常用には向かない価格設定だけど、個性的なお店として人に紹介するにも良いお店です。
相変わらずスパイスの分析が見事ですね~。
この辺は知識が全くないので分析なんて全く無理です。(^^;
昔から愛用している身として嬉しいですわ。
常用には向かない価格設定だけど、個性的なお店として人に紹介するにも良いお店です。
相変わらずスパイスの分析が見事ですね~。
この辺は知識が全くないので分析なんて全く無理です。(^^;
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