J.S.Bach: Sonatas & Partitas BWV1001-1006@Viktoria Mullova - 1 |
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< CD 1 >
Sonata No. 1 in G minor BWV1001
1 I Adagio
2 II Fuga: Allegro
3 III Siciliana
4 IV Presto
Partita No. 1 in B minor BWV1002
5 I Allemanda
6 II Double
7 III Corrente
8 IV Double: Presto
9 V Sarabande
10 VI Double
11 VII Tempo di Borea
12 VIII Double
Sonata No. 2 in A minor BWV1003
13 I Grave
14 II Fuga
15 III Andante
16 IV Allegro
Viktoria Mullova(Vn)
この6曲はバッハ作品中でも最も著名な作品の一つであり、無伴奏独奏曲としては作曲家や時代をも超えた名作として数えられる曲たちだ。BWV番号は1001から1006までがアサインされていて奇数番がソナタ、偶数番がパルティータとなっている。このアルバムは慣例によりBWV番号順に並べていて、一枚目には前半のBWV1001~1003を収めている。
ムローヴァの前作は素晴らしい出来映えのCem & Vnソナタ全集だった。ナチュラルにして清冽、そしてクール・ビューティと形容するにふさわしい辛口のバッハ解釈だったわけだが、その後この延長線上の解釈による無伴奏が出るのを心待ちにしていたわけだ。
リリース直後からあちこちで絶賛されているので今更ながらここで美辞麗句を並べ立てようとは思わないが、暫く聴き込んだ上での所感をいくつか書こうと思う。
BWV1001の2楽章はダブルストップ(重音奏法)が嵐のように並んでいる難曲中の難曲。優秀なVn奏者であっても譜面通りの操弓動作を行うだけで精一杯で、弦と弓に振り回されているかの演奏が多い中、ムローヴァのダブルストップは非常に自然で無理がない。まるで2挺のVnで弾かれているような感覚だ。
BWV1002の冒頭楽章はG線の深々とした対旋律と明瞭なC線との対話が重厚な名曲なのだが、ここでのムローヴァの瞑想的かつ求道的な弾き方は出色。さりとて息苦しく感じることはなくあくまでナチュラルな質感だ。2楽章は一転して単旋律スケールとなるのであるが、ここでは小節の入りで強奏される単弦の残響を頭内残像としてイメージさせる仮想的な対位法表現が実に巧みだ。
BWV1003は長いフーガも良いが、やはり聴き所は3~4楽章だ。3楽章のダブルストップの連続部分は見事としか言いようがない。どう聴いても2挺で弾いている感じ。一気呵成に最終楽章に入るが、荒れた弾きっぷりには決してならずヴィブラートを極小に抑えたクールさが光る。
(続く)
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