マイナスイオン・ディスク - 2 |
まず、余り深く考えずに処理して試したのがこのCDだが、これは15年ほど前、世界的に大ヒットしたスウェーディッシュ・ポップスのアルバムだ。この中の「カーニヴァル」は日本でもミリオンヒットとなったいわゆるユーロ・ビートの小洒落た曲で、いまだに記憶に残している人も多いのではないか。故あって同僚から借りていたもの。 曲はともかく、このアルバムの音質は酷く、まるでアマチュアがその辺のラジカセで録って出ししたような出来映えなのだ。
ギターその他の旋律楽器は歪みっぱなし、ボーカルは痩せて鼻つまみのナローレンジ、ドラムスに至っては玩具の太鼓を猿が叩いているような劣悪さなのだ。まずは処理前の原盤をCD-Rにバックアップしてから小一時間マイナスイオン・ディスクを載せておいた。
プレイ・ボタンを押した瞬間に唖然としてしまった。全然違う音に化けてしまった。カーニヴァルを通しで聴いたが、まず歪み臭さがなくなり電気ギターの艶やかで伸びやかな弦に圧倒される。重低音こそ出ていないが電気ベースの深々とした太い音程はピラミッドバランスを再現、ボーカルは多少レトロな感じでこれはもともとそう言ったイコライジングのようだが鼻つまみ現象はとれている。一番違うのがドラムスで、これは普通に戻ったという感じで聴いていて違和感がない。全般に控えめでクールなリバーブが掛かっているのだがこれが実に北欧っぽくて夢見る気分なのだ。
これはどうしたことか? こんなにも違った音になって良いのであろうか・・? ということで疑り深い私はCD-Rにバックアップした原盤イメージを再度検聴することは怠らないw 処理済みCDを取り出してCD-Rをセットして再生開始。
「、、、、、」
うーん、元通りの酷い音だ。ここまで違えばプラシーボ効果を疑うまでもない。更に違いを明確に聞き取るため未処理イメージをDP-85、処理後イメージをDP-70Vにセットしてレベル合わせをしてから同時スタートさせる。尚、この2機種はリモコンのコマンド・コードが全く同じなので一台のリモコンでプレイを一回だけ押せば厳密に同時スタートするのだ。Mark Levinson No.38Lの入力セレクタをリモコンで切り替えつつ同時モニターする。
「、、、、、」
全然違うマスタリングを聴いている風情だ。処理済みイメージがマスター原盤で、未処理イメージがそれの劣化コピーと言われたら10人中9人は至極納得するであろう。
ということで、まさに驚愕の体験であった。
その後、このCDは同僚に返却した。だがしかし、話しはこれで終わらない。返した翌日この同僚から呼び止められた。昨晩久し振りにこのCDに針を降ろしたところ音が全然変わってしまい、つまり音質が明らかに向上しているのだが、何かおまじないでも施したのか? と訊くのだ。確かに、返却するずっと前からそのCDを携えて出社するまでの間、ずっとマイナスイオン・ディスクを密着させていたのだが・・。
事情を話すと俄には信じられないという。それはそうだろう。この同僚も用心深い性格らしく、なんと以前にiTunesでリッピングしたイメージと前の晩に処理済みCDをリッピングしたイメージの双方をiPodに入れていて比較したというのだ。彼はこのiPodを実際に会社に持って来ていたので聴かせてもらったが、まさに自宅の試聴で起きたことと同じことがiPod上で起きていたのだ。普通のCDプレーヤで効果が認められるのは分かるがリッピングであっても差が明確に分かるとは恐るべし・・。
(続く)
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