Les Grandes Eaux Musicales De Versailles@Rousset/Les Talens Lyriques |
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Les Grandes Eaux Musicales de Versailles
ヴェルサイユ宮殿の大きな噴水のための音楽 ~大噴水ショー
Desmarest: デマレ
Venus & Adonis (extracts)
Gluck: グルック
Tempesta con Fulmini from Bauci e Filemone
Lully: リュリ
Roland Overture
Marche pour les suivants de la Fortune from Persee
Premier Air des violons et Second Air des hautbois from Persee
Premier Air des Jeux Junoniens from Persee
Second Air des Jeux Junoniens from Persee
Troisieme Air des Jeux Junoniens from Persee
Entree des Nymphes guerrieres from Persee
Entree des Divinitez infernales from Persee
Entree des Fantosmes from Persee
Gigue from Persee
Air de l’Ethiopien “Nostre espoir alloit faire…” from Persee
Passacaille from Persee
Air final from Persee
Roland (excerpts)
Porpora: ポルポラ
'Alto Giove' from Polifemo
Rameau: ラモー
Nais Overture
Zais Overture
Acante et Cephise Overture
Les Talens Lyriques, Christophe Rousset (director)
ル・タラン・リリク、クリストフ・ルセ(指揮)
ライナーによれば、夏のヴェルサイユ宮殿では庭園の随所に配された立派な噴水や小さな湖(池)を訪問者がそぞろ歩きして巡る時、古来より音楽を奏でるという慣行があったそうで、昨今では庭園のあちらこちらに控えめに配置されたスピーカーから古楽を流して涼やかさを掻き立てているんだそうだ。
なんとも典雅な習慣なのだが、日本の庭園でも池の周りの飛び石に打ち水をしたり休憩所の端っこに鹿威(ししおどし)や蹲(つくばい)を配したり、さらには木陰で密やかに十七弦(琴)を演奏したりして涼を演出するということは古来から行われていることと思う。
最初は弦楽小編成のデマレ、グルックの作品から始まるが、リュリの歌劇ロランの序曲では大小の太鼓を加え、更に金管が加わって厚みを増し、そして独唱・合唱までが層をなして爽やかな風情を醸してくる。
しかし、デマレ、ポルポラとは名前を耳にするのも初めての作曲家だ。典型的なバロック期の音楽を書いた人であり、毒や影のない直線的な旋律が特徴といえば特徴だが、単調といえば単調かもしれない。ラモーはちょっとやるせない雰囲気も感じられるが概ね優しく、そしてリュリの色彩感に満ちた旋律と軽量な和声展開は、やはり当時のフランス王朝に仕えた宮廷楽士の重鎮ならではの晴れやかさかも知れない。
(録音評)
naive ambroisie、AM167、通常CD。このアルバムは過去のル・タラン・リリクの古いDECCA音源とnaiveで新しく追加した音源を並べたものである。尚、順番はばらばらだ。しかし音楽的な背景としては不連続感はなく、うまくまとまっている。
音質は高域にシズル感を混ぜたnaive独特のもので、まさに噴水が水飛沫を上げている様がそのまま音に現れていると言える調音だ。しかし、途中で大小の太鼓が登場するや低域へのレンジが拡がったり金管のビームが鋭く飛び交ったりと、よくよく聴くと芸が細かいし、間接音やアンビエンスも豊富に含まれている。合唱・独唱の捉え方も独特の爽やかさであって、あくまでも環境音楽としての仕上げを意識したようだ。
naiveならではのちょっと変わり種のアルバムだ。
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