2009年 04月 08日
J.S.Bach: Cantata BWV54 Etc@Otter, Mortensen/Concerto Copenhagen |
アルヒーフの輸入新譜から、アンネ・ソフィー・フォン・オッターが歌うバッハのアリア集。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3530907
J.S.バッハ:カンタータからのアリア集
・カンタータ第54番 BWV.54より~「罪に手むかうべし」
・カンタータ第197番 BWV.197~アリア「満ち足れる愉悦、健やかなる繁栄」
・カンタータ第99番 BWV.99~アリア・デュエット「十字架の苦しみと」
・マタイ受難曲 BWV.244 第2部~アリア第47番「主よ、憐れみたまえ」
・カンタータ第30番 BWV.30~第5曲アリア「来たれ アダムの末なる民」
・カンタータ第35番 BWV.35~シンフォニア
・カンタータ第74番 BWV.74より~アリア「何ひとつ私を救うことのできるものはありません」
・カンタータ第12番 BWV.12~シンフォニア
・ミサ曲ロ短調 BWV.232~アニュス・デイ
・マニフィカト BWV.243~アリア(デュエット)「その憐れみは」
・カンタータ第60番 BWV.60~デュエット「おお永遠、そは雷のことば…われ汝を待ち望む」
・カンタータ第117番 BWV117~「讃美と栄光 至高の善なる者にあれ」
・カンタータ第61番BWV.61~アリア「開け、わが心よ」
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
コンチェルト・コペンハーゲン(ピリオド楽器使用)
ラース・ウルリク・モルテンセン(指揮)、他
レクイエムや復活などをずっと聴いていると気が滅入るし耳も疲れる。そこでオッターの美声でちょっと耳の修復w オッターは超有名な歌手で、オペラや古典派~ロマン派専門のバリバリのメゾという印象があるが、実はバッハを中心としたバロック研究のキャリアが長く、彼女自身もこの分野が最も好きなジャンルという。そういうオッター自身が選曲したアルバムだそうで、どれもがBWV(バッハ作品目録番号)が若いもので(因みにBWV1~231=カンタータ&モテット、BWV232~243=ミサ曲)、有名なところではBWV54、BWV244(マタイ受難曲)、BWV232(ロ短調ミサ曲)から抜粋が入っているが、それ以外は敢えて露出機会の少ない隠れた名曲を選んだのだそうだ。
冒頭に明るく華やいだBWV54を持って来たところが構成としては成功だ。BWV232からAgnus Dei(アニュス・デイ=神の仔羊)も良いし、器楽だけのシンフォニアも耳に優しく落ち着ける。
それ以外のどれもが美しく純朴なメロディー・ラインで聴いていて凄く癒されるアルバムだ。オッターの声はとても優しくて、まるで全身を真綿でくるまれているような感触に浸れる。リート唱法とはまた違ったカンタータ風の歌い方も良いものだ。オリジナル楽器/ピリオド奏法の権威=モルテンセンが率いるコンチェルト・コペンハーゲンのキリリとしたサポートは邪魔にならず好印象、時折出現するヴィオール属の古風な響きもまた良いし、モルテンセン自身のチェンバロ/オルガンも無駄がなく秀逸だ。
(録音評)
DG Archivレーベル、4777467、通常CD。録音は2008年6月28~30日、コペンハーゲン、ガーニソン教会でのセッション録り。30年前と殆ど変わらないスムーズ&スウィートなアルヒーフの音がちゃんと保たれていて妙な感慨に耽りながら聴いた。現在ではデジタル録音方式に移行はしたが、恐らく、当時のLPレコードの音を忠実に現代に伝えようという意図での調音が施されているのだと思う。この甘美なアルヒーフ・サウンドはテレフンケン製のマルチトラック・レコーダーに由来するものだと知っている人は随分減ったのではないか。
定位も良く、またオッターとその他アシストに入った歌手の声はステレオマイクで録られていてコンチェルト・コペンハーゲンの演奏とはシームレスな一体感がある(声はアフレコではなくアンサンブルとの同時録りと思われる)。
我が家のメイン・スピーカーであるThielのCS7.2は元々スムーズ&スウィートなキャラクタが少しあり、またeAR1001の高域にも僅かなシズル感が乗っていたりして、この盤の音色とはシナジー効果を発揮し、かなりフローラルな音に聞こえる。
(あとがき)
オッターの新譜がなぜアルヒーフから出ているのか? と最初は怪訝に思った。だが、アルヒーフは今やDG/ユニバーサル傘下の一つの部門となっており、DG専属のオッターがバッハを古楽専門のアルヒーフ側に入れたとしても不思議ではないという理屈だ。もの凄く乱暴な例示をするなら、トヨタのレクサスがスバル販売店のショールームに飾ってあるようなもの(=勿論、現時点ではこのような光景は見られないが・・)。
尚、ユニバーサルは国内販社(=ユニバーサル・ジャパン)が営業しているためか同一内容の国内盤も6月にリリースされるようだ。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
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J.S.バッハ:カンタータからのアリア集
・カンタータ第54番 BWV.54より~「罪に手むかうべし」
・カンタータ第197番 BWV.197~アリア「満ち足れる愉悦、健やかなる繁栄」
・カンタータ第99番 BWV.99~アリア・デュエット「十字架の苦しみと」
・マタイ受難曲 BWV.244 第2部~アリア第47番「主よ、憐れみたまえ」
・カンタータ第30番 BWV.30~第5曲アリア「来たれ アダムの末なる民」
・カンタータ第35番 BWV.35~シンフォニア
・カンタータ第74番 BWV.74より~アリア「何ひとつ私を救うことのできるものはありません」
・カンタータ第12番 BWV.12~シンフォニア
・ミサ曲ロ短調 BWV.232~アニュス・デイ
・マニフィカト BWV.243~アリア(デュエット)「その憐れみは」
・カンタータ第60番 BWV.60~デュエット「おお永遠、そは雷のことば…われ汝を待ち望む」
・カンタータ第117番 BWV117~「讃美と栄光 至高の善なる者にあれ」
・カンタータ第61番BWV.61~アリア「開け、わが心よ」
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
コンチェルト・コペンハーゲン(ピリオド楽器使用)
ラース・ウルリク・モルテンセン(指揮)、他
レクイエムや復活などをずっと聴いていると気が滅入るし耳も疲れる。そこでオッターの美声でちょっと耳の修復w オッターは超有名な歌手で、オペラや古典派~ロマン派専門のバリバリのメゾという印象があるが、実はバッハを中心としたバロック研究のキャリアが長く、彼女自身もこの分野が最も好きなジャンルという。そういうオッター自身が選曲したアルバムだそうで、どれもがBWV(バッハ作品目録番号)が若いもので(因みにBWV1~231=カンタータ&モテット、BWV232~243=ミサ曲)、有名なところではBWV54、BWV244(マタイ受難曲)、BWV232(ロ短調ミサ曲)から抜粋が入っているが、それ以外は敢えて露出機会の少ない隠れた名曲を選んだのだそうだ。
冒頭に明るく華やいだBWV54を持って来たところが構成としては成功だ。BWV232からAgnus Dei(アニュス・デイ=神の仔羊)も良いし、器楽だけのシンフォニアも耳に優しく落ち着ける。
それ以外のどれもが美しく純朴なメロディー・ラインで聴いていて凄く癒されるアルバムだ。オッターの声はとても優しくて、まるで全身を真綿でくるまれているような感触に浸れる。リート唱法とはまた違ったカンタータ風の歌い方も良いものだ。オリジナル楽器/ピリオド奏法の権威=モルテンセンが率いるコンチェルト・コペンハーゲンのキリリとしたサポートは邪魔にならず好印象、時折出現するヴィオール属の古風な響きもまた良いし、モルテンセン自身のチェンバロ/オルガンも無駄がなく秀逸だ。
(録音評)
DG Archivレーベル、4777467、通常CD。録音は2008年6月28~30日、コペンハーゲン、ガーニソン教会でのセッション録り。30年前と殆ど変わらないスムーズ&スウィートなアルヒーフの音がちゃんと保たれていて妙な感慨に耽りながら聴いた。現在ではデジタル録音方式に移行はしたが、恐らく、当時のLPレコードの音を忠実に現代に伝えようという意図での調音が施されているのだと思う。この甘美なアルヒーフ・サウンドはテレフンケン製のマルチトラック・レコーダーに由来するものだと知っている人は随分減ったのではないか。
定位も良く、またオッターとその他アシストに入った歌手の声はステレオマイクで録られていてコンチェルト・コペンハーゲンの演奏とはシームレスな一体感がある(声はアフレコではなくアンサンブルとの同時録りと思われる)。
我が家のメイン・スピーカーであるThielのCS7.2は元々スムーズ&スウィートなキャラクタが少しあり、またeAR1001の高域にも僅かなシズル感が乗っていたりして、この盤の音色とはシナジー効果を発揮し、かなりフローラルな音に聞こえる。
(あとがき)
オッターの新譜がなぜアルヒーフから出ているのか? と最初は怪訝に思った。だが、アルヒーフは今やDG/ユニバーサル傘下の一つの部門となっており、DG専属のオッターがバッハを古楽専門のアルヒーフ側に入れたとしても不思議ではないという理屈だ。もの凄く乱暴な例示をするなら、トヨタのレクサスがスバル販売店のショールームに飾ってあるようなもの(=勿論、現時点ではこのような光景は見られないが・・)。
尚、ユニバーサルは国内販社(=ユニバーサル・ジャパン)が営業しているためか同一内容の国内盤も6月にリリースされるようだ。
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by primex64
| 2009-04-08 11:13
| Vocal
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