Wandern mit Strauß, Schubert, Brahms@Vienna Horns, Art of Brass Vienna |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2820125
ウィンナ・ホルンズ(全10トラック)
・原光(マーラー)
・美しさをあなたが愛するなら(マーラー)
・ヴィネタ(ブラームス)
・夜(シューベルト)
・狩猟の歌(メンデルスゾーン)
・静かな湖(ミッテルグラトネッガー)
・森の夜(ブラームス)
・王様のファンファーレ(フランツ・シュミット)
・第4交響曲よりスケルツォ(ブルックナー)
・祈り(民謡)
アート・オヴ・ブラス(全8トラック)
・ハンガリー万歳(J.シュトラウス)
・最初のワルツ(シューベルト)
・雷鳴と電光(J.シュトラウス)
・スンネの秋(ハインリヒ・ブルックナー)
・悪魔の踊り(ヘルメスベルガー)
・ゴイセラー・ヨーデル
・スティリアの3声のヨーデル(民謡)
・山賊のギャロップ(J.シュトラウス)
ウィンナ・ホルンズ:
W.トンベック、J.ライフ、T.ビーバー、A.ハイツィンガー、W.ライトバウアー、F.オバーミュラー、
F.ピックル、T.イェプシュトル、R.シュテッフェルマイアー、H.ペンツィンガー、M.オブマン、
G.クルマー、C.ペハム、T.フィッシャー(以上ウィンナHr)
エルヴィン・ファルク(ティンパニ)
アート・オヴ・ブラス・ウィーン:
ハインリヒ・ブルックナー(Trp)
ペーター・フリーヒャー(Trp)
トーマス・ビーバー(ウィンナHorn)
エーリヒ・コイェダー(Trb)
ジョナサン・サス(Tuba)
このCDは先日開催されたkenjiさん(23blog主宰)宅のThiel CS2.3お披露目オフ会に持ち込んで好評を博したもの。ホルン始め金管楽器の超絶的な演奏がこれでもか! と縦横無尽に襲ってくる内容で、扱っているのがオーストリアの民謡からJシュトラウス、シューベルト、ブラームス、メンデルスゾーン、ブルックナー、マーラーまでと実に多彩。しかも、そこそこ規模感のある曲のトランスクリプションが殆どで、それを高速にして正確無比に吹き進めていくという手に汗握る展開なのだ。
この手の際物、いやゲテモノCDは根底に一種のパロディ的な要素がありあり、というケースが多いのであるが、ここに出てくる二つの金管アンサンブルは真面目も真面目、大真面目なのだ。日本の多くのオケの場合、金管楽器、特にホルンの技巧に関しては目を覆うものがあり、コンサートに出向いてもホルンの出番が巡ってくると聴く側が肩を怒らせて破綻に備えるという何とも情けない有様なのだが、この人たちの演奏は100%安心して聴いていられる巧さだ。因みに最初から最後までじっくりと聴いたが、僅かな破綻も発見することは出来なかった。
圧巻なのは(と言うか全てが圧巻だが・・)、ブル4の3楽章スケルツォで、下手なオケの演奏よりも色彩感が強くて金管ビームの風圧にやられてしまう。
白眉はなんと言ってもマラ2復活の4楽章(原光)。ホルン、それもウィーン伝統のF管シングル・キーであるウィンナ・ホルンだけで荘厳に吹かれるこの部分はまるでフルオケをバックにコントラルトが切々と歌っているような錯覚に囚われてしまう。単一楽器群がこれだけのスケール感と多彩なトナリティを表現するとはまさに驚愕である。
このCDは単にアクロバティックな演奏技法のみをひけらかすようなアルバムではなく、伝統的なホルン演奏を求道的に極めた結果が確かにここにある、と言える素晴らしい演奏だ。
※注)HMVの曲目リストはウィンナ・ホルンズとアート・オブ・ブラス・ウィーンの演奏が分けて書いてあるが、実際のトラック構成は割とバラバラな配置となっている
(録音評)
Orf Classicsレーベル、CD483、通常CD。音質は極めて優秀だ。静謐で漆黒の背景にホルン隊、その他金管隊が極彩色の絵巻を3次元で描きまくるという前代未聞のプログラムにしてこの極上の音質は何ものにも代え難い異彩を放っている。録音自体の色彩感は殆どなく、地味で極めて透過性の高い高忠実度録音だ。
因みに、ライナーにはここで使われているホルンはヤマハが提供しているというクレジットが明記されている。聴きながらずっと古楽器で演奏されているものと思っていたのだが、これはちょっと意外だった。
(あとがき)
このところ天気が悪く雨模様が続いている。聞くところによるとこの2月は気象観測史上2番目の暖冬だということで、確かに身に沁みる寒さはない。こういったはっきりしない日には寄り道せず早めに帰宅し、どっぷりと音楽に浸るのがよろしいかも・・。
しかし、肌を切るような寒さでも構わないからすっきり晴れ上がった空がそろそろ見たいものだ。
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しかし綺麗な色調のジャケットですねえ。素晴らしいです。なぜかジャケットデザインの善いアルバムは内容も素晴らしいです。
>ひと足早い菜種梅雨らしいです。
えーー! 早すぎませんか・・orz ラニーニャの影響でしょうかね? 天気が変です。
このジャケット、油絵かなにかで、オーストリアの山間の集落を描いたものです。日本で言えば里山の風景でしょうか・・。とても癒やされる絵ですが、中味にも癒やされます。おっしゃる通り良いジャケのCDは内容も良いものが多い気がしますねww