2009年 01月 19日
Chopin: Mazurkas@Iddo Bar-Shai |
MIRAREの新譜から、新進気鋭のイド・バル=シャイが弾くショパン・マズルカのハイライト。三十歳をちょっと超えたところで精力的に活動を開始したようで、ラ・ロック=ダンテロン、LFJのナント&東京などの音楽祭での露出が増えているようだ。因みにルドルフ・バルシャイという作曲家/指揮者がいるが、このピアニストとは関係はない。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2806193
ショパン:
・マズルカ47番イ短調
・マズルカ7番ヘ短調
・4つのマズルカOp.17
10番変ロ長調、11番ホ短調、12番変イ長調、13番イ短調
・マズルカ56番変ロ長調
・4つのマズルカOp.24
14番ト短調、15番ハ長調、16番変イ長調、17番変ロ短調
・マズルカ42番ト長調
・マズルカ44番ハ長調
・4つのマズルカ Op.30
18番ハ短調、19番ロ短調、20番変ニ長調、21番嬰ハ短調
・4つのマズルカ Op.33
22番嬰ト短調、23番ニ長調、24番ハ長調、25番ロ短調
・マズルカ26番嬰ハ短調
・マズルカ29番変イ長調
・マズルカ42番イ短調「エミール・ガイヤール」
・マズルカ32番嬰ハ短調
・マズルカ45番イ短調
・マズルカ43番ト短調
・マズルカ40番ヘ短調
・マズルカ41番嬰ハ短調
・マズルカ49番ヘ短調
イド・バル=シャイ(ピアノ)
ショパンは生涯で58曲のマズルカを作曲したとされる。その中で一般に演奏・録音されるのはOp.6からOp.68までの作品番号のついた曲集形式の49曲である。マズルカという楽曲形式の成り立ちなどは、アシュケナージのマズルカ全集、その続編に詳しく書いている。
まず、この人のピアノの音はとても綺麗だ。雑な音は殆ど出て来ないしフィンガーノイズも極めて少ない。そしてキータッチは繊細さと剛直さの出し入れが巧妙であって硬軟使い分けの人。そして駆け抜けるパッセージの速さは特筆に値し、これは現代でのユンディ・リーを凌ぎ、若い頃のスタニスラフ・ブーニンを彷彿とさせるものがある。
この人のマズルカの解釈は一種独特だ。今どき珍しくテンポ・ルバートを基調とした大きく揺れるような官能的な弾き方で、デュナーミクも多彩に織り交ぜたダイナミックレンジの大きな演奏だ。そうは言っても情感込めすぎのべたべたとしたショパンではなく、持ち前の速い鍵盤捌きを最大限に生かしたフェザータッチの軽量のスケール・和音・トリルが強い疾駆感を演出している。
Op.17#4(第13番イ短調)のさざ波のように揺れる半音階で上昇及び下降するスケールとトリル、分散和音などはこの人の極致の一つで、とかく重たくなりがちの暗鬱な旋律と和声を、軽やかに、しかしうねるような大きな感情表現を用いて描いている。
かと思えば勇壮で明るいOp.30#3(第20番変ニ長調)は一転して剛直で直進性の強い解釈を見せる。しかし、それでいて乱雑に弾き殴るというのではなく、ある程度起伏を抑制した丁寧なデュナーミクと僅かなアゴーギクをちゃんと忍ばせていて、朗々とした中にもロマンチックなプレゼンスを忘れてはいない。
全体としてみればクリスタルガラスのような繊細で透明、きらきらと輝く演奏をする人物で、解釈は知的でクールな中にも理性的な情感表出を込めたもの。新しい時代の息吹を感じさせてくれる軽やかに疾駆するマズルカだ。ショパンの他の作品も聴いてみたいもの。
昨年後半からここまで秀逸に整ったピアノ演奏作品が多く、どうも今年の音楽シーンにおける一つの焦点はピアニストということになるかも知れないという予感がする。
(録音評)
MIRARE、MIR075、通常CD。いつもの典型的なMIRARE高音質ピアノ録音だ。例によってサウンドステージの中庸に位置する楽器と奏者はディテールが彫り深く捉えられている。但し、 バル=シャイの発する上部雑音は極めて少ないので背景のS/Nはより良好に聞こえる。ソリッドで細身のスタインウェイが溌剌と綺麗に弾き上げられている。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。

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ショパン:
・マズルカ47番イ短調
・マズルカ7番ヘ短調
・4つのマズルカOp.17
10番変ロ長調、11番ホ短調、12番変イ長調、13番イ短調
・マズルカ56番変ロ長調
・4つのマズルカOp.24
14番ト短調、15番ハ長調、16番変イ長調、17番変ロ短調
・マズルカ42番ト長調
・マズルカ44番ハ長調
・4つのマズルカ Op.30
18番ハ短調、19番ロ短調、20番変ニ長調、21番嬰ハ短調
・4つのマズルカ Op.33
22番嬰ト短調、23番ニ長調、24番ハ長調、25番ロ短調
・マズルカ26番嬰ハ短調
・マズルカ29番変イ長調
・マズルカ42番イ短調「エミール・ガイヤール」
・マズルカ32番嬰ハ短調
・マズルカ45番イ短調
・マズルカ43番ト短調
・マズルカ40番ヘ短調
・マズルカ41番嬰ハ短調
・マズルカ49番ヘ短調
イド・バル=シャイ(ピアノ)
ショパンは生涯で58曲のマズルカを作曲したとされる。その中で一般に演奏・録音されるのはOp.6からOp.68までの作品番号のついた曲集形式の49曲である。マズルカという楽曲形式の成り立ちなどは、アシュケナージのマズルカ全集、その続編に詳しく書いている。
まず、この人のピアノの音はとても綺麗だ。雑な音は殆ど出て来ないしフィンガーノイズも極めて少ない。そしてキータッチは繊細さと剛直さの出し入れが巧妙であって硬軟使い分けの人。そして駆け抜けるパッセージの速さは特筆に値し、これは現代でのユンディ・リーを凌ぎ、若い頃のスタニスラフ・ブーニンを彷彿とさせるものがある。
この人のマズルカの解釈は一種独特だ。今どき珍しくテンポ・ルバートを基調とした大きく揺れるような官能的な弾き方で、デュナーミクも多彩に織り交ぜたダイナミックレンジの大きな演奏だ。そうは言っても情感込めすぎのべたべたとしたショパンではなく、持ち前の速い鍵盤捌きを最大限に生かしたフェザータッチの軽量のスケール・和音・トリルが強い疾駆感を演出している。
Op.17#4(第13番イ短調)のさざ波のように揺れる半音階で上昇及び下降するスケールとトリル、分散和音などはこの人の極致の一つで、とかく重たくなりがちの暗鬱な旋律と和声を、軽やかに、しかしうねるような大きな感情表現を用いて描いている。
かと思えば勇壮で明るいOp.30#3(第20番変ニ長調)は一転して剛直で直進性の強い解釈を見せる。しかし、それでいて乱雑に弾き殴るというのではなく、ある程度起伏を抑制した丁寧なデュナーミクと僅かなアゴーギクをちゃんと忍ばせていて、朗々とした中にもロマンチックなプレゼンスを忘れてはいない。
全体としてみればクリスタルガラスのような繊細で透明、きらきらと輝く演奏をする人物で、解釈は知的でクールな中にも理性的な情感表出を込めたもの。新しい時代の息吹を感じさせてくれる軽やかに疾駆するマズルカだ。ショパンの他の作品も聴いてみたいもの。
昨年後半からここまで秀逸に整ったピアノ演奏作品が多く、どうも今年の音楽シーンにおける一つの焦点はピアニストということになるかも知れないという予感がする。
(録音評)
MIRARE、MIR075、通常CD。いつもの典型的なMIRARE高音質ピアノ録音だ。例によってサウンドステージの中庸に位置する楽器と奏者はディテールが彫り深く捉えられている。但し、 バル=シャイの発する上部雑音は極めて少ないので背景のS/Nはより良好に聞こえる。ソリッドで細身のスタインウェイが溌剌と綺麗に弾き上げられている。
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by primex64
| 2009-01-19 10:03
| Solo - Pf
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