2009年 01月 12日
Rodrigo: Concerto de Aranjuez@Moretti, Colomer/Seville Royal SO. |
昨年末のnaiveの新譜で、ハープ版アランフェス。正確に言うと新譜ではなくて旧版をスタンダード・クラシックの定番シリーズとして復刻させたものだ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2648263
instants classiques ~クラシックの瞬間(とき)
ナイーブレーベルから、クラシック音楽の様々な時代、瞬間のエッセンスを1枚にぎゅっと閉じ込めたシリーズの登場。全15タイトル、どれも珠玉のトラックが並び、お買い得価格となっています。廃盤となっていたアレッサンドリーニによる『スターバト・マーテル』、『グローリア』や大ヒット映画『カストラート』のサントラが復活していたりと、熱心なファンにも見逃せないものが含まれています。(以上、キングインターナショナルのコメンタリー)
“スペインの魂”ロドリーゴ作品集
傑作『アランフェス』のハープ版ほか、名手モレッティによるロドリーゴ
ロドリーゴ:
・Concierto de Aranjuez (for Harpe)アランフェス協奏曲(ハープ版)
Allegro con spirito
Adagio
Allegro gentile
・Sones en la Giralda ヒラルダの調べ(セビリャ幻想)
Lento
Allegro vivace - Tempo de Sevilla - Molto ritmico
・Concierto Serenata セレナータ協奏曲
Estudiantina
Intermezzo con aria
Sarao
Isabelle Moretti イザベル・モレッティ(ハープ)
Edmon Colomer エドモン・コロマー(指揮)
Seville Royal Symphony Orchestra セビリャ王立管弦楽団
このシリーズは全15タイトルを出すそうで、これはそのうちの一枚。とても気持ちの良い、それでいてイベリア独特の薫りがするアルバムだ。
ヒラルダの調べというのは初めて聴いた。というか、ロドリーゴの作品で知っているのはアランフェスとセレナータ協奏曲だけだったりする。しかもセレナータ協奏曲についても余り聴き込んでいる訳ではない。尚、アランフェスは言うまでもないがギター協奏曲であり、このCDでは名ハーピスト・イザベル・モレッティがギター・パートをハープで弾いている。その他の作品は元々がハープ協奏曲の形態だ。
ハープはギターと原理的には同等の撥弦楽器なのだが、共鳴胴の構造がかなり異なっているのと、基本的にはピアノなどと同様に音程一つに対して一組の弦が独立して張ってあるため音程調整のためのフィンガーボードやフレットは存在しない。このアランフェスは、ギターを演奏する時のノイズ--つまりネック上の弦を左右に走る指で擦ったり押さえたりする時の雑音--が全く出ないのと、旋律進行がリニアでスムーズであるため、ギター版とは趣が大きく異なる。ハープが奏でる棚引いて揺れ動く様な微細な旋律は、なんともアランフェスにぴったりなのだ。結論から言うとかなり気に入った。試しに村治の新しいアランフェスと比較したが、もうこれはナンセンスな対比と言わざるを得ないほどこのハープ版の方が熱く明るく、また時にアンニュイで仄暗いプレゼンスが何とも言えずよろしい。
セレナータ協奏曲は、更にコアなイベリアの激しいリズムとドロドロと猥雑な旋律が入り乱れる隠れた名作の一つ。ハープという楽器の更なる可能性と別の顔を見せつけられる。
(録音評)
naive V5111、通常CD。録音はAUVIDIS時代の1999年のものだが、音質は極めてクリアで背景が仄暗い優秀盤だ。ハープの繊細な指捌きが克明に入っている反面、オケのスケールが大きく捉えられていて対比がダイナミック、良い音である。ハープが指揮者の目の前に陣取るという異例の構図なのだが、バックのオケは意外なことにごく普通のストコフスキー配置だったりする。
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instants classiques ~クラシックの瞬間(とき)
ナイーブレーベルから、クラシック音楽の様々な時代、瞬間のエッセンスを1枚にぎゅっと閉じ込めたシリーズの登場。全15タイトル、どれも珠玉のトラックが並び、お買い得価格となっています。廃盤となっていたアレッサンドリーニによる『スターバト・マーテル』、『グローリア』や大ヒット映画『カストラート』のサントラが復活していたりと、熱心なファンにも見逃せないものが含まれています。(以上、キングインターナショナルのコメンタリー)
“スペインの魂”ロドリーゴ作品集
傑作『アランフェス』のハープ版ほか、名手モレッティによるロドリーゴ
ロドリーゴ:
・Concierto de Aranjuez (for Harpe)アランフェス協奏曲(ハープ版)
Allegro con spirito
Adagio
Allegro gentile
・Sones en la Giralda ヒラルダの調べ(セビリャ幻想)
Lento
Allegro vivace - Tempo de Sevilla - Molto ritmico
・Concierto Serenata セレナータ協奏曲
Estudiantina
Intermezzo con aria
Sarao
Isabelle Moretti イザベル・モレッティ(ハープ)
Edmon Colomer エドモン・コロマー(指揮)
Seville Royal Symphony Orchestra セビリャ王立管弦楽団
このシリーズは全15タイトルを出すそうで、これはそのうちの一枚。とても気持ちの良い、それでいてイベリア独特の薫りがするアルバムだ。
ヒラルダの調べというのは初めて聴いた。というか、ロドリーゴの作品で知っているのはアランフェスとセレナータ協奏曲だけだったりする。しかもセレナータ協奏曲についても余り聴き込んでいる訳ではない。尚、アランフェスは言うまでもないがギター協奏曲であり、このCDでは名ハーピスト・イザベル・モレッティがギター・パートをハープで弾いている。その他の作品は元々がハープ協奏曲の形態だ。
ハープはギターと原理的には同等の撥弦楽器なのだが、共鳴胴の構造がかなり異なっているのと、基本的にはピアノなどと同様に音程一つに対して一組の弦が独立して張ってあるため音程調整のためのフィンガーボードやフレットは存在しない。このアランフェスは、ギターを演奏する時のノイズ--つまりネック上の弦を左右に走る指で擦ったり押さえたりする時の雑音--が全く出ないのと、旋律進行がリニアでスムーズであるため、ギター版とは趣が大きく異なる。ハープが奏でる棚引いて揺れ動く様な微細な旋律は、なんともアランフェスにぴったりなのだ。結論から言うとかなり気に入った。試しに村治の新しいアランフェスと比較したが、もうこれはナンセンスな対比と言わざるを得ないほどこのハープ版の方が熱く明るく、また時にアンニュイで仄暗いプレゼンスが何とも言えずよろしい。
セレナータ協奏曲は、更にコアなイベリアの激しいリズムとドロドロと猥雑な旋律が入り乱れる隠れた名作の一つ。ハープという楽器の更なる可能性と別の顔を見せつけられる。
(録音評)
naive V5111、通常CD。録音はAUVIDIS時代の1999年のものだが、音質は極めてクリアで背景が仄暗い優秀盤だ。ハープの繊細な指捌きが克明に入っている反面、オケのスケールが大きく捉えられていて対比がダイナミック、良い音である。ハープが指揮者の目の前に陣取るという異例の構図なのだが、バックのオケは意外なことにごく普通のストコフスキー配置だったりする。

by primex64
| 2009-01-12 15:05
| Concerto - others
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