Leclair: Violin Sonatas Book3 Op.5 #1,3,4,7,8@Holloway, Linden, Mortensen |
http://www1.hmv.co.jp/product/detail/2809014/
ルクレール: ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 第3巻 作品5
・ソナタ第8番ニ長調
・ソナタ第7番イ短調
・ソナタ第1番イ長調
・ソナタ第3番ホ短調
・ソナタ第4番変ロ長調
ジョン・ホロウェイ(ヴァイオリン)
ヤープ・テル・リンデン(チェロ)
ラース・ウルリク・モーテンセン(チェンバロ)
ジャン=マリー・ルクレールはバロック期の1697年、リヨン生まれのVn奏者、作曲家であり、年代は少々ずれるもののクープラン、ヴィヴァルディ、テレマン、バッハらとほぼ同時代を生き抜いた人物だ。
フランスのバロック期というとどうしてもクープランの作風が思い浮かぶのである。しかし、ルクレールの作風はそれとは大きく異なっていて、誤解を承知で乱暴な言い方をするなら、旋律はヴィヴァルディの持つ感情表現をもう少し起伏をなだらかにした様なもの、対旋律と通奏低音はバッハの作風から対位法を抜いた様なシンプルなもの、と出来るだろうか。
ルクレールは若くしてトリノへ出てVnと舞踏の修行をしていたそうだが、そのイタリア時代の経験が「ヴィヴァルディ的」な屈託ない明るいメロディ・ラインを形成させているのかも知れない。
高名なVn奏者であったルクレールならではの速くて小刻みな主旋律は伸びやかで煌びやか、そして対旋律は反対に太くゆったり滔々と流れるのである。ソナタ3番がとても秀逸で、特に2楽章の響きが美しい。また、4番の最終楽章はちょっと変わっていて振幅が非常に大きなヴィブラートが随所に使われていてまるでベルカントの様な味わいなのだ。
(録音評)
ECM New Series 4766280、通常CD。録音は2006年11月27-29日 ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア(デジタル)とある。
音質は典型的なECMのもので、多少オンマイクでありながら残響成分も豊富に含まれる出来上がり。透明度と先鋭度はいつも通り高い。録音レベルは少々大きく、通常聴取ボリューム位置から下げないとちょっとうるさいかも知れない。水準の上を行く優秀録音だ。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。