2008年 12月 29日
Tchaikovsky: Vn-Con Op.35@Jansen, Harding/Mahler CO. |
DECCAのユーロ新譜からジャニーヌ・ヤンセンのチャイコン。著名な曲だけに既にリリース済みかと思っていたらこれが初録音だった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2772400
国内盤はこちら↓

チャイコフスキー:
・ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
・なつかしい土地の思い出
ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
マーラー・チァンバー・オーケストラ
ダニエル・ハーディング(指揮)
以前にはヴィヴァルディの四季やメンコンを聴いて好印象だったのだが、このチャイコンは随分とクールで細い演奏だ。熱気と民族的な息吹が感じられない点においては最近で言えばスクリデのチャイコンに似た系列の解釈で、情感が薄い分、技巧面に耳が行ってしまう。巧いVnではあるが以前のメンコンの方が楽しく浮き立つ演奏だった。
同世代奏者、例えばユリア・フィッシャーと聴き比べてみると面白い。あちらも「なつかしい土地の思い出」をフィーチャーしており(P伴奏版、こちらはオケ版)、奇しくも同じ曲同士の聴き比べとなる。ユリアのVnは技巧的にはジャニーヌと同等レベルと思われるが、全編でふくよかな曲想であって優しい印象だ。反面、ジャニーヌの方はカリカリに研ぎ澄まされた神経質なVnであって硬質で厳しい印象なのは弾き方だけではなく楽器の違いによる影響もないとは言えないだろう。即ちユリアは太く渋いガダニーニなのに対してジャニーヌはフローラルで痩身なストラディヴァリを操っているのだ。
「なつかしい土地の思い出」についてもチャイコンとほとんど同じ印象で、パッセージはとても速いテンポで粘性を伴うことなく爽やかに弾き抜けている。やはり巧いVnであることは間違いがないが憂愁に満ちた過度な情感は込められてはおらずその辺は好き嫌いが分かれるところだろう。
オケの出来映えに関してはまずまず、ハーディングのリードはやはりドライな傾向だ。今風のチャイコンの代表格なのかもしれないが、このジャニーヌやバイバ・スクリデ、ユリア・フィッシャー、ヒラリー・ハーン、バティアシュヴィリなどの若手女流にどのような差異と個性差を求めるべきなのかは悩ましいところだし、事実、聴き流す分にはその違いは特筆するほど感じられないのだ。
(録音評)
DECCAレーベル、4780651、通常CD。音質は無難に整った大手レーベルらしい安定度であって定位も音場展開もそこそこ良好。音色は多少のブリリアンスを伴っており良く言えば聞きやすく、悪く言えば高演色傾向だ。マルチマイク然とした不自然な分離も感じられず、同じユニバーサル傘下の大手レーベル録音としては優秀な方だ。
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チャイコフスキー:
・ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
・なつかしい土地の思い出
ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
マーラー・チァンバー・オーケストラ
ダニエル・ハーディング(指揮)
以前にはヴィヴァルディの四季やメンコンを聴いて好印象だったのだが、このチャイコンは随分とクールで細い演奏だ。熱気と民族的な息吹が感じられない点においては最近で言えばスクリデのチャイコンに似た系列の解釈で、情感が薄い分、技巧面に耳が行ってしまう。巧いVnではあるが以前のメンコンの方が楽しく浮き立つ演奏だった。
同世代奏者、例えばユリア・フィッシャーと聴き比べてみると面白い。あちらも「なつかしい土地の思い出」をフィーチャーしており(P伴奏版、こちらはオケ版)、奇しくも同じ曲同士の聴き比べとなる。ユリアのVnは技巧的にはジャニーヌと同等レベルと思われるが、全編でふくよかな曲想であって優しい印象だ。反面、ジャニーヌの方はカリカリに研ぎ澄まされた神経質なVnであって硬質で厳しい印象なのは弾き方だけではなく楽器の違いによる影響もないとは言えないだろう。即ちユリアは太く渋いガダニーニなのに対してジャニーヌはフローラルで痩身なストラディヴァリを操っているのだ。
「なつかしい土地の思い出」についてもチャイコンとほとんど同じ印象で、パッセージはとても速いテンポで粘性を伴うことなく爽やかに弾き抜けている。やはり巧いVnであることは間違いがないが憂愁に満ちた過度な情感は込められてはおらずその辺は好き嫌いが分かれるところだろう。
オケの出来映えに関してはまずまず、ハーディングのリードはやはりドライな傾向だ。今風のチャイコンの代表格なのかもしれないが、このジャニーヌやバイバ・スクリデ、ユリア・フィッシャー、ヒラリー・ハーン、バティアシュヴィリなどの若手女流にどのような差異と個性差を求めるべきなのかは悩ましいところだし、事実、聴き流す分にはその違いは特筆するほど感じられないのだ。
(録音評)
DECCAレーベル、4780651、通常CD。音質は無難に整った大手レーベルらしい安定度であって定位も音場展開もそこそこ良好。音色は多少のブリリアンスを伴っており良く言えば聞きやすく、悪く言えば高演色傾向だ。マルチマイク然とした不自然な分離も感じられず、同じユニバーサル傘下の大手レーベル録音としては優秀な方だ。
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by primex64
| 2008-12-29 14:04
| Concerto - Vn
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