Couperin: Viole Suites#1,#2 Etc@Pierlot,Hantai,Balssa |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2809016
Francois Couperin: Pieces de violes
Suite no 1 in E minor & Suite no 2 in A minor
Concert no 1 G major & Concert no 2 D major
Balssa, Emmanuel (Viola da gamba), Eguez, Eduardo (Theorbo),
Hantai, Pierre (Harpsichord), Pierlot, Philippe [Gamba] (Viola da gamba)
フランソワ・クープラン:ヴィオール作品集
ヴィオール組曲 第1番、第2番、コンセール 第1番、第2番
フィリップ・ピエルロ(ヴィオール)
エマニュエル・バルサ(ヴィオール)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ)
ピエール・アンタイ(クラヴサン)
一言でいうと仄暗いクープランの世界だ。これらの作品群はわりと最近になって見つかったという。以下はライナーから:
These pieces were long thought to have been lost without trace, and yet, unnoticed by anyone, a copy had been gathering dust on the shelves of the Bibliotheque Nationale in Paris, with only the initials F.C. to identify. Charles Bouvet has told the story of what induced him to take a closer look at this copy and why he was convinced (on the strength of both, internal and external evidence) that this was indeed the famous collection. These are masterpieces, fully worthy to be mentioned in the same breath as the fourth book of pieces for harpsichord, of 1730, and some of the most beautiful moments in all Couperin's works, performed by two of the finest exponents of Baroque style: Philippe Pierlot and Pierre Hantaï.
これらの作品は跡形なく消失したものと長いあいだ思われていて、そしてこの複写譜面は誰にも気づかれずにパリの国立公文書館の棚で埃を被っていたわけだが、これらの作品にはイニシャルF.C.とだけ署名されていてこれが作者識別のための唯一の手がかりだった。シャルル・ブーヴェは、彼自身にこの複写譜面を詳細に調べるよう思い至らしめた経緯と彼がこの譜面が有名なコレクションであることを強く確信した(内外の証拠に基づいて)理由を述べている。これらは1730年の傑作、即ちチェンバロのための四部作と同様の息吹を持っている傑作であり、そして、クープラン作品中でも最も美しい瞬間を含み、バロック様式の最も優れた提唱者のうちの2人によって演奏されるのだ:フィリップ・ピエルロとピエール・アンタイ
ということだ。全編を通してシンプルで穏やかな旋律、モデレートな和声が美しい調和を見せるクープラン独自のダークな音世界が拡がっている。
フィリップ・ピエルロとエマニュエル・バルサが弾くバス・ド・ヴィオールが太く深い背景の基礎を形成し、その上でエドゥアルド・エグエステオルボが儚いメロディーを綴って行く。フィリップ・ピエルロのヴィオールの調弦は一部が高音域に振ってあるようで、テオルボとの素朴な和音が所々で現れ、更なる憂愁を誘う。フレットによる厳格な音程に支えられた揺らぎのない旋律進行は図太くそして限りなく伸びやかだ。アンタイのチェンバロはいつになく静かでしっとりした感じのサポートだが芯を持った通奏低音はステージ全体の重厚さを確実なものとしている。
ガット弦とプレミア級の古楽器が醸し出す極上のコンソートは柔らかくそして暖かだ。理屈抜きにずっと聴いていたい気持ちの良さは外の寒さを忘れさせてくれる。
(録音評)
MIRARE MIR040、通常CD、録音は2007年2月13-15日、Temple de Lourmarin, France(ルールマラン、フランス)とある。この写真 にある寺院が録音場所であり、ライナーの写真と一致する。1800年代初頭の建築という。
手前中央にテオルボ、その直後にバス・ド・ヴィオールが左右配置、その後ろちょっと右からチェンバロが聞こえてくる。音質・音響は素晴らしく、石作りと思われる硬質な音場背景は恐らくはそれほど広くはないが天井の高い礼拝堂の固有残響だ。ヴィオールたちの馥郁たる音色がリアルだが立体的に捉えられていて、嫌味のない大人の調音は心地よい典型的なMIRAREの録音といえる。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。