2008年 12月 16日
Mendelssohn: Romances sans paroles@Shani Diluka |
MIRAREの新譜で、シャニ・ディリュカの待望のアルバム第二弾だ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2790532
メンデルスゾーン:
・無言歌集第1巻よりホ長調『甘い思い出』Op.19-1
・無言歌集第6巻より嬰ヘ短調『失われた幻影』Op.67-2
・無言歌集第6巻より変ホ長調『瞑想』Op.67-1
・無言歌集第6巻よりハ長調『紡ぎ歌』Op.67-4
・無言歌集第7巻よりニ長調『悲歌』Op.85-4
・無言歌集第8巻よりホ短調『寄る辺なく』Op.102-1
・無言歌集第8巻よりト短調『そよぐ風』Op.102-4
・無言歌集第8巻よりイ長調『楽しき農夫』Op.102-5
・無言歌集第8巻より舟歌Op.102-7(遺作)
・ピアノ三重奏曲Op.49 2楽章(ピアノ独奏版:編曲=シャニ・ディリュカ)
・厳格な変奏曲Op.54
・幻想曲嬰ヘ短調『スコットランド・ソナタ』Op.28
シャニ・ディリュカ(ピアノ)
ディリュカのMIRAREデビュー盤は鮮烈で、欧州の主要な音楽賞も総なめだった。グリーグでデビューと言うことで次が何で来るかは予測が出来ず、オーソドックスにモーツァルトかベートーヴェンなどのウィーン楽派、はたまたショパンかリストというピアノ特化の作品、或いはフランス印象派か? などと詮索していたのだが、意外なことにメンデルスゾーンの無言歌集であった。無言歌集は田部京子や小山実稚恵がリサイタルでよく弾いていて優しくて良い曲集だと思っていた。誰かのCDを持っていた気がして手元にあるCDの山を探してみたが無言歌集は見つからなかった。
ディリュカの無言歌集Op.19#1を最初にかけた時、なんだか別の曲という印象を持った。思っていた曲想とは空気感が全然違うのだ。なにがそう思わせるのかははっきり分からないが、ディリュカの弾き方が前出の女流たちとは全然違うのは明白で、テンポが比較的速くて全体に疾駆感が強い。なよとして感傷的なバルソルディの旋律をキリリとしたレガートで隈取り深く弾いている。デュナーミクの頻繁な出し入れが主体でアゴーギクは殆ど入れずに通しており、従って過度にメランコリックなベタベタ感はない。
どこかで聴いた優雅な旋律だと思ったら、ピアノトリオOp.49の二楽章(アンダンテ・コン・モート・トランクィーロ)だった。ん? と思ってライナーを見たらシャニ自身の手による編曲とある。独奏版もシンプルながら優美で可憐だ。
厳格な変奏曲はベートーヴェン風、また、シューベルトちっくな構築美を見せる堅い曲なのだが、シャニはこれは厳めしくハードに弾き切っていてなかなかに勇ましい。スタインウェイが悲鳴を上げてビリ付いているのはご愛敬。
締めのスコットランド・ソナタは色彩感が豊かでドラマティックな展開。終楽章プレストの速度感は格別で、執拗に繰り返される高速6連符の連打がシャニの技巧の優秀性を裏付けている。
(録音評)
MIRARE、MIR062、通常CD。録音はスイス、ティボー・ヴァルガ・スタジオとある。静寂な背景にシャニの強い鍵盤捌きが冴え渡るクリアな音質で、タッチの硬軟がくっきりと、しかし全体にしっとり感のある大人の質感だ。
しかし、MIRAREはボリス・ベレゾフスキー、クレール・デゼール、ブリジット・エンゲラー、そしてこのシャニなど優秀なピアニストをたくさん擁していて、その層の厚さと録音の優秀さでは最右翼だ。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2790532
メンデルスゾーン:
・無言歌集第1巻よりホ長調『甘い思い出』Op.19-1
・無言歌集第6巻より嬰ヘ短調『失われた幻影』Op.67-2
・無言歌集第6巻より変ホ長調『瞑想』Op.67-1
・無言歌集第6巻よりハ長調『紡ぎ歌』Op.67-4
・無言歌集第7巻よりニ長調『悲歌』Op.85-4
・無言歌集第8巻よりホ短調『寄る辺なく』Op.102-1
・無言歌集第8巻よりト短調『そよぐ風』Op.102-4
・無言歌集第8巻よりイ長調『楽しき農夫』Op.102-5
・無言歌集第8巻より舟歌Op.102-7(遺作)
・ピアノ三重奏曲Op.49 2楽章(ピアノ独奏版:編曲=シャニ・ディリュカ)
・厳格な変奏曲Op.54
・幻想曲嬰ヘ短調『スコットランド・ソナタ』Op.28
シャニ・ディリュカ(ピアノ)
ディリュカのMIRAREデビュー盤は鮮烈で、欧州の主要な音楽賞も総なめだった。グリーグでデビューと言うことで次が何で来るかは予測が出来ず、オーソドックスにモーツァルトかベートーヴェンなどのウィーン楽派、はたまたショパンかリストというピアノ特化の作品、或いはフランス印象派か? などと詮索していたのだが、意外なことにメンデルスゾーンの無言歌集であった。無言歌集は田部京子や小山実稚恵がリサイタルでよく弾いていて優しくて良い曲集だと思っていた。誰かのCDを持っていた気がして手元にあるCDの山を探してみたが無言歌集は見つからなかった。
ディリュカの無言歌集Op.19#1を最初にかけた時、なんだか別の曲という印象を持った。思っていた曲想とは空気感が全然違うのだ。なにがそう思わせるのかははっきり分からないが、ディリュカの弾き方が前出の女流たちとは全然違うのは明白で、テンポが比較的速くて全体に疾駆感が強い。なよとして感傷的なバルソルディの旋律をキリリとしたレガートで隈取り深く弾いている。デュナーミクの頻繁な出し入れが主体でアゴーギクは殆ど入れずに通しており、従って過度にメランコリックなベタベタ感はない。
どこかで聴いた優雅な旋律だと思ったら、ピアノトリオOp.49の二楽章(アンダンテ・コン・モート・トランクィーロ)だった。ん? と思ってライナーを見たらシャニ自身の手による編曲とある。独奏版もシンプルながら優美で可憐だ。
厳格な変奏曲はベートーヴェン風、また、シューベルトちっくな構築美を見せる堅い曲なのだが、シャニはこれは厳めしくハードに弾き切っていてなかなかに勇ましい。スタインウェイが悲鳴を上げてビリ付いているのはご愛敬。
締めのスコットランド・ソナタは色彩感が豊かでドラマティックな展開。終楽章プレストの速度感は格別で、執拗に繰り返される高速6連符の連打がシャニの技巧の優秀性を裏付けている。
(録音評)
MIRARE、MIR062、通常CD。録音はスイス、ティボー・ヴァルガ・スタジオとある。静寂な背景にシャニの強い鍵盤捌きが冴え渡るクリアな音質で、タッチの硬軟がくっきりと、しかし全体にしっとり感のある大人の質感だ。
しかし、MIRAREはボリス・ベレゾフスキー、クレール・デゼール、ブリジット・エンゲラー、そしてこのシャニなど優秀なピアニストをたくさん擁していて、その層の厚さと録音の優秀さでは最右翼だ。
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by primex64
| 2008-12-16 11:32
| Solo - Pf
|
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Comments(2)
Commented
by
koyama
at 2009-05-06 21:37
x
お世話様です。帰省からお帰りですね、お疲れ様でした。
私も連休中はバタバタなので5/1の昼休みにエイッと秋葉原に
行ったところ、某店は午後2時から・・・でマイナスイオン・ディスクは
買えてません。やはり通販より、店頭で聴いてと思いまして(汗
で、デュリカさんの2枚目、聴きました。先にラロッカ?のコンサート盤
を聴いてまして、この盤の1と2曲目のみライブ先行ということでしたが、
素晴らしいですね。メンデルスゾーンのピアノ曲はあまり存じて、と
いうか、全く知らなかったですが、そんなことに関係なく音楽に没頭
していました。また、ライブであれだけ「弾ける」、プロだから当然かも
しれませんが、本スタジオ盤を聴いて改めてデュリカさんの実力の
素晴らしさを感じました。
本音を言うと、音楽の素晴らしさと同じくらい、見開きの中ジャケの
右側の写真に惚れてしまいまして(爆
ではでは。
私も連休中はバタバタなので5/1の昼休みにエイッと秋葉原に
行ったところ、某店は午後2時から・・・でマイナスイオン・ディスクは
買えてません。やはり通販より、店頭で聴いてと思いまして(汗
で、デュリカさんの2枚目、聴きました。先にラロッカ?のコンサート盤
を聴いてまして、この盤の1と2曲目のみライブ先行ということでしたが、
素晴らしいですね。メンデルスゾーンのピアノ曲はあまり存じて、と
いうか、全く知らなかったですが、そんなことに関係なく音楽に没頭
していました。また、ライブであれだけ「弾ける」、プロだから当然かも
しれませんが、本スタジオ盤を聴いて改めてデュリカさんの実力の
素晴らしさを感じました。
本音を言うと、音楽の素晴らしさと同じくらい、見開きの中ジャケの
右側の写真に惚れてしまいまして(爆
ではでは。
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primex64 at 2009-05-07 21:46
koyamaさん 毎度ですw
富山から帰りました。ちょっと疲れましたが親には孝行できたかな?ww
そうですか、マイナスイオンDISCはまだですか・・。あれ、試聴するほど高価な代物ではないのでお気軽に・・w
デュリュカのアルバム、素晴らしいでしょ? いえ、画像じゃなくて。あ、画像も素晴らしいですけれどねヽ(゜_゜>)
ラロック・ダンテロンのディリュカの演奏も素晴らしかったですけれどセッション録りできっちり演奏したこれはなかなかですわww
それにしてもメンデルスゾーンの無言歌集はなかなかに素晴らしい作品ですよね。割とマイナーなので残念と言えば残念ですが。
富山から帰りました。ちょっと疲れましたが親には孝行できたかな?ww
そうですか、マイナスイオンDISCはまだですか・・。あれ、試聴するほど高価な代物ではないのでお気軽に・・w
デュリュカのアルバム、素晴らしいでしょ? いえ、画像じゃなくて。あ、画像も素晴らしいですけれどねヽ(゜_゜>)
ラロック・ダンテロンのディリュカの演奏も素晴らしかったですけれどセッション録りできっちり演奏したこれはなかなかですわww
それにしてもメンデルスゾーンの無言歌集はなかなかに素晴らしい作品ですよね。割とマイナーなので残念と言えば残念ですが。