Dvorak: Stabat Mater Op.58@Equilbey/Accentus |
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Dvorák: Stabat Mater Op.58
(Original version for Soloists, Choir, & Piano)
1. Stabat Mater Dolorosa
2. Quis Est Homo, Qui Non Fleret
3. Eja, Mater, Fons Amoris
4. Fac, Ut Ardeat Cor Meum
5. Fac, Ut Portem Christi Mortem
6. Inflammatus Et Accensus
7. Quando Corpus Morietur
Alexandra Coku (soprano), Renata Pokupic (alto),
Pavol Breslik (tenor), Markus Butter (bass)
Brigitte Engerer (piano), Accentus, Laurence Equilbey
アレクサンドラ・コク(ソプラノ)、レナータ・ポクピック(コントラルト)、
パヴォル・ブレスリク(テノール)、マルクス・ブッター(バリトン)、
ブリジット・エンゲラー(ピアノ)、アクセンタス、ロランス・エキルベイ
スターバト・マーテルは邦題を悲しみの聖母と言い、中世カトリック教会の伝統的聖歌の一つである。作はヤーコポーネ・ダ・トーディ (Jacopone da Todi) とされており、磔刑に処せられたキリストの十字架の下で聖母マリアがくずおれて悲嘆に暮れる心象を描いたものとなっている。非常に悲しく深い感銘を人々に与える詩であるため、歴代作曲家の多くが同題でこれに旋律を付けている。有名なところでは古くはジョスカン・デ・プレ、ヴィヴァルディ、ハイドン、そしてシューベルト、ロッシーニ、グノー、ヴェルディなどがあげられる。
ドヴォルザークは、1875年に娘のジョセファを生後僅か2日で亡くし、その後授かった娘ルジーナも1877年8月13日、リン酸化合物溶液の誤飲により1歳の誕生日を前に死んだ。更に悲劇は繰り返され、直後の9月8日、長兄だったオタカールが天然痘に罹り3歳の若さで死んでしまった。
ドヴォルザークはジョセファの死の直後、その悲しみを紛らわすためスターバト・マーテルの研究に着手していたようで、翌年1876年には現在知られるスターバト・マーテルの大部分は完成していた。だが、1877年のルジーナとオタカールの死が決定的な契機となりその執筆速度は倍加され、極度の悲嘆に見舞われている中、彼は同年11月13日にスターバト・マーテルを完成させたと記録にある。この曲は永らくピアノ版をスケッチ土台としてオーケストレーションされた版であったとされてきたが、その後の研究でこのときに出来上がったのはソロ歌唱、合唱、そしてピアノ伴奏のための最終譜面=1876年版と称する=であり、オケ版の編曲が完成されたのは翌年以降だったとする説が有力らしい。
ということで、ピアノ伴奏版がオリジナルのスターバト・マーテルと認められてから世界で初めて録音されたのがこのnaiveの新譜、エキルベイ/アクセンタスおよびソリスト達による演奏なのだ。
この作品/演奏を文字表現を用いてその全貌、いや一部分でもその姿を形容することは難しい。この心打たれる全7曲を最初から最後まで実際に耳を傾けて聴いてみる以外この作品の神髄を窺い知る方法はないだろう。
ドヴォルザークがこの曲を書いた悲劇の時代にはブラームスとの親交があったとされるが、最初の娘の死から遡ること8年ほど前に書かれたドイツ・レクイエムのイメージが僅かに感じられる部分以外は孤高の曲でありこれ以前の誰の作品にも似ていない。また、フォーレが自分のレクイエムの範としたのではないかと思われるパッセージが幾つか見つかるが判然とはしない。
この演奏/録音は、作曲家が当時置かれた境遇や心理状態、思いをどこまで忠実に現時点へ投影できるのか、という事への壮大なチャレンジだ。どこまでも静謐で揺るぎないエンゲラーの太い伴奏に手を引かれ、アクセンタスとソリスト達が父親・ドヴォルザークの慟哭を声を限りに歌い上げる不世出の演奏だ。
(録音評)
naiveレーベル、V5091、通常CD。DPAとノイマンのマイク、Milleniaのマイクプリ、ソニーDMX-R1000デジタル・コンソール、オリジナル24bit/96kHz録音とある。音質は極めて良く、どこをとっても完璧。文句の付けようがない。
音楽史上も、そしてまた演奏のパフォーマンス、録音品質共にグラミー賞ノミネートされてもおかしくない出来映えで、音楽ファン、オーディオ・ファン双方へお薦めできる超優秀録音盤だ。
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素敵なCDですね。試聴で気に入りましたので注文してみようと思います。ご紹介されているピアノや合唱曲は素晴らしいものが多いので他の曲も確認させて頂きます。有難うございました。
また、eARの製品をご使用とのことですが、私も購入を検討しております。もし宜しければ注文等に関してご質問等をさせて頂きたいのですが、どのようにさせて頂ければよろしいのでしょうか。厚かましいお願いで恐縮ではありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
クラシックはなかなか敷居が高かったのですが、ご紹介されていらっしゃるものから少しずつ購入して聞いていきたいと思っております。
eARにつきましては、個人的なお話になりますので、後ほどご紹介頂きました方法にてお問い合わせさせて頂きたいと思います。重ねてお礼申し上げます。
では、ご連絡お待ち申し上げます。