Saint-Saëns: Le carnaval des animaux@Argerich, Maisky, Kremer etc. |
その後一度絶版となり、すぐに復活したがまた絶版となり久しく時間が過ぎた。が、数年前にまたひっそりと復刻されているらしい。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/70837
(国内盤はこちら↓)
国内盤のジャケットのデザインは変わってしまった。現在のジャケットの下半分にある人の指にペイントアートで動物の顔を描いた絵が全面を覆っているのが初版である。
ウィキペディアの解説から:
動物の謝肉祭(Le carnaval des animaux) は、フランスの作曲家 カミーユ・サン=サーンスによる組曲。全部で14曲から成る。多くの楽曲をパロディにして、時折それらを皮肉っていることなどから、生前にこの曲が一般に発表されることはなかった。
現在では、プロコフィエフの『ピーターと狼』やブリテンの『青少年のための管弦楽入門』と並ぶ、子供向け管弦楽曲の代表的作品としても人気がある。
作曲:1886年
初演:1886年3月9日、オーストリアのクルディム(非公開。サン=サーンスがピアノ、シャルル・ルブークがチェロを担当)
一般公開初演は1922年2月25日(作曲者の死後)
楽器編成
小規模のオーケストラで演奏する場合と、室内楽として演奏する場合がある。前者では弦楽器は各パートに複数置かれる。
フルート(ピッコロ持ち替え)
クラリネット
グラスハーモニカ
シロフォン
ピアノ 2
ヴァイオリン 2
ヴィオラ
チェロ
コントラバス
このCDを演奏しているのは以下の錚々たる顔ぶれで、まだ面々が若い頃の力作と言える。現在では巨匠と呼ばれる人たちばかりが一堂に会した夢の録音である。期待に違わず瑞々しく躍動的な演奏で、技巧的にも素晴らしい。何より聴いていてワクワクし、とても楽しくなる堪らない出来映えだ。
ギドン・クレーメル、タベア・ツィンマーマン、ミシャ・マイスキー、マルタ・アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ、ゲオルグ・ヘルトナーゲル、エドゥアルト・ブルンナー、イレーナ・グラフェナウアー
(録音評)
フィリップスの旧デジタルクラシック・シリーズのうちの一枚。スタジオ録音ながら適度で自然なりバーブが掛かったステージは素晴らしく、また楽器の定位が恐ろしく精密だ。
この様な小編成楽曲の場合、特定楽器だけが手前に肥大して定位したり、立ち位置が左右前後に揺らいだりするものだがこの録音に限ってはその様なことは一切無い。
また、楽器個々の音色が非常に忠実に捉えられており、僅かなキャラクタ付加も見逃さず、即ち、ちょっとした異常があっても混濁やギラツキと言った破綻を来すこととなる。
私のオーディオ仲間にはお馴染みの一枚であり、私が古くからオーディオ装置の試聴用にずっと愛用しているソースなのだ。オフ会に持って出掛けることもしばしばで、実際に数多くのオーディオマニア宅へ持ち込んで掛けてきたし、システム上の欠陥や不具合を数多くつまびらかにしてきた功労あるCDと言える。
現在でもなお超優秀録音に分類される希有の作品であり、音楽好きな人にもオーディオ好きな人にもお勧めできるものだ。但し、これが巧く再生できないからと言ってすぐに落胆しないで欲しい。そう簡単には鳴ってくれないCDである。
追補: 輸入盤と国内盤では音質に大きな差があるので要注意。国内盤はリマスターの影響からか整理されすぎてしまった感がある。