ある風景:Isezakicho,Yokohama@Jun 2020 #3 |
へびや=黒田救命堂
戦後この伊勢佐木町に本店を構えて以来、長く営業する漢方薬の老舗。元々は大正元年に東京の芝三田四国町(現・港区 芝)で創業、支店を今でいう伊勢佐木町5丁目に出す。関東大震災で芝の本店は焼失して本拠を横浜に移す。昭和21年に5丁目から4丁目に移転して現在に至る。玄関先のショーケースには剥製の大蛇や鰐などが陳列してあって薄気味悪さというか、独特のオーラを放っている。娘たちが小さい頃に悪さをしたとき、蛇屋に連れて行くぞ!と一喝すると震撼し、従順になったものだ。
美味しそうなお店たち
30年ほど前、この4丁目辺りは個人経営の洋品店、洋装店、ブティック、呉服店、化粧品店、パーマ屋、質屋など、戦後から続く伝統的で味のある老舗が林立していた。しかし、時代の波の変化と後継者不足の関係からかそういった店は徐々に消え、飲食店などに衣替えして行った。だいたい、家賃が驚くほど高いイセザキモールの目抜き通りに横浜家系ラーメンなどは一軒もなかった。
今日の一曲
サンチャゴ・デ・ムルシアというスペインのギター奏者で作曲家の作品集。演奏はリュートの名手=ポール・オデット。ムルシア(Santiago de Murcia:1682-1732)の生きた同時代の作曲家と言えばヴィヴァルディとバッハがいる。しかしムルシアの作風はこの二人の純朴で牧歌的、ある種の厳格さを伴った音楽とは大きく異なり、現代にまで通ずるようなモダンで猥雑なプレゼンスが漲っている。
(MusicArena 2008/9/24)
人気ブログランキング
♪ よい音楽を聴きましょう ♫