小嶋屋@三吉橋 |
まずは生ビール
横浜へ帰ったら食べたいものの一つが蕎麦だった。二八で打ってあって、適度な脆性があって、やはり腰はあるけれどもある程度のところでほろりと切れるざっくりとした蕎麦が好きだ。それと、長尻にはなるが蕎麦前をゆったりと嗜みたかったのだ。ということで、家内も久し振りにこちらの蕎麦をいただきたいと言うし、横浜橋で買いたい食材もあったことから三吉橋へ。
肴三品
頼んだのは写真の順で焼き牡蠣、長芋の磯部揚げ、春野菜の天ぷら。
摩った長芋を板海苔で包み、高温の油で揚げたこの逸品は堪らない。美味しすぎてビールが無限に入る。案の定ビールが尽き、いつもの銘酒〆張鶴を一合頼む。そして春野菜の天ぷら。これまた罪作りな逸品で、毎年このシーズンの楽しみの一つ。蕨、薇(ぜんまい)、蕗の薹、屈(こごみ)、山独活(やまうど)、若筍などが春の薫りを放散し、気分も春めいてくる。
変わりそば=柚子切り
これもこの時期には家内が必ずといってよいほど頼む定番。
鴨せいろ
私のオーダー。言わずと知れたこの店のフラッグシップにして他を以て代え難い逸品だ。これもまた過去に何度も取り上げているので内容については多くは説明しない。詳細は過去日記から参照いただきたい。
少し癖のある鴨肉スライスがたっぷり入る。出汁は他の蕎麦汁と同じ鰹の本枯節の系統がベースだが、更に鴨を投入してからぐつぐつと煮込んでいて、そこには水鳥特有の軽量の脂、そして得も言われぬ甘味・旨味が。きりりとした硬茹での蕎麦に重畳されて堪らない滋味が溢れてくる。出汁、蕎麦、鴨、そして丸太切りの葱などの付け合わせが協調して稀有の旨味を形成。
お店データ
三吉橋 小嶋屋
横浜市南区中村町3-188-9
電話:045-261-0391
営業:11:30~15:30、17:00~20:00
定休:月曜
最寄:市営BL阪東橋8分、伊勢佐木長者町11分
京急黄金町13分
今日の一曲
チャイコフスキーの交響曲第4番ヘ短調 op.36 他。演奏はクリストフ・エッシェンバッハ指揮、フィラデルフィア管弦楽団。エッシェンバッハは著名で完成され尽くした超優秀ピアニストだが、アシュケナージに似た経緯で指揮者として活躍している。どのシリーズの完成度も高く、そしてその高い芸術性と質の高さには個人的に着目している。録音はDSD録音で有名なONDINEレーベルで、録音担当はポリヒムニア。これは超優秀録音盤だ。
(MusicArena 2007/9/18)
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